バイリンガル育ちは能力的に有利

バイリンガル(候補)の子どもを持つお母さん・お父さんに朗報です。 「バイリンガルに育つと能力的に有利」という心理学と脳科学の学者の研究結果が出ました。
NY Times : The Bilingual Advantage

脳の中にエグゼクティブ・コントロール(実行管理)システムがあり、複数の事柄から重要なこと・意味のあることに集中するよう常に指示を出している。 バイリンガルに育つと2つの言語を常に抱えながら、エグゼクティブ・コントロールシステムが場合に即した言語に切り替えてアウトプットを出している。 バイリンガルはこのシステムをより頻繁に使うため、重要なことを効率的に判断することに長けるようになる。

結果として、

– バイリンガルはモノリンガルよりアルツハイマーの症状が出るのが5, 6年遅い
– バイリンガルはマルチタスキングに長ける

などの研究成果が出ているそうです(渡辺千賀さんの最近のエントリー『バイリンガル脳』も同じ内容ですね)。
興味深かったのは、北米(この学者はトロント大学)でも数十年前までは「バイリンガルは能力的に不利」という通念があったそうですが、

Some of this was xenophobia. Thanks to science, we now know that the opposite is true.
通念の背景には外国人嫌いがある。 科学の進歩のおかげでその逆が真であることがわかった。

としているところ。


日本では小学校からの英語教育が始まるにあたり、

「母語以外の言葉を学習すると母語が完全にマスターできず、それによって論理能力なども充分に育たない」
「英語の早期学習は日本語能力や論理性などの育成を阻害してしまう」

という反対意見があるそうですが(*1)、「意見」や「個人の経験論」ではなく、データでもって立証すればいいのに、と思います。
*1・・・『NB online: バイリンガルやマルチリンガルは子供の教育にいいのか?悪いのか?』より
さてさて、ゆるーく『日英バイリンガルへの道 – 2』に書いた方法で、息子に話しかけている我が家ですが、生後15ヵ月の今、毎日のように新しいボキャブラリーが増えるとても楽しい時期です。
本人の頭の中が覗けたらどんなに楽しいかと思いますが、こんな感じ。
A. 日本語と英語、両方で言える
B. 日本語だけで言える(英語でも意味はわかっているが言えない)
C. 英語だけで言える(日本語でも意味はわかっているが言えない)
D. 日本語と英語、両方意味はわかっているが言えない
A. 「パパ」と”Daddy”、「ばぁ〜!」(「いないいないばぁ〜」の「ばぁ〜」だけ)と”Boo!”(”Peek-a-boo!”の”Boo!”)、など
B. 「わんわん」は言えるが、”dog”は言えない、など
C. “apple”は言えるが「りんご」は言えない、”shoes”は言えるが「くつ」は言えない、など
D. 単語だけでなく文章もかなり両言語で理解している、「これパパに持っていって」と”Give this to Mummy.”、「ミルク欲しいの?」と”Do you want milk?”、「ここに座ってて」と”Sit down here.”など
なお、「言える」「言えない」の違いは、発音のしやすさ・しにくさによるようです。
「ママには日本語」、「パパには英語」という使い分けはまだできません。
彼の頭の中では、「りんご」という物自体が頭の中にあり、それが「りんご」、”apple”という両言語と結びついていることがよくわかります。 決して「りんご」→”apple”と言語→言語への変換(訳)をしているわけではないんですね。
私も英語がまだうまくない頃は日本語を英語に頭の中で翻訳してから言おうと思っていたら、話題が次に移ってしまうということがよくありましたが、「言いたい内容」が頭の中に浮かびそれを直接英語でアウトプットできるようになってから、英語での会話が圧倒的にスムーズになりました。 頭の中のビジュアル・イメージを意識しながら訓練するといいかもしれません。


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