週末はINSEAD Baby Halloweenと称してロンドン在住の赤ちゃん連れINSEAD同級生で集まりました、総勢7カップル(大人14人)+9人の赤ちゃん。 全員2歳以下の赤ちゃんとランチというのは壮絶な光景でしたが(トマト・スパゲティを手づかみで食べてたし)、さすがINSEAD、全員が国際結婚(国籍が違う人同士の結婚)で7組のうち5組の赤ちゃんがmixed(*1)でした。
*1・・・日本語の「ハーフ」は和製英語(→『One-drop rule』)。 英語で”mixed”という時は、主に人種が違う場合に使います(イギリス人とフランス人の間の子どもは”mixed”とは呼ばない)。
フルメンバーは以下、夫・妻の順に・・・
ドイツ人Hとインド系イギリス人K、スイス人Pとスリランカ系イギリス人C、インド系スイス人Rとフランス人A、オランダ人Lとイラン系アメリカ人L、インド系イギリス人Sとインド人、イタリア人Aとスペイン人U、(私たち)オーストラリア人と日本人。
そしてインド系ヨーロッパ人が4人も(*2)。 以前、『シンガポールでインド人について考える – 2』で、「インド人はインド人と結婚する」と書きましたが、移民X世代目でイギリスで産まれ育ち完璧なブリティッシュ・イングリッシュを話しアッパー・ミドルクラスの地位を確立しプロフェッショナルな職につく彼らには「インド人と結婚しろ」というプレッシャーはないのでしょうか? 前書いたように、インドから(親同士の仲介、いわゆる見合いで)奥さんを連れてきたのは1人だけでした。
*2・・・親(または祖父母)の出身地がインド・パキスタン・バングラデシュ・スリランカなどインド亜大陸にルーツがある人たちをまとめてインド系とする。 例えば、私の友人はカテゴリー上ではパキスタン系だが、両親がイギリスに移住した後にパキスタンがインドから分離独立したので、親が「今パキスタンと呼ばれている地方」出身だというだけで、彼にとってこの分類にあまり意味はない。
最近のイギリスを舞台にしたインド/イギリス映画は移民第1世代と第2, 3世代の異なる価値観の衝突をコミカルに描いたものが多く、多くのインド系イギリス人の共感を呼んでいるようです。
例:”Bend It Like Beckham”(邦題:『ベッカムに恋して』)
”East is East”(邦題:『ぼくの国、パパの国』)
さて、世界中に移民を大量に輩出した国と言えばインドと並んで中国。
(インド系イギリス人のように)移民第1世代の親が一生懸命働き教育熱心で、第2世代の子どもは一生懸命勉強し、高度なプロフェッショナル職(医者・弁護士・バンカー他)に就いた、と言えばアメリカの中国系移民を思い出します(→渡辺千賀さんブログの『カッコウの巣の小学校』)。
ところが最近行ったスペインで面白いことに気づきました。 マドリッドの小さい食料品店は中国人経営ばっかりだった! 仕入れが簡単で言葉もあまり必要のない食料品店をオープンし現地の人が嫌がる長時間経営をこなしながらマジメに働いて子どもを学校に行かせる。 第2世代の子どもは熱心な勉学の結果、高等教育を終了し社会階級を駆け上がる・・・移民ドリームの王道パターンが街中で繰り広げられていました。 あの勤勉さをもってしたらラテン系の国なんて赤子の手をひねるものでしょうなー
そして以前、アフリカの最南の内陸国レソト、アフリカの最貧国の中でも地理的に僻地にある地味なこの国で、ガソリンスタンド・スーパー・金物屋・・・etc.どんどん中国系の店が増えている、という記事を読んだのを思い出しました。
The Economist : The Chinese are everywhere
母国は急激に経済成長しているとはいえ恩恵を受けているのは都市部の層だけ。 経済成長から取り残された人たちにとって、
勤勉アービトラージュがきく(中国系にとって)未開の地を見つける→一族郎党・村をあげて移住する→一生懸命働く→新天地で社会階級を駆け上がり生活レベルがあがる
という移民ドリームはまだまだ健在なのでしょうか。
どこへ行ってもインド系と中国系が元気な今日この世界。
November 2nd, 2010 at 10:32 pm
中国人本土の方々が外に行かれる最近の理由の大きな一つに「子供を一人以上産めるから」というのもあるかなあと思います。私も最近子供を授かったばかりですが、一人以上欲しい~~~!と思っている人に政府、周りが「それは駄目!」何て言われたらかなわないです。
まあ、勿論他の理由も大きいんでしょうけど。。。
私は現在米国に住んでますが、つくづく日本に生まれて良かった。。。と世界を見渡す度に思っちゃいます。
November 3rd, 2010 at 4:23 pm
うちのビジネススクールMBAもインド人が一番多かったです。(新入生は地元っ子が多いけど)
確かに彼らの付き合う相手や婚約者がインド人(しかもインドやシンガポールに住んでる)のが疑問で(その割には卒業後に欧州に残ろうとしてたし)、率直に「なんで?」って聞いてみたことありますが、はっきりとした回答は得られませんでしたw
カースト制度にしてもぶっちゃけて質問したことありますが(未だに違うカーストとは交流しないの?とか)、うまくかわされてしまいましたね。。。
ハイテクエンジニアや知的産業従事者が多いのに、この迷信めいた保守的な生活とのギャップが不思議で、いつかインドに行きたいと思う今日この頃・・・。
November 4th, 2010 at 8:24 pm
>MCさん
>中国人本土の方々が外に行かれる最近の理由の大きな一つに「子供を一人以上産めるから」というのもあるかなあと思います。
1人っ子政策、抜け道はあるみたいですよ。 まあ、でもほとんどの移民の理由は経済的理由でしょうけどね。
>Keiさん
>カースト制度にしてもぶっちゃけて質問したことありますが(未だに違うカーストとは交流しないの?とか)、うまくかわされてしまいましたね。。。
彼らに聞いてもあんまり答えてくれないですよね。 私はインドを大学院で勉強したシンガポール人に聞きましたが(彼はコンサルでインドによく行ってたし)、肌の色と名前でビミョーに見分けるらしいです。
>いつかインドに行きたいと思う今日この頃・・・。
ぜひ行ってください! お腹には気をつけて〜(って気をつけようがないか)