女性MBAの出産後のキャリア – 1

HBS(Harvard Business School)留学中のGlobetrotterさんからだいーぶ前にリクエストをもらっていたのですが、お待たせしました・・・件名通りのお題です。
実は私「女性とキャリア」というトピック、苦手なのです。 リクエストが多いので、たまに書くのですが(類似エントリー→『MBA女性の10年後』『MBA女性の10年後 – 王道対策編』)、苦手な理由として、
1. そもそも限られた人生の時間をどう使うか、は女性だけではなく男性も持つ共通の悩み。 男性だって子どもが産まれたら、もっと一緒の時間が欲しい!と切望している(少なくとも私の夫は切望している)
2. 私自身はこういう(→『人生とはやりたいことを探し続けるプロセス』『究極のキャリアドリフト』)心境なので、長期のキャリア計画なんて全然ない
から。
・・・とは言え、サンプルは周りにいっぱいいるので今日はINSEAD同級生の例をご紹介。 全員30代女性、フランスのビジネススクールINSEADで6年前にMBA取得、過去5年以内に出産経験あり、です。
1. ロンドン在住イギリス人S、オランダ人の夫との間に3歳と1歳の娘2人。
英大手銀行の投資銀行部門にいたものの育休後、プライベートバンキング部門へ異動しプライベートバンカーに。 現在は週4日、8am – 5pmで働く。 夫はPE(プライベート・エクイティ)。 ロンドンからサリー州の実家近くに引っ越し、母親とベビーシッターのヘルプを借りてこなすものの、通勤に1時間以上かかるためダッシュで5pmにオフィスを出る毎日(娘の就寝後に1時間ほど家で仕事をすることも)。
「両立させるのは大変だがその価値あり、(子どもを産んだことは)私が人生でやったことの中で一番よかったこと」。


2. マドリッド在住スペイン人A、スペイン人の夫との間に2歳と9ヵ月の息子2人。
INSEAD後は米系戦略コンサル、独系銀行の戦略部門を経て、現在はスペイン大手銀行勤務。 スペインは昼休みが長い分、仕事が終わるのも7:30pmと遅い(あ、7:30pmってヨーロッパ標準では遅いのです)。 夫は英系銀行。 住み込みナニーと近くに住む母親が息子2人の面倒をみてくれる。
「両立は大変だけど、ヘルプがいるのでカバーできている」
3. 上海在住ベルギー人C、ベルギー人の夫との間に4歳の双子の息子2人と2歳の娘1人。
夫の上海転勤について5年前から上海。 双子を産んだ後、ベルギー系機器メーカーの中国現地法人でCFOを勤めるものの、娘の育休後、復職するが先日退職。 しばらくは子育てに専念するつもり。
「住み込みナニーはフィリピン人(英語)、ナーサリーは中国語と英語。 母国語のフランス語は家庭でしか身につかないので子どもたちがフランス語に触れる時間を増やしたい、成長するところも見たい、上の2人は長く育休を取ったのに下の娘は長く一緒にいてあげられず罪悪感を感じる。 女性がキャリアを続けたいという選択をすることは尊重するけど、私は一旦リタイアすることで満足。」
4. ロンドン在住ニュージーランド人C、ニュージーランド人の夫との間に2歳の息子1人と1歳の双子の娘2人。
英系大手銀行の投資銀行部門で働くものの1人目育休中に2人目妊娠(しかも双子)。 3人の小さな子どもの面倒をみてくれる住み込みナニーが見つからず勤務先は退職。 夫は投資銀行。 現在、住み込みナニー+自分がフルで育児をしている。
「再び働きたいけど3人いるとLinkedInをアップデートしたりCV書いたりする時間もない・・・」
5. ロンドン在住ブラジル人C、フランス人の夫との間に1歳の娘1人。
INSEAD後、英系大手銀行に勤めるが仕事の内容が合わずに退職。 再就職しないまま娘を出産。 夫は仏系投資銀行。 通いのフルタイム・ナニーが主に育児を担当。 仕事のギャップ期間が長くなったため、全く違う分野(プロパティー・ディベロップメント、日本風に言うとマンション・アパートのリノベーション)で独立しようと現在、最初のプロジェクトとして自分の居住用物件のリノベーションをプロジェクト・マネジメント中。
「”employable”でなくなってしまったので起業するしかない」 (→参考:『誰も雇ってくれないから起業する』
ふーー・・・長いですが、まだ続きます。


5 responses to “女性MBAの出産後のキャリア – 1

  • NS

    こんにちは。 私自身も、度重なる国境を越えた移動の結果、キャリアドリフトし続けている最中ですが、、
    ご参考までに、私のClass of 97、MBA後13年の子持ち女性の状況をシェアさせていただきます。
    よく連絡を取っている友人の中で、子持ちは私を含めて7名。 全てアメリカ在住。 子供は乳児~小学生。
    うち、同じ会社に勤務して出世を続けているのが2名(銀行とコンサル)。 1人は住み込みナニー有。 
    出産と同時、または間もなく、に会社勤めをやめたのが5名。 うち専業主婦を経て現在自営が2名。現在も専業主婦は3名。
    子育てで会社勤めを辞めた人たちの理由は、両立できないというよりは、我が子のせっかくかわいい時期、できるだけ一緒にいたい!という希望があり、配偶者の状況からそれが可能だった、というのが多いです。 ただ日本と同じで、一旦大きな組織の出世レースから降りてしまうと、またそこに戻るのは至難。 ワークバランスを犠牲にしてファーストトラックに戻るか、スロートラックで良いと割り切って戻るかの2択になります。 仕事を続けながら自分のペースを作って行く方がその点ではスムーズかもしれませんね。 

  • Playland

    こんにちは。アメリカで普通の(プロフェッショナルサービスファームでもスタートアップでもない)上場企業で働いているので、ご参考になればと思い、周りの状況をシェアさせていただきます。キャリア系やマネジメントもMBAホルダーでない人が多く、元コンサル、投資銀行の人も多少いて、女性が全体の7-8割です。
    就職活動については、産休はあんまり関係ないと思います。そもそもレジュメ上には書きませんし、もしunemployedな時に産休を取ってギャップがちょっと長くなるとしても、他の求職者も2-3ヶ月のギャップがある人は多いのであまり差はないと思います。また、インタビュー中に聞かれることはありませんし、入社後しばらくして、デスクの上に写真とか置き始めて、家族構成がわかる場合が多いかと思います。
    入った後にうまくいくかどうかは、いくつかの要素によると思います。1つは、それまでの経験がどれだけ新しい仕事にマッチしているか、その経験の中でどれだけ成功してきているか。例えばですが、ブランドマネジメント未経験者がMBA後、CPGの会社にはいって最初の半年とか1年に産休で離れたり、フレキシブルな仕事の仕方を追求しようとすると、ちょっと工夫か運が必要かもしれません。2つ目は、その仕事をこなせる人材がどれだけ希少か。またまた例えですが、ラグジュアリーブランドのダイレクトマーケティングの実施・分析経験者、みたいな職種の人材が同業他社に行ったケースとか。逆は投資銀行のMBA卒アソシエイト1年生とか?。3つ目は、時間的なコミットメントがどれだけ重要な職場・ポジションか。例えば、投資銀行とかコンサルとか、他にもB2Bで、個別の顧客の重要性が相対的に高い業界とか?想像ですが、想定していない時間でもクリティカルな問題に対応しないと顧客のビジネスが立ち行かなくなるようなサービス・商品とか。

  • la dolce vita

    >NSさん
    シェア、大変ありがとうございます。
    >子育てで会社勤めを辞めた人たちの理由は、両立できないというよりは、我が子のせっかくかわいい時期、できるだけ一緒にいたい!という希望があり、配偶者の状況からそれが可能だった、というのが多いです。
    その通りですね、特に赤ちゃんは起きている時間が短いので働いていると本当に一緒に過ごせる時間が少ない、とつくづく感じます。
    >globetrotterさん
    >リクエストに応えていただきどうもありがとうございます!
    どういたしまして〜
    >出産+少しのギャップは就職活動の際にどれだけのマイナスになるのだろうかと・・。たとえ仕事をゲットできたとしても、ポジション・給与面である程度妥協しなければならない場合が多いのでしょうか。
    続編に書いたとおり、以前と同じように時間的にdemandingで常にavailabilityを提供しなければならない仕事を探そうとした人がサンプルにいないのですよ(前と同じペースで働きたくないから前の仕事を辞めているわけで・・・)
    上に書きましたが、例えば私の息子は毎日夜7:30〜朝7:30まで寝ます。 これをこっち(↓)に書いたハード・コア系のような働き方をすると週末しか起きている姿を見られません。
    http://www.ladolcevita.jp/blog/global/2010/10/post-355.php
    子どもは毎日、毎日できることが増えていくので、週末しか見られないのは我が子の成長をコマ送りで見てるみたいなもんですね、しかも最も可愛いと言われる初めの3年間に。 これを良しとするかどうかは本当にそれぞれの感じ方次第だと思います。
    また、Playlandさんが書いてらっしゃいますが、アメリカではインタビューでギャップ期間につき聞かれないかぎり言う必要ないのかもしれません。 このへん、たぶんヨーロッパとは違います。
    >Playlandさん
    シェアありがとうございます。
    >そもそもレジュメ上には書きませんし
    >インタビュー中に聞かれることはありませんし
    さすがアメリカですね。 スウェーデン人の友達が言っていましたが、北欧ではレジュメに書くし聞かれるそうです。 この話、面白かったのでいつか書きたいと思います。
    >入った後にうまくいくかどうかは、いくつかの要素によると思います。
    1, 2, 3はおっしゃる通りだと思います。
    >3つ目は、時間的なコミットメントがどれだけ重要な職場・ポジションか。
    特に3.はプロフェッショナルファームはクライアントに対していつでもavailableであることを求められますね。 up or outのシステムで常に姿勢を試されているプレッシャーもありますし(別にavailableであればupできるわけでもないですが)。
    また女性の多い職場というのは女性が続けやすいだけの理由があるのだと思います(プロフェッショナルファームはやっぱり上の方はほとんど男性です)。

  • globetrotter

    la dolce vitaさん、コメント及び続編ありがとうございます!
    PlayLandさん、情報ありがとうございます!
    最近、周りの友達が続々と出産をしていて、「産んだ後は世界観が変わる」「この世に産まれてくれた最愛の子を育てることが自分の一番のミッション」と口々に言うのをきき、自分も出産後、そんなふうに意識が変わるんだろうなーと思う反面、今まだオプションがあるうちに、出産後できるだけ選択肢が広がるようなキャリアを卒業後に選んだほうがいいのかなという思いにゆれている感じです。計画的にやりたいというよりは、逆に、何が起こるかわからないからこそ、オプションがあるならば将来的により柔軟に対応できるような方向を選んだほうがいいのかなー、という感じです。
    PlayLandさんが挙げていた3つの要素は、もっともですね。特殊な技能や組織にとらわれないポータブルなスキルを持つ人はやはり強い。特にシリコンバレーの優秀な女性プログラマーなどは。家から仕事することも全然OKだし、30-40代の熟練プログラマーは子供がいるのが普通だから、子持ちにやさしい労働環境だし。うらやましくみていました。その点、ビジネスの分野ではより難しいですね。
    産休前後の職種の連続性というのはとても重要ですね。周りの20代半ばぐらいの同級生が、「とりあえず投資銀行、とりあえず戦略コンサル」と言っているのをみては、私はもう「とりあえず」と言っていられる年ではないのだーと思っています。投資銀行などのface timeがかなり必要とされる職種は、連続性の観点からはじめから自分にとってはアウト。産後も何とかやっていける労働時間+柔軟な労働環境で、かつ、将来転職することになってもある程度のポータブルなスキルを磨けるようなような分野とは・・・と考えています。
    さて、どうなることか・・。結構いいかげんな性格なので、最後は勘で決めそうですが。

  • la dolce vita

    >globetrotterさん
    >ビジネスの分野ではより難しいですね。
    たしかにソフトスキルが重要でcontext(その企業内での経験)も大事なビジネスの分野は、シリコンバレーのプログラマーのようにはいかないですねー 上の方になるとやっぱりpromotion from within(内部昇進)が多いし。
    >産後も何とかやっていける労働時間+柔軟な労働環境で、かつ、将来転職することになってもある程度のポータブルなスキルを磨けるようなような分野とは・・・と考えています。
    結局、好きな分野・自分のエッジを伸ばすのがいいのでは? 「投資銀行 or コンサルが好きで、好きで」って人、ほとんど聞いたことないし(笑)

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