DodgyとNot dodgyの境目

両親が今年の夏はスペイン旅行を計画中だそうで、こんなことを聞いてきました。

スペイン(マドリッドとバルセロナ)は街を歩いても安全か?
パスポートはホテルのセーフティ・ボックスに預けるべきか、それとも自分で持ち歩くべきか?
持ち歩くのであれば、マネーベルトは必要か? カバンでもいいか?

うーーーん、そんなこと聞かれてもねー
It depends… ケース・バイ・ケース。 普通に注意していれば大丈夫だけど、普通の注意は必要・・・
背景説明をすると、母親が英語ができることもあり、毎年夫婦でヨーロッパや息子・娘が住んでいる国に自分たちで出かけ航空券・宿の手配など含め個人旅行をこなすほどの旅能力はあります。 あの年代にすればかなりある方だと思う。
それでも旅先で危険をわざわざ冒す価値はないし、親なので上記のような歯切れの悪い回答に。
で、「普通の注意」の部分をもう少し丁寧に説明すると、
– どこの街にも治安の悪い地域はあるので、事前に調べてそういう地域には行かない
– 歩いているうちに「何か雰囲気悪いなー?」と思う通りに入ってしまったら(昼間から何もしていない目つきの悪い人たちがたまってる、ゴミや落書きなどで通りが荒れている、etc.)、遠回りになってもいいので引き返す
– 人ごみの多い場所では、カバンを前に抱えて持つ
– 夜、遅くなり知らない場所を歩くはめになったら歩くのではなくレストランでタクシーを拾ってもらう
etc. etc. そういうことですが、一番大事なのは五感をフルに働かせて「あっ、ここdodgyだな(*1 )」と思ったら、素早くその状況から去ることでしょう。
*1・・・dodgy 1. 危険な、危なっかしい、2. 巧妙な、ごまかしの、ペテンの(アルクより
非常によく使う口語です。


私は『バックパッカー時代も悪くない』というエントリーに学生バックパッカーをやっていた頃に培ったスキルは「怪しい人、危ない場所の嗅覚が働くようになった」と書きましたが、何十回と行ったひとり旅で今までスリにあったこと2回(2回ともパリ)、露出魔に会ったこと4回(4回とも南イタリア。 どうなってんだ、南イタリア?)くらいの被害で済んでいるのは、旅先で出会いを楽しみながら試行錯誤しながら、大きすぎるリスクは取らないようにしてきたからだと思います。
どこまでがdodgyじゃなくてどこからがdodgyなのかは言葉で説明するのは本当に難しく、自分の五感をフルに働かせてそれこそ体で覚えるしかないのです。
・・・とエラそうに書いている私もシンガポールというGated Countryでだいぶ五感が鈍っていて、油断しているとそのうち軽くやられるかもしれない。
こういう防衛能力というのはあるに越したことがないのですが、最近、私が自分には足りないと認識したものが、dodgyな人とdodgyじゃない人を見分ける眼。
普通に日本の大企業に勤めていると、まああまり怪しい人には会わないものです。
ところが、シンガポールに来てみて、個人でネットワーキングをしていると、結構頻繁に微妙にdodgyなビジネス話に出会います。 もちろんdodgyかどうかという判断は主観的なもので、たぶん話をしている本人は自分がdodgyだとは露にも思っていないと思う、あくまで受け取る側の私の主観的な判断。
例をあげると、法に触れるような話はもちろんないのですが、「今後人気になりそうなドメイン名(ウェブサイトのURLになる、私のはladolcevita.jp)を片っ端から買った。 高く売り抜けるために、SEO対策を施し広告収入も狙ったサイトを作りたいが協力してくれないか?」みたいなもの。
ユーザーという立場ではSEO対策だけ施したそんな意味のないサイトに誘導されたら切れること間違いなし、そんな(私の基準では)付加価値のないビジネスに協力するわけがない(私のモラルに反する)、のですが、結構グレーゾーンというか「???」な話は多いんですねー。
新しいビジネス領域はインターネットが登場した頃「そんな怪しいもの」と言った人がいたように、そもそもグレーな話が多いもんなんですが、それを見分けるのは本当に難しいし、そもそもシロとクロに分けられるものばかりではない。
これもいろいろな人に会い自分が取れる大きさのリスクだけ取り、体で覚えていくしかないのかなー、と思う次第。
オンラインのコミュニケーションも全く同様。
たまに、「コメントするのに勇気がなくて」というメッセージをもらうのですが、コメントするとどうなるかはコメントしてみるとわかりますよー(笑)。
私が初めてインターネットでリアルタイムで全く見ず知らずの人とコミュニケーションをしたのは1997年、大学生時代。
コンピューターオタクだった友人の家に行くと、彼はIM(インスタントメッセンジャー)なるものにはまっており、いきなり訳もわからずIMの画面の向こうのイタリア人とチャットすることに。
ringo_honnou.jpgオンラインで見ず知らずの相手に自分のプロフィールを聞かれたのが初めてだった私がとっさに思いつき、なりきったものは・・・ 看護婦(笑)。
別に看護婦願望があったわけではなく当時椎名林檎のファンだったので思いついただけですが。
そんな私も今ではかなりプロフィールを出したブログなんぞしているわけで、やっぱりやってみて初めてわかるものなのだなー、と思っています。


4 responses to “DodgyとNot dodgyの境目

  • snowbees

    >私もシンガポールというGated Countryで
    +少し「言い過ぎで」では?人によって、「SGは息苦しい」と反発しますが、これは、主として、言論統制と、下記の移民の受け入れによる。(いずれもSGの特殊事情によるものと、私は同情する):
    QTE 人口が少ないシンガポールは、先端産業の誘致に欠かせない頭脳労働者から清掃などの肉体労働者まで積極的に外国人を頼っています。その代わり受け入れた企業や家庭が責任をもって管理しなければなりません。
    台湾も同様です。建設労働者(男性)と看護師・メイド(女性)をタイやフィリピンから入れています。雇い主に管理責任を負わせ滞在期間は2年。延長は認めない。
    外国人労働者の受け入れ先進国はスイスです。毎年、受け入れ数をひとケタまで厳格に決め、企業などに割り振ります。いずれの国も外国人抜きで経済は成り立たない、という事情があり、低コストの外国人を受け入れることで生活費や産業コストを引き下げる政策です。
    難しいのはさじ加減です。野放図に受け入れると国内の労働力と摩擦を起こします。管理を怠ると社会の底辺に外国人が底溜まり、格差や犯罪などが問題にもなります。
    外国人労働者と移民を明確に区別することも必要で、多くの国では外国人労働者は「期間限定」が原則です。移民に頼り門戸の緩い米国やカナダ、オーストラリアはむしろ例外です。
    「日本は外国人労働者に固く門を閉ざしながら一度入国してしまうと、管理せずほったらかしにする。信じられない」
    シンガポールの外交官に言われたことがあります。入国管理は厳しいのに、不法就労は野放し、住所さえ把握していない、とても先進国とは言えない、というのです。UNQTE

  • la dolce vita

    >snowbeeさん
    ありがとうございます。
    物事を多側面から見るのは原則ですので、このブログではシンガポールのいいところもたくさん書いています(いい点を書いているエントリーの方が多いです)。 右下Tag Cloudのシンガポールをクリックすると過去エントリーが出てきます。
    住んでいる身(特に外から来た外国人)としては政府の言論統制も移民政策も百も承知です。 その上でいいところが悪いところを上回るから住んでいるのです。
    Gated Countryという表現がいいかどうかは別問題ですが、これは比喩ですし(どこにもゲートはない)、実際私の周りでこう思っている人は多いですね(現状をわかりやすく説明した比喩であり、そこに悪意はない)。

  • ドイツ特派員

    la dolce vitaさん、
    いやいや、シンガポールには立派なERPというゲートが(笑)。
    >何十回と行ったひとり旅で今までスリにあったこと2回(2回ともパリ)、露出魔に会ったこと4回(4回とも南イタリア。 どうなってんだ、南イタリア?)くらいの被害で済んでいるのは
    私、それだけの被害は十分に多いと思います。なんていって私も立派にパリの電車で置き引きにあったことがあります。ドゴール空港から市内に移動しているとき、大声でわめく奴に気を取られている間に、網棚に置いていたバックパック(会社のPCとか携帯を入れていた)をがっさり。自分のバッグは手元で大丈夫だったんですが、帰国してから会社でえらく怒られて、「んなこと言って、取った泥棒の方が悪いんですよ!それはね、痴漢される女性に、『誘うような格好してたんだろう』と言っているようなもんでしょ!」と上司に言ったら火に油。ま、その時はそのまま警察に行って、保険求償はあるもの無いもの言いまくって、実は保険太り。昔バックパックで乗ったイタリアのミラノからローマ行きの夜行で、男の痴漢にあったことがあります。蹴飛ばして事なきを得ましたが。あ、これも南イタリアかも。
    リアルに会っている時には、結局は第一印象が覆らないという気がします。ぱっと見て「こいつ変だな?」と思ったら多分変なんだと。途中で少し印象が変わっても結局は第一印象に戻るんじゃないでしょうか?
    ビジネスについては、確かに昔ほどあからさまな怪しさ(よくあったナイジェリア政府への投資とか)はないんでしょうし、寧ろ仰るように半分くらいは真実を含んでいるものもありそうですね。もしかすると相手は、怪しさを与えているなど露とも思っていないかもしれません。
    >看護婦
    日本人相手の男だと要らぬ妄想を引き起こす可能性大です。お気をつけて(笑)。

  • la dolce vita

    >ドイツ特派員さん
    >痴漢される女性に、『誘うような格好してたんだろう』と言っているようなもんでしょ!
    ははは、すごい理屈ですね。 それは上司の人も怒るでしょう〜 でも網棚は論外ですよー
    >男の痴漢にあったことがあります。
    これはよく聞きます。 痴漢の本場といえば日本。 私の男友達は高校生のとき電車でおばさんに触られたと悩んでました(笑)。
    >日本人相手の男だと要らぬ妄想を引き起こす可能性大です。
    幸い相手のイタリア人ギークはそういう妄想はなかったようですが、私が話すことがないので、ちっとも話がはずまず終わってしまった初チャットでした。

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