「コト」に向かってます。

お久しぶりです。

BCの時代(BC = Before Children)は、週6日くらいブログを書いていた私ですが、最近は密かに月1回更新が目標になっていて、おたおたしていたら年を越してしまいそうな勢いなので、年を越す前に近況報告を。
10月以降、引っ越して(そう、せっかく改装した家から引っ越しました・・・)、家族5人全員が順番に嘔吐風邪にかかって、私はついでに乳腺炎になって、長女(1歳3ヵ月)が2度目の嘔吐風邪にかかって、その間に夫が2度海外出張に行って、3人の子どもの育児と家事をしながら私は自分のデザインビジネスを立ち上げていました。
つまり、ひと言で表現すると「忙しかった」のですが、物理的にはずっと忙しいので、忙しいのは今に始まったことではありません。 今が以前と違うのは、私は今人生の中でも大きな「フロー」状態にあり、「コトに向かっている」から、他のことに向けるエネルギーが湧かないのです。

「コトに向かう」というのは、DeNAの南場さんの講演の中で出てきた言葉です。 これは講演当時、ソーシャルメディアでバズっていたので読んだ(観た)方もいらっしゃると思いますが、長くないのでぜひ全文読んでみてください。
NAVERまとめ:DeNA南場智子さんの講演「ことに向かう力」がいい話だった

「人や自分に向かわずに、コトに向かう」
誰についていくとか、誰に評価されるとか、あるいは自分ができる、できない、もう少し成長していかないといけないのではないか。そういうことに意識を向けるんではなくて、純粋にチームの目標や自分の目標に向かって、それに本当に集中してみると、すごく充実した人生が送れるんじゃないかと思います。

この講演は、講演中にも触れられている南場さんの著書『不格好経営 – チームDeNAの挑戦』が出版された頃に読みました(DeNA共同創業者であり現在Quipper CEO、ロンドン友達の渡辺さんに頂きました。今更ですが献本御礼)。 著書には、ベンチャー企業のメンバーが不眠不休で一生懸命、たくさん失敗しつつ試行錯誤しながらチームとして強くなっていくDeNA創業時のエピソードが散りばめられています。 楽しく読める本ですが、まず頭に浮かんだのは「自分が熱中することのために徹夜する選択ができるのは、普段、寝たいときに寝る自由がある人だ」、「’寝たくて寝たくてたまらないのに数時間以上まとめて寝られない人にはできない贅沢」、「寝られないのに”コトに向かう”なんてできない」でした。 その時の私はよっぽど寝てなかったんでしょうねー(大変だった頃の一部→『3人育児は2人育児よりめちゃくちゃ大変だった話』

でも講演の内容が素直にストンと落ちてこなかったのは結局、長い間キャリアの次のステージで悩んでいた私には「コトに向かう」対象が長い間なかったのだと思います。 それが今年初め頃から直接クライアントの仕事が入り始めたので、他のデザインスタジオで働くのをやめて自分のデザインスタジオ1本にしてみました。
Websiteつくりました→Yoko Kloeden Design
すると、Small businessってやることはビックリするくらいあるのですが、本当に楽しいんですね。 昔、大企業の中でベンチャー企業へ投資をしていて投資先企業にあれこれ口を出していたのですが、分析して提案するのと自分でやるのとはぜんっぜん違います。 私は自己資金の個人経営で他フリーランスの方の力を借りている形なので投資家のプレッシャーがあるベンチャー企業とはプレッシャーは全く異なると思うのですが、それでも自分で決めたこと・目標に自分の足でしっかり向かっているという感覚は素晴らしいです。 毎日が「フロー」状態で、1日があっという間に終わります(Wikipedia: フロー(心理学))。 今もまだ赤ちゃんの長女に朝3時くらいには1回起こされて授乳する毎日ですが、それでもコトに向かっている充実感はあって、ふっと上記、南場さんの講演を思い出しました。

向かっている対象は、短期にはひとつひとつのプロジェクトをクライアントが満足するような形でしっかり仕上げること、長期的には「アマン・リゾート」のような五感を癒す場を設計すること。 私は『空間が持つパワー』『記憶に残るのはどんな感情を抱いたか』に書いたように空間がもたらす感情や結びついた記憶に興味があるので、「建築」「インテリアデザイン」「ランドスケーピング」などの分野の違いは、空間(space)をつくりあげる要素を便宜的に分ける人工的な分類に過ぎず、それぞれのエリアが得意なスペシャリストを集めてチームで達成できればいいな、と思っています。 「インテリアデザイン」は入りやすかったので選んだ、私にとっては「空間デザイン」の入り口です。
仕事以外では『人生の駒がどんどん決まる幸せ』に書いたように、子どもをようやく産み終えたので(3人の妊娠・授乳期も今年で7年目、長い!)、子ども関係の長期計画が立てられるも嬉しい。

そういうわけで私は一生懸命コトに向かっています。


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