工事が始まりました。

『築120年の家を買いました。』の家の改築工事がようやく始まりました。 ヴィクトリア時代築(推定1890年)の2階建てのテラスハウス(Workers’ cottageと呼ばれる種類で貴族の館ではなく小さな労働者階級の家)です。
大がかりな増築のため、区(カウンシル)の建築計画許可(planning permission)を取得し、ビルダー(施工業者)を決めるための見積もりを取るためのテンダーパッケージ(各種図面と仕様書)を作成、4業者から見積もりを取り価格交渉し、ビルダー決定。 テラスハウス(長屋)で両隣の家と隣接しているため、共有している壁(party wall)に行う工事の詳細に関する合意(party wall award)を取る、この全てのプロセスに7ヵ月かかりました。
ボロ家なので住み辛かったし、夏は『ナメクジ屋敷』と化したので早く出たくてたまりませんでした。 工事が始まっただけで、大きな仕事を成し遂げた感でいっぱいです(笑)。 子どものナーサリーもあるし工事の監督もあるのですぐ近くに引っ越したのですが、今にも崩れそうではない普通の家に移れただけでほっとしています。 やはり住む環境が与える影響は大きい・・・

第一週は解体工事。 あっという間に見る影もなくなりました(写真をクリックすると大きくなります)。

week1 1
(左)1階から2階への階段は狭く急勾配で現在の建築基準ではNG。 細長いテラスハウス(長屋)は道路側と裏側しか窓がなく(両隣は隣家と隣接)、真ん中を階段で区切ると自然光を遮るため階段を移動させることに。
(中)暖炉があった場所。 イギリスの古い建物は全てほぼ各部屋に暖炉があるが、家が狭いためスペースを取る暖炉は壊し床暖房に。
(右)1970年代に増築された狭いキッチンエリアは建造クオリティが低いため建て直し。
week1 2
(左)建て直すキッチンエリアを外から見たところ。
(中)2階も階段を移動し増築するためスケルトンに。
(右)古い家を現代の生活様式に作り替えるため、天井にも断熱材を入れ熱効率を高めるなどするため天井も剥がします。

内部の壁は全て取り壊し、1階・2階ともに増築するのでほとんど新築みたいなものですね。 こちらBEFOREとAFTERの平面図、25%ほど広くなります。
Plan Before & After
『日英リノベーション比較』にも書きましたが、イギリスのインテリアデザイナーはこのレベルから図面を描き、床材・壁材から始まるインテリア材の仕様決め、キッチン・バスルーム・造作家具のデザイン、家具・ファブリック選び、フィニシングタッチ(インテリアアクセサリーによる飾り付け)まで行うのでデザイナーがカバーする範囲は膨大です。

私は現在フリーランスのデザイナーとしてロンドン内のいくつかのインテリアデザインスタジオから仕事を得ていますが、一から十まで自分で手がける自分のプロジェクトはこれが初めて。 自宅の増改築ですがクライアントのプロジェクトと同じプロセスでドキュメンテーションしているので、時折プロセスをご紹介します。

またFacebookは今まで友人限定にしていたのですが、プロジェクトに関するポストは公開にしました。 こちらは英語・写真中心ですが、興味ある方はこちらからフォローできるようになっています。→Facebook
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