子どもがいるといくら整理しても物が増えて増えて困ります。 もうすぐ引っ越すので、キッチンで食器類を眺めていたときに、ふと私がひとり暮らしをしていた頃から持っていた湯呑みとご飯茶碗のセットにピン(!)と閃きました。 10年以上前に京都伊勢丹の食器売場で買った花柄のセット、数ヵ国に渡る引っ越しでも捨てられなかったのですが、結婚してからさっぱり出番がなくなっていたのです。
日本の食卓では、家族全員がマイご飯茶碗、マイ湯呑み、マイお箸を持っているのが普通だと思います(私の実家はそうでした)。 一方、西洋ではマイディナープレート、マイグラス、マイフォークなどはありません。 例えばお皿ひとつとっても同じ種類で揃えるか(セットで買うと通常6個で1セット)バラで買うかはともかく特定の家族の一員に属していません(もちろん子ども用食器はあります)。 我が家の和食器もそれに習って同じ物を複数Maduで購入して日常的にはそれを使用しているので、私のひとり暮らし時代のマイ食器は出番がなかったのでした。
ところがある朝、食器棚を整理しながらぼーっと眺めていたとき、棚の奥に眠っていたご飯茶碗がアクセサリー入れに見えたのです、中途半端な数のため使えない和食器にアクセサリーを入れたらいいんじゃないかと(ググったらありました、まさにこんなイメージ→)。
異なる文化の中で住む(旅行ではなく住むことが重要)経験をした人の方が経験がない人よりイノベーティブなアイデアを生むというデータをたしか『イノベーターのDNA』で読みました。 ご飯茶碗がアクセサリー入れに見えたり、着物の帯締めがカーテンのタッセルに見えたり、「連想のスキル」(→『クリエイターのレシピ – 2』)が自然と働くからであることは想像に難くありません。 「イノベーティブなアイデア」など大げさなことを言わずとも、自分が今までと異なった視点を得ていくプロセスというのはとても楽しいものです(→『”世界級”であることに何の意味があるのか?』)。
以前、日本製陶磁器がフランスで売れていないというJETROパリのレポートを読みましたが(→JETRO: フランスでの日本の陶磁器の販売動向)、「食器」として売れないのは家庭で和食を料理する人がほとんどいないのですから当たり前、「デコラティブな入れ物」としてインテリア雑貨として売る方が市場があるような気がします。
次回は「ウォシュレットはなぜ外国で普及しないのか?」という日本人なら誰もが感じたことがある疑問に挑みます。
March 29th, 2013 at 7:25 pm
うちには鍵置き場となったバター皿がサイドボードの上にあります。たまにポケットティッシュも入ってます。
April 15th, 2013 at 9:47 am
たしかにちょうどいいサイズですね。
割れないバター皿なんですか? うちの鍵置き場は子どもに荒らされるので、陶器は使えないなー
April 17th, 2013 at 7:23 pm
なんと、まさかのガラスです。チャリティーショップで見つけたアンティークなんですけど、多分いつかチビにやられてしまうなー、というか、危ないか。。