ロンドン名物2階建てバスが外資経営でも誰も気にしてない

double_decker_bus.jpgロンドンといえば真っ赤な2階建てバス(ダブルデッカー)。 ロンドンの大手バス会社のうち3社はNetherlands Railways(オランダ鉄道会社)、Deutsche Bahn(ドイツ鉄道会社)、RATP(パリ交通局)らしい。
東京の公共バスの経営を韓国の鉄道会社がやってるイメージ?
でも誰も気にしてない。 バスなんて時間通りに安全に便利なルートを走ってくれればそれでいい。 車内が清潔で料金が安ければもっといい。
ちなみに民営化された水道会社のうちVeoliaはフランスの公共事業会社、電気・ガスのEDFもフランスの電力会社。
東京水道局も東京電力も外資になるイメージね。
でも誰も気にしてない。 だいたい昔からイギリスって公共事業の「オペレーション」って全く得意じゃなかったから、得意な人に任せた方がいい。 フランスは昔から公共サービスの民間への委託が盛んで強い民間企業が育っているらしいから、どんどんやって欲しいよね(ついでに、ロンドン地下鉄もお願い、って感じ)。
イギリスでの公共サービスなんだから、もちろん雇われているのは現地人。


一応、イギリス人も過去に栄華を誇った大英帝国の末裔だから「外資が来るぞ〜!」となった時は、ちょっとは騒ぐらしい。 でも結局のところ来たところでケロッとしているのは、こんな風に説明されている。
The Economist : A very British paradox

1. イギリス人は大陸ヨーロッパ人よりも市場経済を信じている(『自由経済を信じない日本』の表を見る限りそうでもないみたいだが)。
イギリス人は、グローバル化した世界で「英資本であること=国内に職が留まること」ではないことを知っている。 「英資本になることより、ここに仕事があることの方が大事」とプラグマティック(実利的)。
2. 自分たちの国が得意なことだけ一生懸命守ればよい。
イギリス人は、コモンロー(英国法)法治システム・軍隊・民主政府の長い伝統を誇りに思っており、大陸ヨーロッパのそれより優れていると思っている。 もともと得意じゃないこと(電車を走らせたり、車をデザインしたり)は得意な人がやればいい。

ま、ほんとその通りだよね。
ロンドンの一等地チェルシー・ナイツブリッジ地区は外国人(ちょっと前はロシア人、最近は中東と中国人)が投資(投機?)目的で不動産を買い漁っていて、「平均」不動産価格が(1ベッドルームとかも含めた平均)£1mil.(約1億3,000万円)超えしたため、イギリス人には手が届かなくなってしまった。
金融街のシティやカナリーワーフあたりは不動産好きの中国人がどんどん商業ビルを買っているらしい。 そのうち英中央銀行のビルまで買われちゃったりして?
それでもウィンブルドン現象を50年も前に生み出したイギリスらしく、外国人を活用してしぶとく生きてほしいし、あーだ・こーだと言いつつしぶとく生き延びるんだと思う。
日本もこんなのも全然あり? →『Chkirinの日記:金融業なんてむいてないし、東証も要らない。


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