バイリンガルの頭の中 – 2歳8ヵ月

時が経つのは本当に早い。
『日英バイリンガルへの道 – 1』『 – 2』を書いた頃は長男はまだ生後3ヵ月、ここに書いた通り、息子には私が日本語で、夫が英語で話す生活を続けてきました。 2歳を過ぎた頃から急に言語能力が向上、当時は週5日ナーサリーに通っていたため口から出てくるのは英語ばかり(でも私が言うことは理解している)、「バイリンガルなんてまだまだ先の話だわ」と思っていたところ、最近急に日本語がたくさん出てくるようになりました。
近所の日英バイリンガル家庭の女の子(3歳)が、在ロンドンの日本の幼稚園サマーコースに行ったところ、それまで英語オンリーだったのが日本語が出てくるようになった、とのことなので、うちもウィンターコースに2週間入れてみることにしました。 さて、念願の日本語上達は見込めるでしょうか?(車のない我が家が車で30分の幼稚園まで送迎するのでわざわざその期間はZipcarするのです)

バイリンガル環境で暮らす子どもがどうやって2言語を身につけるのか、頭の中はどうなっているのか、は興味深い。 アカデミックな関連本を1, 2冊読んでみたいところですが、現時点での我が家の2歳8ヵ月のランダムなメモです。

– 溜めて溜めて話し出す子と、耳に入ったそばから発する子がいる
よく「バイリンガル(複数言語)の子どもは言葉が遅い」と言われますが、うちはそうでもなく、(英語から先に)普通に話し始めました。 言葉が耳に入ったそばから発していくタイプのようで、ひとりでもペラペラしゃべっています。 一方、3言語環境の友達の次男は3歳まで言葉を発しなかったのに(でも聞いて理解している)、いきなり3言語とも一気に話し出した、と言っていたので、自分の中に溜めてから話すタイプだったのでしょう。 こればかりは性格というか、気質というか・・・

– 英語の冠詞(’a’、’the’)は名詞と一体になっている
日本人が英語を話すときにどうしても忘れがち(間違いがち)な冠詞。 以前から息子に「あれは何?」と聞くと”An aeroplane!”、”An apple!”とちゃんと冠詞をつけて言うので、ネイティブにとっては名詞と冠詞は一体化しているから意識すらしてないのだなー、と思っていました。
先日、”Mummy’s got oppais. Daddy hasn’t got oppais.”(注:”oppai”はきちんと日本の発音で”おっぱい”)と言っていたので、 すべての数えられる名詞にはちゃんと冠詞か複数形のsがこの年齢でもついています。

– 単語レベルで日英ちゃんぽん
前述の3歳の女の子は490番のバスを見ながら”よん、nine、zero!”と言っていました。 うちの息子もよく単語レベルで日本語が混じるので、よく「相手によって、場合によって言語スイッチが切り替わる」と言いますがそれはまだ先のようです。

– 発音は完璧
まだ文字が読めず、聞こえた音を発しているので発音はさすがに完璧、英語とカタカナ語(”fork”と”フォーク”、”oven”と”オーブン”)の言い分けも完璧。 私のカタカナ語をよく訂正されるのが面倒でついカタカナ語を英語発音してしまうのですが、ここでめげずにカタカナ発音で通さなければいけないんでしょう。

ご自身もアメリカでバイリンガル子育てをされているSuzuki Norikoさんのブログにお勧め本が載っています→『バイリンガル子育て中のご家庭へ:お勧めブックリスト』
バイリンガルへの道は長く険しいので、夫の協力が不可欠、英語で読める本があればいいのですが。


5 responses to “バイリンガルの頭の中 – 2歳8ヵ月

  • ネコ

    こんにちは、はじめまして。いつもブログを読ませてもらっているのですが読んでいるだけで、スミマセン。今日はやっとコメントすることができました。
    ケンブリッジ在住で我が家もも3歳5か月の息子がいるバイリンガル家庭です。息子はフルタイムで保育園に通っていて、ヨーロピアンの夫とは英語で会話(夫は日本語は理解しません)なので、やっぱり英語がメイン言語になりつつある似たような環境です。友人に「バイリンガル教育は親があきらめたらそこまで」と言われたので頑張らねば・・・とは思いつつも私はすでにナゲヤリでゆるーくしか努力してません(そんなこと全然自慢になりませんが)。幸いにして息子が2歳から3歳になる1年間に夫の仕事の出張についていくという形で日本に3回帰省、それぞれ1か月ぐらいの期間を日本で過ごすことができたのですが、その間に息子は日本語をどんどんしゃべるようになりました。なのでZipcarを借りてでも、日本語の幼稚園に短期間通うことはきっと効果があるのではないかと思います。現在息子が通う保育園はバイリンガル、トリリンガルの子供が多いのですが、ポルトガル語+英語のバイリンガル家庭のお母さんに紹介してもらった本がすごくいいらしいです。えーっと、「いいらしい」というのは、その時に一緒にいたドイツ語+ハンガリー語+英語のトリリンガル家庭のお父さんは同じく紹介された本を買ってすぐに読んで賞賛しておられましたが、私は買ったはいいがまだ読むには至っておらず・・・(そんな本をお勧めしていいのか?)。
    The Bilingual Family – A Handbook for Parents, Edith Harding-Esch and Philip Riley, Cambridge University Press, ISBN 9780521004640
    それから、うちは保育園から帰宅して夕食までの間に30分だけ日本のTVアニメを録画したもの(アンパンマンやトーマス)をラップトップで見せているのですが(私が急いで夕食の準備をするためなので完全に親の都合です)、それも驚くぐらいにボキャブラリーを増やすのに役に立っているようです。たまにそんな表現どこで???と思ったら出典がアンパンマンだったりすることがあるので、実はそれも日本語教育には役に立っているのかも?と思います。
    この先、読み書きとか導入される年齢なったらどこまで頑張れるのだろうか・・・とか悩ましいです。バイリンガル教育ってホント大変ですよね。

    • la dolce vita

      >ネコさん
      初コメントありがとうございます、嬉しいです。
      本のお勧めありがとうございます、Amazonのレビュー読んでみましたが、mixedですね。 いくつか読んでみるので読めたらブログに書きますね。

      >うちは保育園から帰宅して夕食までの間に30分だけ日本のTVアニメを録画したもの(アンパンマンやトーマス)をラップトップで見せている
      私はほぼ日本のアニメのビデオと高校の時に1年日本に住んだだけで(でもインターナショナルスクール)バイリンガル(彼女はトライリンガルですが)になったケースを知っています。 学校から帰ると2時間テレビの前で日本昔話とどらえもんを何度も観なければならなかったそう。

      でもうちはiPhone中毒症(↓)の後にしまじろうDVD中毒症になってしまい、

      iPhone中毒症


      それ以来、iPhoneもコンピューターも一切禁止なのです。
      30分で切り上げてすんなり夕飯のテーブルについてくれるのですか? そこまで聞き分けがいいと私も30分くらい日本のDVDを見せたいのですが、今はとても無理ですねー

      お互いがんばりましょう・・・

      • ネコ

        >30分で切り上げてすんなり夕飯のテーブルについてくれるのですか?
        ハイ、普段はちゃんと30分で切り上げてそのあと食事の席についてくれます。
        たぶんSleep Trainingとかと同じかと思います。
        同じ夕刻の時間に毎日同じように30分しか見せてないので当人もそのつもりになっているのかと。
        Yokoさんのところも、今から見せることにしても最初の数日は暴れるかもしれませんが、いつも同じにしていたらそれ以上言わなくなるのではないでしょうか?
        泣き叫んだりするのも相当体力要るし、やっても無駄ってわかったら結構あきらめるのも早いかも?とか思います。
        私自身は楽な方に流れたい怠惰な性格なので、見せておけばとても大人しくて楽なのでどんどん見せたい気分にすぐなってしまうので、自戒の意味も込めて何があっても30分ということに決めています。幸か不幸か私はiphoneもしまじろうのDVDも持っていないので、それにハマったけど大丈夫だったという立証にはならないのですが。(iphone中毒のエントリー、すごく興味深く読ませてもらいました)

        ちなみに、先日保育園が閉鎖される日があって(すごい迷惑)その日はどうしても朝は私が仕事を休むことができず、已む無く夫が息子を自分のオフィスに連れていってビデオを見せて座らせている日がありました。幸いにオフィスで大人しくビデオを見ていたのですが、1時間くらい見た後にちょうど私が仕事を終えて迎えに行ったのでビデオ止めようとしたら暴れていました。夫のラップトップが壊れそうなくらいに(ひぇぇぇ)
        a)いつもと違うビデオ(日本のアンパンマンとかではなく、フランス語のBarbapapaのDVDでした)で珍しかったから?
        b)いつもと違う時間にいつもより長い時間見せてもらっていたから、もっと見られると思ったから?
        c)厳しいお母さんではなく、甘いお父さんが近くにいたから泣き叫んだら聞いてくれるかと思ったから?
        上記のどの理由かもわからないですが、普段と違うことするとやっぱり切り上げるのは難しかったりすることがあります。

        そして全然自慢にならないですが、息子は保育園をいつ追い出されるかと思うほどのやんちゃな性格で、お友達の誕生日会に行って相当暴れて中途退場しないといけなかったりしたこともあったり、保育園のお迎えに行って保育士さんからその日のことを聞かされて穴があったら入りたい気分になること日常茶飯事だったり・・・相当な悪ガキです。でも、一応食事前のビデオ鑑賞の時間区切りには成功しているので、きっとYokoさんのところでも大丈夫だと思いますよ。アニメとかビデオの力を借りられるとバイリンガル教育はちょっと楽になりますし、落ち着いてきて自分の気合に余裕があるときにでも、Sleep Training ならぬ[ビデオ30分区切りトレーニング]を実践してみるのもお勧めかもしれません。うちの息子はほんとビデオのおかげで日本語上達しまくって私と息子が会話していることを、お父さんに通訳してくれるまでに至ってます(現在3歳5か月)。
        なんか長いカキコミになってしまってすみません。ほんと、お互いに頑張りましょう~~

  • MyFireTan

    Yoko-San, ご無沙汰しています。私も今週親になることになり、バイリンガル、トライリンガル教育に強い関心があるのでとても参考になりました。うちの子の場合は英語と北京語が幼稚園から必須になるのですが私の日本語と道ばた(香港)の広東語が邪魔をしないか、というのが課題です。ようこさんが以前書いてらしたようにiPhone中毒になってもらっても困るのでテレビ教育以外の方法を模索中です。ただマルチリンガルの夫や友人の話を聞くとナニーが広東語/北京語しか喋れなかったという以外に「テレビドラマや歌で○○語(広東語、北京語、日本語)を習得した」パターンが非常に多いです。またシェアしていただけると助かります。

    • la dolce vita

      >MyFireTanさん
      さらっと「おめでとう」と書きそうになったけど、
      >今週親になることになり
      って、もう日にち決まってるの? Good luck! もうすぐ可愛い我が子に会えるねー
      まずはふにゃふにゃの新生児をたっぷり楽しんでくださいな。 あんなに後から思い出しても切なくなるくらい愛おしい期間はなかなかないです。

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