コカ・コーラCMにみる戦後文化

面白そうだったので日本からわざわざ取り寄せてジャーナリスト佐々木俊尚さんの『キュレーションの時代』を読みました。 書籍代より郵送料の方が高かったのに電子書籍版が出ていたことに後で気づいた私。 はー、もうそういう時代になったのね・・・
ソーシャルメディア関連本の中でいち早く出た『Groundswell: Winning in a World Transformed by Social Technologies』(邦題:『グランズウェル ソーシャルテクノロジーによる企業戦略 』)もそうだったけど、こういう本はネット上の事例が多いので、本の中の事例をWebで見ながら読むとより面白いですね。
中でも「コカ・コーラのCMに見る戦後文化」が面白かったので、YouTube画像と佐々木さんの解説を並べてみます。

62年から70年代初頭までは、登場するのはほとんど日本人です。 (中略)
どのCMにも熱烈なアメリカ文化への憧れがあふれていて、その真面目すぎるほどの無条件な純真さは、いま鑑賞してもまぶしくて直視できないほどです。

かまやつひろしさんやビリー・バンバンなどのフォークシンガーが登場する自然回帰風のヒッピー文化シリーズを経て、70年代半ば以降は急速に「舶来」っぽい雰囲気に変わっていきます。 (中略)
1976年に登場する「Come on in. Coke」シリーズになると、完全海外ロケで登場モデルは全員白人。 (中略)
文化帝国主義の完成図、といったところでしょうか。

80年代後半には、日本人の若いサラリーマンやOLが映像の中で飛び跳ね、踊り歌いまくり、人生を謳歌するようになります。 つまりはバブル時代がやってきたのです。 (中略)
88年には、絢爛豪華な夜の町でカップルがコーラを飲みながらデートするCMも現れます。 このラスベガスのような街は実はオールセットで組まれた架空の街で、このあたりがバブルの頂点だったのでしょう。

90年代に入るころから、能天気な明るさはだんだん影を潜めるようになり、『ファイトクラブ』や『セブン』などの映画で知られる鬼才デヴィッド・フィンチャー監督が作った得体の知れないCMが登場したりと、徐々にコカ・コーラのCMは文化的低迷に陥っていきます。 日本の失われた十年とともにー。

いやはや面白い。 TV全盛時代にはCMの洗脳も影響が大きかったと思われるので、なぜ世代間の価値観の差が生まれるのか如実にわかります。
ここまでが、『キュレーションの時代』からの話ですが、さらにコカ・コーラには今の時代を象徴するこんな話もあります。
Facebook上のコカ・コーラのファンページは現在3,000万人以上のファンがいるのですが、このページはコカ・コーラではなく勝手に始めたファンが運営しコカ・コーラが彼らに任せているそう(NB Online : 2011年はフェイスブックの年になる?)。
こちらは経緯をまとめたビデオ。

上記で紹介した2冊は「こんな時代に企業はどうすればいいの?」という疑問に一部答えた内容になっていますので、本の方もどうぞ!


7 responses to “コカ・コーラCMにみる戦後文化

  • ミュンヘン

    初めまして。いつもブログを楽しく拝見しております。
    上から3つめの1988-1989のCMに出身地の金沢が出ていたので、思わず反応してしまいました。
    3分から4分あたりで流れるものです。停止画面は市内の中心にある武家屋敷跡ですね。金沢は、兼六園や金沢城、近江町市場の海や山の幸が豊富な、小京都?を目指す観光都市です。
    CMの中では加賀鳶と言われる、はしご登りで有名な消防団の姿も見えて、なかなか凝った作りのCMだと思います。http://www4.city.kanazawa.lg.jp/17003/dentou/bunka/tobi/index.html
    この頃は金沢にいたのに、子育て真っ最中だったせいか、このコマーシャルは見た記憶がありません。子供ができると、歯に悪い、ということで、コカ・コーラから遠ざかったからかな?
    本の方も読んでみたくなりました。ありがとうございました。

  • la dolce vita

    >ミュンヘンさん
    >上から3つめの1988-1989のCMに出身地の金沢が出ていたので、思わず反応してしまいました。
    金沢いいところですよねー 冬がいいです。
    冬の兼六園と、日本海沿岸の温泉&蟹づくしの宿に夫を連れて行ってあげたいと思いつつ数年、まだ機会がありません。
    小さい子がいると実家にたどりつくのが精一杯で・・・
    このCM、ほんと恥ずかしいくらい爽やかですね。

  • 710

    いつも楽しく拝読しています。
    コカ・コーラCMについての批評は、2009年にラジオで放送されたこのPodcastが楽しくオススメです。
    http://www.tbsradio.jp/utamaru/2009/09/
    日本ではDVDが発売されており、30代の私はホームパーティーで上映して話題にしています。

  • anzai

    コカコーラのCMを「ぼくの青春が、そのまま表現されている!」という人がいたら、手を挙げてほしいなぁ。いや、ぼくも、自分の青春が、このようだったらいいと思ったことが何度もあったことは否定できないです 苦笑。

  • la dolce vita

    >710さん
    Podcastのご紹介ありがとうございます。
    >日本ではDVDが発売されており、30代の私はホームパーティーで上映して話題にしています。
    いいアイデアですね。 それにしても「舶来」の70年代まではあまりピンときませんが、バブル期のCMは感慨深いですねー バブルを経験してないのになぜ感慨深いのかよくわかりませんが・・・
    >anzaiさん
    >コカコーラのCMを「ぼくの青春が、そのまま表現されている!」という人がいたら、手を挙げてほしいなぁ。
    いると思いますよ! 商社・銀行・マスコミなどの古い人気企業にはいるんじゃないかなー?
    ちなみに私は、大学を卒業して東京に行くまで、東京の学生はみんなサザンの「勝手にシンドバッド」「真夏の果実」みたいな生活を送ってるんだと思ってました(笑)。

  • gshibayama

    こちらではお久しぶりです。僕が新卒で入社した広告会社がまさに上記のCMを作っていたので、内情をしっているため、この書き込みは感無量でしたw。僕が入社を決めたのもあのコカコーラCMの世界に憧れたとうのもありますです(実際、同期入社の半数は帰国子女系ですた)。90年代に入ると日本コカ・コーラ社の売上にコカコーラが占める比率が、お茶やコーヒーに抜かれた時期で、コカコーラ社の戦略も右方左方しだしたという背景もあります。80年代にペプシが撤退していたので、炭酸系ではコカコーラが一強になり市場が広がらなかったんですよね。

  • la dolce vita

    >gshibayamaさん
    >僕が新卒で入社した広告会社がまさに上記のCMを作っていたので、内情をしっているため、この書き込みは感無量でしたw。
    代理店出身なんですか?! 意外なような意外じゃないような・・・
    >僕が入社を決めたのもあのコカコーラCMの世界に憧れたとうのもありますです
    CM見ると、90年代のCMの記憶は全然ないのに80年代のは覚えてます、それだけインパクトの強いCMでした。

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