『なぜ家庭教師ならOKで家事代行はNGなのか?』に、多くの情報ありがとうございました! ネタ元の友人も喜んでいます。
さらに、その友人から、(私がお勧めする)直接契約に関し、
家庭教師の場合は大学名なんかが身分証明書代わりになるけど、シッターとかハウスキーピングの場合、身元確認とかスキルの確認とかかなり面倒くさそう・・・ (=「自分で判断」は初めから放棄してます)
とあったので、今日はこの点について。
ベビーシッターやクリーナーとの直接契約が一般的な社会でも自分で面接と経歴書(CV)だけで判断するわけではありません。 もっと大事なのが「リファレンス」です。
リファレンスとは「前雇用主からその人の働きぶりを聞くこと」です(具体的には、前雇用主の電話番号などコンタクト先を入手する)。 あらゆる採用で非常に一般的(というより必要不可欠)で企業が中途採用する場合もリファレンス(元上司や同僚・クライアントのコンタクト先)の提出を求めることがありますし、賃貸契約の際には家賃支払い能力を証明するために現職場と前家主の連絡先を求められます(→『外国人お部屋探しの高い高い壁』)。
日本と違って、「大学名」や「会社名」など身分証明にならないのですよ・・・ 経歴詐称する人なんていくらでもいるし、本当にその(有名)大学に在籍している(いた)としても多種多様な人が集まっているし(去年クリスマスに米航空機爆破未遂を起こしたのはロンドン大学卒、一連のテロ事件を起こしたオウム真理教幹部は京大出身者多数ではないですか・・・)
特にベビーシッターは一番大事なもの(人)を預けるため、私はリファレンスのない人はお断りしています(合計7, 8人とベビーシッターの面接をしたことがありますが、「リファレンスください」と言った後に連絡が途絶えた2人は日本人でした、リファレンスなしでやろうとしていたのでしょう)。
「リファレンスください」と言うと、ベビーシッターに応募してきた人は約2, 3人のベビーシッターをした家庭の電話番号を連絡してきます。
その電話番号(ほとんどの場合、母親の携帯番号)に電話をかけて、何歳の子どもの世話を依頼したのか、寝かしつけはやってもらったことがあるか、子どもはよくなついたか、など聞きます。 質問だけではなく「彼女を雇う場合に何か注意すべきことはないか」などアドバイスも求めます。
「知らない人にいきなり電話かけて、そんな質問に答えてもらえるのー?」と思うかもしれませんが、非常に一般的なので快くいろいろ教えてくれますし、「彼女、ものすごくお勧めよ!」という場合には、よりいっそう熱意をもって語ってくれます(eBayやAmazonなどは「いい商品は人に勧めたくなる」人間の性質をよく利用したサービス設計になってますね)。
また、『「内」と「外」』というエントリーに書いたように、日本より
未知の人とのコミュニケーションの敷居が低い
ことも影響していると思います。
リファレンスを完全に偽ることは非常に難しいのでいいシステムだと思います。
また「経験がないとリファレンスができないから、未経験者はいつまでたっても未経験者のまま」と思われるかもしれませんが、ベビーシッターの場合は簡単! 小さい子どもを持つ母親の悩みは洋の東西問わず共通、猫の手でも借りたい忙しさなので、近所の(知り合いの)お母さんに「お手伝いします!」と名乗り出ればいくらでも見つかります(海部未知さんがこちらに書いているように、初めはマザーズ・ヘルプが気がラクかも)。
最近面接した2人(20代のイギリス人とカナダ人)は「ティーンエージャーの頃から近所のベビーシッターしてました」という若者で「私も小さい頃こういうお姉ちゃんたちに遊んでほしかったなー」と思うほど爽やかでいい子たちでした。
ロンドンに住む1歳半の娘さんを持つ日本人ママ友達が、今度初めて夜に子どもをベビーシッターさんに預けてダンナさんとデートをするのだそう。 「すごく人見知り」という娘さんを預かってくれる人は、なんと普段預けているナーサリーの保母さん(!)。
とってもいいアイデアですねー 普段慣れてる保母さんなら安心。
日本でもどうでしょう? 保育園の勤務時間外だし、保母さんって重労働で神経も使うのに待遇悪いし、「契約がどうのこうの」とか細かいこと言わずに(もちろん保育園には内緒で)お願いしてみては? ダメかなー?
November 9th, 2010 at 4:08 pm
やーやー,元気そうだね!
小学1,2年のころは,私もうちにお手伝いさん(?)が来ていて,いってた保育園の「元」保母さんだったよー。これなら,保育園に遠慮することないし,いいかもよ♪ 私の場合は,駅から家までのお迎えと,母が帰るまでの留守番でした。知ってる人だし,子どもとしても安心だったよーな記憶が。
November 9th, 2010 at 5:19 pm
「リファレンスください」と言った後に連絡が途絶えた2人は日本人でした、リファレンスなしでやろうとしていたのでしょう
つい最近、私も同じことを経験しました(苦笑)
結局アメリカ人ママ友から、ベビーシッター経験の豊富な、近所の高校生のお嬢さんを紹介してもらいました。 こういう親の顔もわかっている近所の子というのが、素性が知れていて、結局は一番信頼度が高いですね。
November 9th, 2010 at 9:47 pm
久しぶり&お元気? 前エントリーの盛り上がりを見てきたところです。
さて、数が十分とはいえない日本の保育士さん、目いっぱい働いていて副業をする余裕がないのではないかと思われます。副業する文化がないこともあり、保育園に内緒でっていう点で相当ハードルが高いハズ。
&保育士を雇用する側からすると、重労働の上に副業して、本業に支障がでたらとんでもないです。業界を離れていて雇用契約書を確認することは出来ないけれど、契約面で大丈夫なのかと、本気で気になりました。
(細かいことを気にせずに)いくら待遇を良くしてあげても、フルタイム契約に何かあった時に泣くのは保育士さんだし、万が一、利用する側も利用しづらくなると本末転倒なのでは?
目のつけどころはとってもいいと思うし、eriさんの「元保育士」のような実例もあるので、契約が大丈夫で、保育士さんが副業でも本業同様に頑張ってくれる人なら、どんどんお願いすればいいと思います。
あくまで慎重に・・・と、余計なお世話かもしれないけれど、元雇用する側としてひとこと書かせてもらいました。
November 11th, 2010 at 1:00 am
la dolce vitaさん、
今の米系会社に転職する時、リファレンスを求められませんでした(最初の転職ってどうなんでしょう?)。で、日本だからかな?と思っていたら、先日アメリカで働く同僚が、「この会社変わっててさ、リファレンス求められないんだよね。その代わり面接と試験がえらく厳しいくてさ、そういう経験ないから面食らっちゃったよ」と言ってました。リファレンスに確認を取るのが100%ではないにしても、こういうのはどの程度一般的なのか良く分かりません。2000人くらい従業員のいる製造業、ただ意外に定着率は良い会社で、営業職なんかは20年30年というベテランが多く、中国でも10年選手がざら(しかも創業180年だったかな?)。何か独特な手法があるのかもしれません。
ベビーシッターの件は日本では難しいかも知れないですね。社会構造がちょっと違う(良い悪いじゃなくて)んで、人には頼みにくいというのがあるでしょう。うちのかみさんなんて、「自分が遊ぶために人に子供を預けるなんてトンでもない」と、親にさえ頼むのをためらいますから。周りを聞いてもそういう話は結構多くて、こればっかりは好き嫌いと同じだから仕方ないでしょうね。割とその辺が似ている韓国がどうなっているのか、今度同僚に聞いてみようと思います。
November 11th, 2010 at 12:51 pm
>eri
>いってた保育園の「元」保母さんだったよー。
いいねー、それ。 うちはおばあちゃんがいたから外の人はいなかったけど、いても楽しかったかも。
>NSさん
>こういう親の顔もわかっている近所の子というのが、素性が知れていて、結局は一番信頼度が高いですね。
そういう人がいれば一番いいんですけどね・・・ 結構住民の入れ替わりが激しい地域に住んでいるのでなかなか・・・
>ごうさん
個人のブログなので、いちいちdisclaimer(お断り、注意書き)はつけてないんだけど、つけるとしたらそうなるんでしょう。
>ドイツ特派員さん
>今の米系会社に転職する時、リファレンスを求められませんでした
おっしゃる通り会社によると思います。 また普通は転職活動って今の雇用主には内緒でやるので、今の雇用主や同僚のリファレンスを求められたって提出できない、ってことは会社側もよくわかっているかと。
>社会構造がちょっと違う(良い悪いじゃなくて)んで、人には頼みにくいというのがあるでしょう。
昔から商売やってた家はお手伝いさんいただろうし、大家族時代はちょっとの間面倒みてくれる人もいただろうし、ずっと人に頼みにくかったのではないと思います。