Monthly Archives: February 2010

就活中の学生へ – 3

『就活中の学生へ – 1』『- 2』と「私が今大学3年生ならこうする」というのを書きましたが、最終回はお得意の(?)disclaimer(お断り)です。
そのお断りとは、以前『業界の旬とキャリア相談』に書きましたが、個人のキャリアをそのままなぞってどうにかなる時代ではなくなってしまったので、「私の書くことを鵜呑みにしないにしないでください」というお話。 もちろん「そんなことわかっている」という人がほとんどなのでしょうが。
1. 選択には個人の価値観が強く反映されている
例えば、『統計を参考に個人のキャリアを決めてはいけない』に(i) ネットワーク、(ii) 自信、の2つを留学した価値だと書きましたが、「へ? そんなことに1,000 – 2,000万円の大金を使うわけ?」と思う人もいるかもしれない。
人生におけるさまざまな選択には個人の価値観が強く反映されてしかるべきなので、価値観の違う他人のマネをしてもハッピーになれないと思います。
シンガポールでロンドンに引っ越すとある友人に伝えたとき、「なんでロンドンなの?」と聞かれ、理由のひとつとして「友達いっぱいいるし」と答えたところ、「いや、友達のために引っ越さないでしょ」と言われて「ほう、そういうもんなのか・・・」と思いました。 でも、過去1ヵ月の間で充実していたこと・楽しかったことを思い出そうとすると、仕事の一場面はちっとも出てこず、special occasionでも何でもない気だるい土曜の午後、仲のいい友達と思いつきでやったBBQだったりする私は、そういうのも大事です。
「自分がどういう時に充実していると感じるか」という軸を入れないと納得のいく選択にならないと思います。

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就活中の学生へ – 2

さて、昨日書いた「統計や金銭価値だけを基に自分のキャリアを決めてはいけない」という路線を基本に、第一弾の続きです。
2. 自分のスキルや責任の幅が高速で伸びる会社で働く
「就職活動するなら・・・」というCREAさんの質問に答えると、若いうちから権限を与えられ、社外で活きるスキルが伸ばせて、なおかつ成長している業界の成長している会社、「会社の成長に従って自分も自然と成長できる」ような環境が理想。
大学院留学を目指すとしても、MBAの場合社会人経験が必須なので(最近アメリカの大学は新卒MBAもあるけど)、その間のキャリアや、新卒就職だけでなく転職の際の基準も同じです。
逆に避けるべきは、従業員の高齢化が進み、40歳以上の使えない中間管理職が大量にいて、何層もの意味のないヒエラルキーがあり(課長・課長補佐・課長代理・主務・主任・・・と延々続く、みたいな)、その人たちは保身のための社内政治に時間を捧げているため、膨大な量の仕事が数少ない若手に振ってきて若手は長時間労働により疲弊、若手に権限はなく上が詰まりすぎて出世の見込みもないような会社。
私の友人にも毎年就職人気ランキングに登場するような大企業に勤めていて、30過ぎても後輩が入らず、部署には中間管理職が溢れ、人員削減のため雪だるま式に膨れ上がる主要業務に加えて、派遣の事務職を減らしたことによる雑用の増加、度重なる組織変更・人事異動のたびに開催しなければならない歓送迎会の幹事・・・その他もろもろの業務で月の残業時間が恒常的に100時間超え、というケースも。

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統計を参考に個人のキャリアを決めてはいけない

昨日の続きですが、ちょっと横に逸れて、「統計を参考に個人のキャリアを決めてはいけない」「すべての価値を金銭価値に換算できない」というお話。
1. よく就職・転職情報誌に出てくる生涯賃金ランキング年収高額企業ランキングといった類の統計を参考に自分の進路を決めてはいけない。
これらのランキングは「現存する企業が現業態を保ったまま、現賃金体系を維持したなら」というあり得ない仮定に基づいた数字です。 企業の平均寿命が30年を切り人間の労働寿命より短くなっている世の中で(引退という概念すらなくなるかもしれない→『「老後」がなくなる日』)、今から就職して生涯賃金ランキングの数字通り受け取る人が果たしているのでしょうか?
年収高額企業ランキングの上位企業はひょっとして労働生産性に見合わない高年収の従業員、高額年金を約束したOBばかりを抱え、高コスト体質のために破綻したJALのような会社かもしれない。
この不況で希望就職先も「安定志向」が強まっているらしいですが(→就職希望企業人気ランキング)、「安定しているがスキルが身につかない」企業に就職して、その後の仕事人生、つぶれないこと・給料が減らないことをひたすら祈って暮らすのでしょうか?
この手のランキングは「ふーん」と眺めるか、むしろ「人のいない裏道をいこう」くらいに使うべきで、個人のキャリア選択に当てはめるのはほとんど意味ないです。

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就活中の学生へ – 1

こちらのエントリーにCREAさんからこんな質問をもらいました。

仮にla dolce vitaさんが今、大学生当時に戻れて就職活動をするなら、どんな業界を第一志望にお考えになりますか?

「私が今大学3年生だったらどうするか?」という視点と、就活を控えた大学生へのアドバイス、両方混じってしまうと思いますが何回かに分けて書いてみます。
1. 大学院留学をめざす
「就職活動をするなら・・・」という質問なのにいきなり何ですが(*注)、私が今大学3年生なら大学院留学を目指します、それもできるだけ自分が進みたい道のトップレベルの学生が集まる大学。 どんな分野であれ自ずからアメリカかイギリスになると思いますが・・・(→ Top 100 Universities
注:「就活中の学生へ」というタイトルなので、もちろんその話も近日中に書きますよー
以前『留学するなら大学? 大学院?』というエントリーで

「(英語圏でビザさえあれば)どこでも働いて食べていける」ようになるには、大学院より大学から留学した方がスムーズ

と書きましたが、それでも”Better late than never”(遅きに失してもやらないよりマシ)だし、分野によっては(理系とか)大学院からでも十分。
以下、私が大学院留学を目指すだろう理由。

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個人社会と家族社会

新しい国に引っ越すと山のように事務手続きがあるんですねー
船便の家具もまだ届いていないので、落ち着いた生活はいつのことやら・・・?ですが、私たちは銀行口座や賃貸契約など重要な契約は共有名義にしています(おそらくそれが一般的。 →『ジョイントアカウント(共有名義口座)』)。
銀行の共有名義口座は誰とでも開けます、夫婦である必要は全くなし。 個人Aと個人Bがそれぞれ銀行と契約を交わすという性質のもの。
また、明文契約社会なので、賃貸契約は私が東京で交わしていた賃貸契約の5倍くらいボリュームがありました(賃貸人と賃借人の義務が細かく取り決められていて、「1年に1回は暖炉を掃除すること」「半年に1回は庭の木を剪定すること」など延々と続く)。
この「個人単位(別姓家族は普通) x サイン認証 x 明文契約社会」に慣れる過程で、日本の「家族単位(家族は同姓) x はんこ認証 x 暗黙の了解が多い社会」って特殊なんだなーといろいろ思い出しました(中国や韓国の例は知りません、ご存知の方はぜひコメントを!)。

NTTドコモの携帯電話のファミリー割引、同じ都内に住む弟(住所は別)とファミリー割引できないか聞いてみたらできるとのことで、「苗字が同じ」であることを証明すればよかっただけでした。 「苗字が同じ = 家族」という感覚が今思い返してみるとすごい。 5年前の話なので今もできるか知りませんが、苗字が同じ友達がいる方、試してみてください(ただし、請求書は1本なので月々の清算が面倒でした)。

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