まずは器をつくって入ってみる。

前回の続き。 左脳系からの大キャリアチェンジをしたため、よく聞かれた質問に答えるコーナーです。

2. 子供の時からの夢だったの? ついに好きなことを仕事にしたの?
これもよく聞かれました。 だって、私たちは故スティーブ・ジョブスに

Have the courage to follow your heart and intuition
They somehow already know
what you truly want to become
自分の心と直感に従う勇気を持って
どういうわけか、心と直感は
あなたが本当は何になりたいのか知っている

って言われてるし、世の中には「情熱を持てる仕事をしよう!」という自己啓発系の記事で溢れています。

私はもちろん建築やインテリアには興味はありました。 でも子供の頃からの夢だった訳ではないし(注)、どちらかというとかなり頭で考えて選んだ職業でした。
注:小さい頃から世界に興味があったので、小学校の卒業文集にはたしか「世界ふしぎ発見のレポーターになりたい」と書いた気がします。 それが海外勤務の多い以前のキャリアに結びつき、ロンドンで暮らす今の生活に結びついているので、ある程度子供の頃からの夢はもう満たせたのかも。

頭で選んだというのは、以下のような条件で選んだという意味です。
– キャリアチェンジ時に乳児がいた。 夫が国外出張を伴う職種で双方の実家の助けもないため、通勤時間がなく自宅でもできる仕事であること。
– ひとりでも、70歳になってもできる「手に職」系の仕事であること。
– ロンドンにどれくらいの期間住むか決まっていなかったので、将来的に住む可能性のあるオーストラリアとイギリス、どちらに転んでもマーケットがある仕事であること。
『要注意なお仕事リスト』に書いたように機械や生活コストが安い場所に住む人に簡単に代替されない仕事であること。

社会人になってからは国境を越える引っ越しを繰り返していたので、自宅は「素敵なインテリア」とは程遠い、最小限の物だけで生活し、引っ越しのたびに必要な収納をIKEAで買う生活になっていました。 家に招く人に「これでインテリアデザイナー?」と思われるんじゃないか?と密かに恥じていました。

tiles caltagironeところが、実際「私、建築インテリアデザイナーになります」と周囲に宣言してみると面白いことが起こりました。
次々に「そういえば昔からタイル集めてたよね」、「以前、家に行ったらテレビがブルーのタイル貼りだったの思い出した」と昔の友人が次々に教えてくれたのです(→『「好き」を仕事にしない理由』)。
私は東京からシンガポールへ、スーツケース2個と段ボール箱2個で引っ越したのですが、その時にさえどうしても捨てられずに持っていった昔シチリアのカルタジローネというところで買ったブルーと白のタイル、持っていたことさえ忘れていたのに・・・(右の写真)。 探したら戸棚の奥からプチプチに包まれたまま出てきました。

rose_istan_fabric高校時代にカーテンとベッドカバー・枕カバーをつくった布に突然再会したこともあります(母にワガママ言ってつくってもらったんだっけな? 忘れました)。 部屋が全部この柄で覆われてたんです。 今見るとすごいですが(笑)、左脳系の仕事に追われてすっかり忘れていたのに、どんどん周りが私が昔好きだったことや物を思い出させてくれました。 そして今では「昔から好きだったんです!」と躊躇なく言えます。

というわけで、突拍子もないチェンジに思えることでも「私、○○です」と周りに宣言してみる、まずは器をつくってそれに自分から入ってみる、そして余り深く考えずにがむしゃらにやってみる、続けているとふっと顔をあげた時に新しい器に自分がフィットしてきたと感じたりするんじゃないかなー
「これが天職です」、「私はこれをするために生まれてきました」と言ってる人も始まりは意外とこんな感じだったんじゃないか、と思います。 私はどちらかというと走りながら考えるタイプなのですが、2009年の『究極のキャリアドリフト』というエントリーにこう書いています。

キャリアドリフトとは、「キャリアデザイン」のようにキャリアの方向性をガチガチに決めてしまうのではなく、外から偶然にやってきたチャンスを生かしながら、より柔軟にキャリアをつくっていこうという考え方

私はキャリアドリフト(漂流)どころか、下山してしまったと思っていたのですが、自分は自分。 ドットはつながってくるものです。 

You can’t connect the dots looking forward;
you can only connect them looking backwards.
So you have to trust that the dots will somehow connect in your future.
未来を見て、点を結ぶことはできない。
過去を振り返って点を結ぶだけだ。
だから、いつかどうにかして点は結ばれると信じなければならない。


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