女性MBAの出産後のキャリア – 2

一昨日の続きでさらにサンプルが続きます。 ロンドンはどうしても金融が多いので金融以外の例もどうぞ。
6. アムステルダム在住日本人K、デンマーク人の夫との間に3歳と2歳の息子2人。
INSEAD後、アムステルダムでオランダ系電機メーカー勤務、出産後2回とも同じ職場に復帰。 夫は米系アパレル。
「オランダは本当に職・住環境がファミリー・フレンドリーで育てやすい。 アムステルダムにぜひおいで〜」
7. シンガポール在住シンガポール人M、シンガポール人の夫との間に4歳と2歳の娘2人。
家業のパームオイル・メーカーで父親の経営を手伝う。 住み込みメイド2人が家事・育児全般を担当(外食にも旅行にもメイド同伴)。 近くに両方の両親も住んでいるので(シンガポールは東京23区の広さ)、サンプルの中では最も余裕のある家庭。
8. シンガポール在住スウェーデン人S、デンマーク人の夫との間に5歳の娘と3歳の息子。
コペンハーゲンでブティック系コンサル勤務、パートナー(共同経営者)になるも夫と2人でアジアに住む夢を叶えるためシンガポールに移住、現在は独立コンサル。 夫は欧系海運業のExpat。
「子どもがいると人生のプライオリティーが全く変わる」
9. シドニー在住ベルギー人C、オーストラリア人の夫との間に4歳と2歳の息子2人。
INSEAD後、ロンドン・シティで英系大手銀行投資銀行部門に勤めるものの、Quality of Lifeを求めて夫の故郷シドニーに家族で移住。 しばらくfull-time mum(stay-at-home mumとも言う)を満喫。


まとめると以下のような傾向が。
1. 育休後、以前の勤め先に戻るのが王道。 復帰後の待遇・条件も交渉しやすいし、時間的拘束(コミット)が少ない部署への異動願いも聞き入れられる可能性が高い(1. イギリス人Sのケース)。 逆に、特に(前も書いたけど)ライフスタイル上の選択として国境を越えた移動をすると、夫のキャリアを優先することになり、妻の方のキャリアは一旦途切れることが多い(3. ベルギー人C、8. スウェーデン人S、9. ベルギー人Cのケース)。
2. 住んでいる場所で、小さい子どものチャイルドケアがいかに充実しているか(サンプルにはいないけれど、北欧・フランスのように政府補助のおかげで無料か極めて安価)、もしくは住み込みヘルプ(ナニー・メイド)が安価に利用可能か(7. シンガポール人Mのケース)、は復帰後フルタイムで続けられるかに影響を及ぼす。 ロンドンのようにチャイルドケアが高額で(→『ロンドン保育事情』)家族・親戚のヘルプが得られないと1人目出産後復帰しても「2人目の壁」にぶち当たる(子どもが2人いるとナーサリーやプリスクールが終わる時間が異なり、個別にベビーシッター/ナニーをアレンジしなければならない、4. ニュージーランド人Cのケース)。
3. 子どもが産まれて「仕事が続けられない」のと「今までのようなペースでファーストトラックで仕事をしたくない」のとは異なる。 「可愛い我が子が成長するところを見たい」という後者のケースの方が多い。 また、夫の給料だけで生活できるという家庭の経済事情がそれを許す(3. ベルギー人C、8. スウェーデン人S、9. ベルギー人Cのケース)。
この点については、それまでどんなにバリバリ働いていても、そしてそのまま働くつもりだったとしても子どもが産まれてから気が変わることは多いです(雇用する側から見れば迷惑なんだろうけど実際問題そう)。
子どもが見せてくれる成長の世界というのは本当に素晴らしく、仕事で得る満足感とは全く異なる種類の幸せ・満足感を味あわせてくれます(私も息子が産まれてきてから毎日「ありがとう、ありがとう」と本人に言っていますが、それでも言い足りないくらい)。 「人間の体って(自然って)よくできてるなー」、「こういう順番でこう発達していくのかー」と毎日新しい発見をし知的好奇心を満たしてくれます(約半年の育休を経て職場復帰したママ友達はみな「(赤ちゃんの成長のスピードに比べると)職場のあまりの変化のなさに愕然とする」と言っています、笑)。
自分の価値基準が、仕事を通じて得られる社会的ステイタス・金銭的収入とはかけ離れたところに移ることも多く(もちろん感じ方の個人差は大いにあり)、上記サンプルのケースではみな「キャリアを犠牲にした」とは思っていないんじゃないかなー?(このへんの男女差は気になるところですが、議論がズレるのでまた後日)
また子どもは自分とは別個体の独立した人間であり思い通りにいかないことも多いので(息子が通うナーサリーで、どうしてもナーサリーに馴染めず、職場復帰をあきらめたお母さんがいる。 産まれた赤ちゃんが病気で何ヶ月も入院、24時間つきっきりで看病という人もいる)、「どんな子でも自分の子」と腹をくくることも大事(→『妊娠・出産の心得11カ条』)。
私からGlobetrotterさんへのアドバイスとしては「プラン(計画)も大事だけど柔軟に」ってとこでしょうか。


4 responses to “女性MBAの出産後のキャリア – 2

  • Kei

    参考になりますね!そろそろ家庭が欲しいですし・・・。仕事も家庭もどっちが上か優先順位はつけ辛いですね(笑)。
    それにしてもさすがINSEAD、国際結婚が多いですね。国境を越える機会が多い家庭が多いですよね。

  • junko

    興味深く拝読。
    私の周りには、「親の教育方針が一貫していない~」とぼやいている女性が結構います。結婚前までは“勉強しろ、手に職つけろ”とキャリア形成を強く薦めていたのに、結婚・出産した途端に“よき妻・よき母であれ”になるんだと。(親の意見を聞く・聞かないは本人の自由だと思うが)
    日本だとまだまだ「良い結婚のためのキャリア形成推進」なのかなぁ?と思ったりもします。
    上記のMBA女性たちの娘さん達がどんな風に育てられるのか、も見ものですね。
    医療分野は比較的、復帰しやすい分野だとは思うけれど、それでも日進月歩なのでブランク後の復帰は躊躇する人も多く、様々な復職支援プログラムがあります。例えばコチラ(↓)
    http://www.twmu.ac.jp/CECWD/
    よくわかんないけど、MBA女性の復職支援ビジネスってのも結構ニーズがあるかもね~♪

  • la dolce vita

    >Keiさん
    >それにしてもさすがINSEAD、国際結婚が多いですね。国境を越える機会が多い家庭が多いですよね。
    そう言われてみれば・・・当たり前すぎて気づきませんでした。
    そろそろ卒業ですかー?
    >junko
    >結婚前までは“勉強しろ、手に職つけろ”とキャリア形成を強く薦めていたのに、結婚・出産した途端に“よき妻・よき母であれ”になるんだと。
    30過ぎて親の言うこと聞くのかー、というのが感想だけど、何も言わない親を持ってるからわからないのかも。
    あー、あと私の意見では「よき妻」と「よき母」は別物なんだけどね(「よき妻」ってどんなん? いつも家が綺麗とか? 笑)。
    >よくわかんないけど、MBA女性の復職支援ビジネスってのも結構ニーズがあるかもね~♪
    ロンドンは多いからそういうサービス聞いたことあるんだけど、あんまりうまくいってないみたい。 供給(flexible workingをしたい女性)は多いけど需要(そういう女性を求める企業)があまりいないらしい。 医者は足りてないからじゃない、やっぱ。 あと専門職だし。

  • Kei

    おかげさまで無事卒業して、欧州での内定も一つもらえました!
    今はあちこち放浪中です(笑)。先月まで一ヶ月ロンドンにいましたが、面接が入ったのでしばらくしたらまたいきます~。

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