「北欧インテリア」って何?

私はロンドンに来て建築インテリアに目覚めました。 「インテリア」というと「女性のもの」「素人が手作りするもの」「何か特定のスタイルを目指すもの」という感覚が日本ではあると思いますが、こちらでは住む人の生き方そのものが現れていて人々の関心度・深みがレベル違いです(→『あなただけの家 – 1』『- 2』)。 女性だけのものではなく、「男のインテリア」も多いし、もちろんDIYは盛んですが、ある一定レベル以上の家ではプロ(デザイナー)を雇って完成させます。
なぜ皆そんなに関心があるのか?にはいろいろ理由がありますが、衣食住の優先度が「住→食→衣」であること(日本では「衣=食→→→住」)、生活の優先順位が仕事ではなく家族や友人なので家で過ごす時間が長いこと、家に人を招いたり招かれたりすることが社交の中心であること、でしょうか。

昔、日本ではイタリア料理といえばスパゲティーナポリタンとピザ(Quattro Formaggiとかではなく、サラミやピーマンがのってるやつ)という時代がありました。 チーズといえば給食に出てくる剥いて食べるプロセスチーズ(笑)。 それが今や都内のイタリアン・レストランのレベルの高いことと言ったら・・・ 間違いなくロンドンよりレベルが高いです。

ところが、西洋空間のインテリアという分野ではイタリア料理に例えるとまだサイゼリヤが出てきた時代くらいに留まっている気がします(和空間のインテリア=意匠はまた全く別の世界)。 おそらくイタリア料理のように本場で修行した経験の長い熱いプロ層が足りないのでしょう、一般の人の興味がないというのもあるだろうし。

今日は日本における西洋インテリアがスパゲティーナポリタンっぽい理由を書きますが、インテリア業界の方を批判する意図は全くないので、「もっと知りたい」と興味を惹くきっかけになれば嬉しいです。

1. 日本ではインテリアを表現する言葉が曖昧
インテリアを形容する言葉にはいろいろありますが、日本のインテリア雑誌でよく使われている「クール」「モダン」など主観で左右される言葉がメインで使われることはまずありません。 基本的には「時代」という縦軸と「地域」という横軸で現します(例:Italian Mid-century=イタリアンミッドセンチュリー、French Rococo=フレンチロココ)。 「時代」と「地域」の交わった箇所を基本として住む人の個性に合わせてさまざまなスパイスが加わります(例:独身貴族風、ハリウッド女優風)。 スパイスについては2.で書きます。

Japanese Scandinavian interior例えば日本のインテリア雑誌で大人気の「北欧インテリア」。 Google画像検索で検索してみましたが、白木のフローリングの床に白木の北欧デザイナーの家具(カール・ハンセンのウィッシュボーンチェアやアルネ・ヤコブセンのアントチェアなど)が散りばめてあり、ペンダントライトと爽やかなパステルカラーが特徴のようです(右の写真のようなもの)。

Nina Hartman interiorNina Hartman interior2一方、ヨーロッパで”Scandinavian Interior”(北欧インテリア)と言った場合(Google画像検索してみてください)、その特徴は白い壁、白塗りした(White washed)床、大きく採光を取った窓・・・ 高緯度の日照時間が限られた北欧で太陽光を最大限に反射させるため白・白・白が特徴です。 もちろん北欧デザイナーのミッドセンチュリー家具を使っていることもありますが、使っていないこともあります。

右の写真はNina Hartmannというスウェーデンのデザイナーの自宅インテリアですが、使われている家具は18世紀のスウェーデンで流行したグスタヴィアン様式を汲んだものが多く、フレンチのシャビーシックに近いです。 グスタヴィアン自体、同時代のフランスで流行したロココ様式を汲んだものなので当然ですが(こういうスタイルに興味ある方は彼女のサイト(→こちら)や本『Vintage by Nina』をどうぞ)。 これも立派な”Scandinavian Style”(北欧スタイル)で特徴はとにかく光を反射するよう白の占める面積が大きいこと。 どちらかというと色はあまり使わないか、デンマークでは白黒にまとめるのが特徴的でマリメッコなどは亜流だと思います。

「日本版北欧スタイル」は建築エレメント(床・壁・天井・窓など)はマンションや住宅のディベロッパーがつくったままで家主は触れず、その上に日本の家具輸入代理店が扱っている家具・著名デザイナーの家具を入れたものですね・・・

同じくカッシーナやB&B ITALIAの家具でまとめたインテリアを「イタリア風」と呼んだり、「スペイン風」とあるものがLAやサンディエゴによくあるパティオのついた家でみるようなインテリア「南カリフォルニア風」であったり・・・

インテリアに国の名前をつけてひとつのスタイルとして呼ぶことは、「イタリア料理といえばナポリタン」くらい乱暴な呼び方、、、とまでは言わなくても、「パスタといえば(数ある乾燥パスタのひとつにすぎない)スパゲティー」と同レベルだと思います。

料理と同じく奥深い分野で知れば知るほど歴史・地理の壮大な探求にはまっていく世界なので、日本人得意のオタク性を発揮したプロ・セミプロがたくさん出てくるといいなーと思います。

長くなったので2.以降は次回。


One response to “「北欧インテリア」って何?

  • みっき

    はじめまして。今まで読み逃げしていました。
    質問なのですが、ようこさんのお宅の広さってどの位ですか?間取り的には日本の2LDKですよね。でもずっと広々ステキに見えます。欧米は赤ちゃんの時から個室を与えるイメージなのですが、ロンドンの様な都会では違うのでしょうか?

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