旅と人生が同義語くらいに好きな私、地中海沿岸が好きでロンドンに住んでいる私、子どもが生まれてからも旅のスタイルを試行錯誤しながらも、1人→2人→3人に増えた子どもたちを引き連れて地中海方面に足をのばしています。
今年の夏はトルコのリゾート地ボドルム半島に2週間行ってきました。
トルコは大好きで今まで4回くらい行っていますが、ビジネススクールの同級生トルコ人が毎年夏を過ごす場所がボドルムで、去年の同窓会で「今度はボドルムで」と約束したのでした。
5歳以下3人の乳幼児を連れたビーチホリデーはかなりの困難が容易に想像されたので(水場は危ない)、以前まとめた『子連れバカンスを劇的にラクにするTips』をフルに考慮に入れました。 友人家族(男の子2人)が2ヵ月滞在するコンドミニアムの近くにセルフケータリング(自炊可能)の家を借り、日中は友人のコンドのプライベートビーチに遊びに行ったりして一緒に遊び、夜は自分たちでゆっくり過ごすという計画。
ボドルムは10年前からその気配はありましたが、この10年の間に一気にセレブが集うリゾートと化していてビックリしました。
1. トルコ人お金持ちが集まる
私の同級生夫婦はダンナさんが某グローバル大企業の中東・アフリカ部門CEO、奥さんが元インベストメントバンカーで今は退職、男の子2人の育児中で、トルコではトップ0.1%に入るエリート層。 夏の間はイスタンブールからボドルムに拠点を移し、2人の住み込みヘルプ(1人は家事全般、1人は育児全般)を雇い、日中はプライベートビーチでのんびり、夜は社交で忙しく、という生活。
トルコ人のトップ0.1%層は夏はボドルム半島に全員集結するのか、友人はビーチでもスマホを操りながら引っ切りなしにボドルムを出入りする両親・義両親・友人たちとのスケジュール調整で忙しそうにしていました(笑)。
彼らが2ヵ月間借りていたコンドミニアムですが、英語で検索しても全く情報が出てきません。 トルコ語で検索すると、トルコ語のサイトと不動産売買のサイトが出てきますが、海岸沿いの斜面に数十の独立した建物が並び(全戸オーシャンビュー)プライベートビーチ・テニスコート・プレイグラウンド・レストランなどが併設されています(下の写真)。
今は一戸US$500K(約6,000万円強)くらいで売買されているので、そんなにセレブ価格ではありませんが、私たちが滞在中はトルコ10本指に入る大金持ち(ビリオネア)や、世界中をコンサートツアーで飛び回るトルコ人著名ピアニストなどが滞在していました。 水着姿のまま本を読んだり、昼寝をしたり、家族・友人とゲームをしたり、リラックスした様子は普通のおじさん・おばさんですが、ネットワーキングも欠かしません。 小さなリゾートなので全員が知り合いで、私の友人も上記ビリオネアのおじさんが開発する大規模リゾートのローンチ・パーティーや上記ピアニストのおばさんの浜辺でのコンサートなどに招かれ、さらに忙しくしていました。
モスクワに住んでいた頃も感じたことですが、新興国のお金持ちは桁違いです。 そして彼らは外国人が入れないネットワークを持っています。 ボドルム半島にはこのようなリゾートが沢山あり、夏にはイスタンブールやアンカラから社交の場が移ってくるのです。
2. 世界のお金持ちが集まる
私たちはボドルム半島でもボドルムではなくYalikavakという町の近くに滞在したのですが、何の事前情報もなくマリーナに紛れこんで仰天しました。 巨大クルーザー、いわゆるSuperyachtが集結していたからです。 あんなに多くのSuperyachtの集団を見たのは、クロアチアのHver以来。 船籍はデラウェア(米)、ジャージー(英)、カリブ海など世界中のタックスヘイブン。
橘玲の世界投資見聞録『モナコの花火大会にクルーザーで集うお金持ちは二流!?』にあるように、世界中で進行する富の集中で生まれる新興お金持ちの「三種の神器」はお城のような豪邸、自家用ジェット、大型クルーザーですが、ボドルムは世界中から大金持ちが集まる場所になっていました。
ボドルムに集うセレブにはビル・ゲイツ、ロマン・アブラモヴィッチ、ビヨンセ、トム・ハンクス、ニコール・キッドマン、ダスティン・ホフマン、ケイト・モスなどだそう(ソース:“Palmarina Bodrum to change the face of charming Yalikavak”、“Famous People Visit Bodrum”)。
この結果、ボドルム半島の物価は決して安くはなく(ロンドンと比べると安いですが)、夜は自炊が多くなってしまいました。 目と鼻の先にあるギリシャの島Kosの物価はボドルムの3分の1くらいだそう。 10年前はギリシャの島々は島と島の距離が離れているのでアクセスが悪い割に物価が高い印象があったけど、今はボドルムより低いのかー
「人類史上初めて軍事力ではなく話し合いによって統合・拡大してきたEU」、「世界最大の経済圏を持ち、限りなく国家に近い権力も持とうとしているEU」ってすごいなどと言ってたのは、つい6年前なのに(→『成熟国からの視点』)、世界が変わるのは速い。 ユーロはこけてるし、イギリスはEU離脱するとか言ってるし・・・
普通にサラリーマン家庭でドメスティックに育って、世界を旅することによって鍛えられた私は(→『DodgyとNot dodgyの境目』)、昔のように自由に旅できない現状がもどかしく、
アイデア(の質、量)は移動距離に比例する(『サバイバル時代の海外旅行術』
より)
という高城剛さんの言葉にイラっとしたり、心の中で反論していたのですが(ご本人とは全く面識ありません)、やっぱり普段の見慣れた景色から離れて、世界の変化を目前に見る体験は新鮮な刺激になりました。 そして、乳幼児3人を連れてても、特別エキゾチックな場所に行かなくても可能だということがわかったことも収穫でした。
Leave a Reply