ゆりかごからクリエイティブ

イギリスが「ゆりかごから墓場まで(cradle to grave)」行うクリエイティブ人材育成を紹介するエントリー、クリエイティビティーシリーズの続編です。
過去のエントリーはこちら。
『クリエイティブ産業が支える英国経済』
『21世紀の英国デザイン』
『クリエイティブ教育のための博物館』
『Tiger Mum on a Budget』

我が家の子どもは3人とも家の近所の民間ナーサリー(保育園)に通っています(長男の場合はもう小学生なので「通っていました」)。 「家から一番近いこと」というのが選択基準なので普通の保育園です(モンテソーリとかシュタイナーとかいろいろ早期教育メソッドがありますが、そういうのではなくロンドンではごく一般的な、という意味です)。
長男は3歳頃から長期休暇など通える時だけですが、ロンドン西部にある日本の幼稚園のホリデーコースにも行っています。 この2ヵ所から持ち帰ってくるアート・工作を見て違いが面白かったので写真を撮りました。

こちらが日本の幼稚園でつくって持ち帰ってきたヘビ年のカレンダーです(下にカレンダーがついて上の紐で壁にかけられるようになっています)。
snake calendar
ヘビ年なので3年前、長男は3歳になる前。 ヘビの形の部分に絵の具で模様が描かれ、目玉や舌、梅の花などが糊で貼付けられています。 かわいいですね、壁に飾る気がします。
でも2歳の長男に全部自分でできたのでしょうか? 糊で貼るのは先生に手伝ってもらったのでしょうか?

一方、こちらが長男が行っていた現地保育園でつくり持ち帰ってきたカードです。 どのカードが何のイベントの時のものかわかるでしょうか?
art at local nursery1
左からホリー(インドのお祭りHoli)、母の日、バレンタインのカードです。 中にそれぞれ”Happy Mother’s Day!”など先生の字で書かれています。
すごいです・・・ この頃は毎日こういう「アート」を何枚も持ち帰ってくるので、躊躇なくゴミ箱行きでした。 上記3枚はかろうじて保管用フォルダに入っていましたが、もともと座るより走り回る方が好きな長男なので、ほとんど座って努力した片鱗の見えないもの(白紙の片隅に線1本など)も毎日大量に・・・

これは次男と長女が通う現地保育園から次男が持ち帰ってきたものです。 引っ越したので上記長男が通った保育園とは違うところなのですが、アート・クラフトに力を入れているというのが触れ込みでした。
art at local nursery2
ここはいろいろな素材を使うのが好きなようです。 見ただけでテーマもわかるし(左と中がクリスマスカード、右がバレンタインです)、家の中に飾る気もします。

ただ長男が通った保育園と同様に子どもに対して「こうしなさい」というインストラクションやお手本はあまりなく自由に好きなように描くのが主流です。
これが1歳の長女のものです。
art at local nursery3
本人が描いた絵だけではなく、長女が楽しそうに幼児用の大きなペンを使って絵の具で描いている写真も一緒にもらえるので、親としては嬉しいものです。

さて、ホリー、母の日、バレンタインカードと大胆に本人の気の向くままに好きなようにカードを描いていた長男の作品はその後どのように成長したでしょうか?
これが長男が4歳の時に描いた父の日のカードです。
fathers day card
テーマは「お父さん」で自由題。 当時マイブームだったスパイダーマンとお父さんが一緒に並び”my dad”、”my hero”と書かれています。 パパも泣いて喜びますね。 人の形が出てきたところに成長を感じます。

そして、これが今年の初めに本人(5歳半)が自発的に描いた絵です。 ”Mouse carrying squirrels”(リスをかついだネズミ)というタイトルがついています(スペルが間違ってますが)。
mouse carrying squirrels
私はこれを見た時、少し泣きそうになりました。 今でも座るより外を走り回る方が好きな長男ですが、生まれて4年くらいパッと見て何かわかるものを一切描かなかったし、「これを描きなさい」と保育園で指導されたこともなかったのに、いきなり「リスをかついだネズミ」です・・・

結局、イギリスの保育園では「工作の作品のお手本があってやり方が決まっていて、全員が同じものをつくるよう努力する」という形の工作は一切なかったように思います。 すごいアプローチの違いです。
よく友人のFacebookタイムラインで日本の保育園でほとんど保母さんがつくったような美しい工作を見かけるのですが、厳しい言い方をすると「保護者を喜ばせるための工作」、「正解(お手本)があってそれをみんなが目指す工作」になっていないか、という視点は必要だと思います。 たぶん手先の器用さは日本の方が養われる気はしますが。


2 responses to “ゆりかごからクリエイティブ

  • わかば

    いつもブログを楽しみにしています。もうすぐ2歳の男の子のママです。
    「正解(お手本)があってそれをめざす工作」ですが、自分がそういう教育を受けてきて、つい見本を見せて教えたくなってしまうことに疑問を持っていますが、それ以外の方法がなかなか思いつかないんですよね。。。
    それではダメだ!と思うと、思考停止してしまう感覚があります。

    日本の公教育が変わるには、相当ハードルが高そうですが、かといってイギリス引っ越しも厳しい我が家はどうしようか悩み中です。
    お家での取り組みで意識されているものはありますか?

    • la dolce vita

      わかばさん
      コメントありがとうございます。

      >お家での取り組みで意識されているものはありますか?
      親がするべきことと他人に任せることを分けているので、アート・クラフト系は完全に外に任せてますね。 休日に博物館の子ども向けワークショップに連れていったりとか・・・

Leave a Reply

Fill in your details below or click an icon to log in:

WordPress.com Logo

You are commenting using your WordPress.com account. Log Out / Change )

Twitter picture

You are commenting using your Twitter account. Log Out / Change )

Facebook photo

You are commenting using your Facebook account. Log Out / Change )

Google+ photo

You are commenting using your Google+ account. Log Out / Change )

Connecting to %s

%d bloggers like this: