35歳までに産みたい30歳前後のキャリア女性に

ブログを始めた頃はよく男性が書いてると間違えられていたのですが、子どもが産まれてからは間違えられることもなくなり、最近は「女性とキャリア」的なエントリーが多いこともあってか、20代、30代の女性からメールや相談をもらうことが増えました。
『キャリアの下り方 – 1』『 – 2』などと言ってる私にはキャリアアドバイスなど全くできないのですが・・・

今日はその中であるグループに知っておいて欲しい図を。
「あるグループ」とは、30歳前後のピッカピカのキャリアを持った女性でグローバル志向があってすでに将来のパートナーも決まっている、周囲の人がため息をつくような恵まれた人たち(本人はすごい努力家でまじめ、そして天は二物も三物も与えるのか容姿端麗)。
彼女たちの人生計画と悩みは驚くほど似ています。

28 – 30歳でMBA(や他分野の修士)取得(←今、ここが終わったとこ)、日本国外で働いてみたいので海外で就職活動し就職できるのが30歳くらい(パートナーとは同じ都市で就職したいけど、できなかったら遠距離婚)、就職したら2年くらいは仕事に邁進、それから子どもを産みたい。 だから子どもを産めるのは早くても33歳くらいになっちゃうかなー? どういうタイミングで産めばいいんだろう?

というもの。

人生計画が似るのは当たり前で、社会人経験を何年か積んでから修士を取得しようとすると30歳前になるし、就職活動や住みたい場所を見つけるのも時間かかるし、就職したら職場でのポジションを盤石化したいと思うのも自然なこと。 時間を積み上げていくと、「おいおい、いつ産めるんだ?」となるのです、私もそうだったし。

けれど、そういう外部環境はよーく理解しながらもあえて言うと、『Timing is never right.』。 「産みどき」、「仕事が落ち着くとき」なんてないです。 「産める年齢」ならあるけど。
そこで知っておいてほしい図登場(『妊娠しやすいカラダづくり : 妊娠力に影響を及ぼすもの』より)。

グラフは、女性の年齢と1年以内の妊娠率や妊娠までに要した平均期間をあらわしたています。 妊娠率でみると、20代後半から少しずつ低くなり始め、30代後半になると低下に拍車がかかります。 また、妊娠するまでの平均期間では、20代前半では、妊娠を希望してから平均2 – 3カ月くらいで妊娠するものの、35歳を超えると平均6カ月以上かかるようになります。

とあるように、まず妊娠したいと思ったらすぐ妊娠できるとは限りません。 毎月タイミングを逃さずトライした結果の「平均期間」でさえ30 – 32歳で5, 6ヵ月、33 – 36歳で9, 10ヵ月かかるのに、パートナーも自分も仕事で出張・残業と飛び回ってるとあっという間に1, 2年経ってしまいます。 その間に妊娠率は加速度をつけて落ちていきます。
また妊娠できても無事に出産できるとは限りません(右の図は『日経ウーマンオンライン : “卵”の数は毎月300個減っていく』より)。 30 – 34歳で13%くらいの流産率は、35 – 39歳になると20%を越えます。

私がこのようなことを知ったのはたしか32歳くらいでした。 知ってからおおいに焦ったものです。 運よくBiological clock(生体時計)が間に合って2人授かることができたことに感謝しない日はありません。 ・・・が、さらに言うと、何人欲しいかは1人目(または2人目)が産まれてから気が変わることがよくあります。

上記のグループの女性は「子どもは2人」と人生計画の中で子どもの数も決まっている人が多いです(私もそうでした)。 ところが、実際産んでみるとかわいくてかわいくて、「こんなにかわいいならもっと早く産み始めて3人(4人)欲しかった」と言っている人がどれだけ多いことか(私も例に漏れず)。 「35歳までに1人〜」などとのんびり構えていると、気が変わった場合に対処する選択肢を失います(もちろん双子や年子なら可能ですが)。

最近はNHKスペシャルが特集したり(→『産みたいのに産めない〜卵子老化の衝撃』)、「妊活」という言葉が産まれたり(→『妊活バイブル 晩婚・少子化時代に生きる女のライフプランニング』)、女性誌でも特集されたりしているので、上記の図は素人の私がわざわざ持ち出すまでもなく既知の事実なのかもしれません。 知った上であえて「産みどき」を悩んでいるのだと思いますが、最後にその決断がシンプルになるかもしれない方法を。

東京にいた時の職場の先輩に教えてもらった方法です。

あなたは何年後か何十年後かわからないけど、今、死の床についています。 それは病院かもしれないし、家かもしれません。 ベッドの周りにどういう人が集まってその人たちに何と言ってもらいたいですか?
その人たちにそう言ってもらえるように生きなさい。

私はこう聞かれたときに即答でした(私の答えはご想像通りです)。 


10 responses to “35歳までに産みたい30歳前後のキャリア女性に

  • NWtyger

    なんとも賢い先輩の名言!

  • Naoki Sugiura (@naokis)

    先月、このテーマでワールドカフェを行いました。
    http://kokucheese.com/event/index/56174/
    30代は「妊娠率は加速度をつけて落ちていきます。」という事実を、できれば高校・大学生の間に、キャリア教育と同様に、結婚・妊娠教育は必要だと思うのです。
    30歳前後で仕事の波に乗ってしまうと、仕事の忙しさのあまり、あっという間に時間が過ぎ、どんどん時間が失われていくように思います。だから、早くこうした事実を知ってほしいと節に願います。女性のみならず、男性も。

    • la dolce vita

      >30代は「妊娠率は加速度をつけて落ちていきます。」という事実を、できれば高校・大学生の間に、キャリア教育と同様に、結婚・妊娠教育は必要だと思うのです。

      高校生には遠い未来のことで忘れちゃうかもしれないので、やっぱり20代でしょうか。 高齢出産のタレントを賛美するマスコミの影響がやはり大きいような気がします。
      こちら友人の産婦人科医のブログ「本は平気で嘘をつく」
      http://ameblo.jp/lupoburabura/entry-11393525876.html

  • YN

    初めてコメントさせて頂きます。アラフォー中に運よく二人を授かったものです。全くの同感です。周囲の同世代女性を見ていても、私は本当に運がよかっただけです。出産は、自分でコントロールできない要素溢れる生命の神秘の世界ですから。キャリアの遅れなんて、人生全体を見渡した場合、多分ちっぽけな問題なのだと思います(あくまでも私個人の価値観の中での想像です。)。キャリアは、自分のペースで自分らしく描いていくことが可能だけど、出産ばかりはそうはいきません。私は、アラフォー海外キャリアデビューして、仕事面では、かなーーーーり厳しくつらい経験もしているし、家計も火の車です(教育費、養育費、半端じゃないですよね!自力ロンドン就職カップルにはつらいですよね!!)。それでも、主人や子供たちと共に過ごすことができる毎日は、私に掛け替えのない幸せを与えてくれます。

    • la dolce vita

      初コメントありがとうございます。
      私も自分が当事者になって初めて本当に「授かりもの」の意味がわかりました。 授かった命に感謝しながら、この気持ちを忘れないようにしたいなーと思っています。

      >教育費、養育費、半端じゃないですよね!
      ハンパないです、NYと双璧を誇るんじゃないでしょうか。 がんばりましょう〜

  • liliya

    >「産みどき」、「仕事が落ち着くとき」なんてないです。 

    そうなんでしょうね。私には切実なトピックで、興味深く読みました。
    ドメスティックに「輸出型キャリア」で働く31歳女性です。
    社内昇進のタイミングは逃さず、しかし子供も欲しく、出産・育児のタイミングと夫の仕事のピークがバッティングするのも避けたく、、、と考え始めると、果たしていつに産むのがいいのか・・・悩みどころです。一応、ピル服用で不妊(婦人科系疾患)の予防には気をつけていますが。。。
    女性が、仕事も、家庭も、子供も、と手に入れるには、それなりに考えて動かないと厳しいんですよね。。。

    • la dolce vita

      コメントありがとうございます。
      >それなりに考えて動かないと厳しいんですよね。。。
      考えるから産めなくなってしまうんだと思います(笑)。 産みどきもないし、育てどきもないです、育児は妊娠してから子どもが巣立っていくまで20年以上かかる長期戦です。 やりたくてやったことを後悔する人はあまりいないけど、やりたかったのにやらなかったことを後悔する人がほとんどなんですよー(と煽ってみる、笑)。

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