持ち家志向の強いイギリス人ですが(*1)、日本のようにマイホームを35年ローンで買ってそのまま住み続けるのではなく、年代に応じて部屋数の大きい家やフラットに次々と買い替えていきます。
*1・・・持ち家率はイングランドで70%、ロンドンで57%(Housing and Planning Statistics 2009)。 日本は全国で61%、東京都で45%(都道府県,住宅の所有の関係別住宅数,持ち家住宅率)
この次々と上の物件に買い替えることをProperty Ladder(不動産のはしご)と言い(その名もズバリ“Property Ladder”という人気テレビ番組もある)、20代で小さなフラットを買うことから始める人が多かったのですが、近年の不動産価格の上昇で(特にロンドンでは住宅価格が90年代半ばから10年で3倍に高騰)若い人に手が出なくなる一方で、高騰する前から買い、着々とProperty Ladderを昇っている人もいます。
一昨日書いたように(→『古い家ほど人気なマイホーム』)、基本は中古物件で種類も決まっています。
Detached House・・・一戸建ての家。 多くの人の憧れであるがもっとも高く、ロンドンにはほとんど存在しない(次ページ参照)。
Semi-detached House・・・一軒の家を半分に割った左右対称の2軒続きの家。 左右で壁の色が違う家も。
Terrace House・・・3軒以上がつながった連続住宅。 イギリスは他ヨーロッパ諸国と比べてもテラスハウスが多いのが非常に特徴的(右の写真はイズリントンのジョージアン様式)。
ここまでが家(ハウス)で以下はフラット(アパート)。 一番の違いは地面に面していて庭があるかどうか。
Purpose-built Flat・・・日本のアパート・マンションのような集合住宅。
Conversion Flat・・・間取りの大きな家を階ごとに区切り、改造してフラットにしたもの。 一見して家と区別がつきにくいが、入口のドアについているベルの数で、世帯数がわかる。
参考:ジャパンホームズ – 住まい探しの基本、イギリスの家
ロンドンの住宅のタイプ内訳。
Detached House 5%
Semi-detached House 18%
Terrace House 32%
Purpose-built Flat 32%
Conversion Flat 11%
(Communities and Local Government : Housing and Planning Statistics 2009より)
初めは街中の小さなフラットを買い、郊外の広めの家に住み替えて、田舎の大きな家でのんびりガーデニングしたり野菜を育てて暮らすのが夢という人が多く、最近のポンド暴落前は強いポンドで南ヨーロッパの田舎に家を買うイギリス人退職者が大量に現れました。
私たちのフラットの大家は推定年齢30代後半、数年前までは私たちのフラットに自分たちで住んでいたのですが、現在はさらに車で30分の郊外に引っ越し、着々とProperty Ladderを昇っているようです。
何となくゲームのMonopolyを思い出しますね。
さらに詳しく知りたい方はこちら →イギリス人に学ぶ”住宅の楽しみ方”
August 25th, 2010 at 1:34 pm
おぉ~とうとう!マイホーム購入って色々と勉強しないといけないこと多くて大変だけど自分のライフプランを見直す良い機会になるよね。
間取り図フェチの私としては、どの家も同じような間取りというのは悲しい・・・>。<
けど古い家を自分好みに改造できるのは楽しみだね☆いつか絶対遊びにいくわ~♪
August 25th, 2010 at 2:50 pm
葉子さんこんにちは。3ガスタンクです。OFF会案内ありがとうございました!
(そして、ついにブログを始めてしまいました。)
家は購入PLANしている時が一番楽しいですよね!
日本では
賃貸派VS購入派
一軒家VSマンション派 (最近はイノベーション、リノベーションも流行り)
郊外派VS都会派
新築派VS中古派
等、価値観が分かれるところですが、
我が家は、購入派、マンション派、都会派、中古派です。
ちなみに、Property Ladder2回してます。。。ははは。。。
日本だとあんまり普通じゃないんで、経験を話せる人もいないのが寂しいもんです。
August 25th, 2010 at 11:04 pm
京都でも西陣小など、人気の公立の小学校に入るために、教育熱心な親は引越しをする風潮が出てきているようです。テラスハウスなんていうのは、古い町屋と似た感じだね。町屋(といっても木造なので築年数には限界ありそうだけど・・)を改築して住む若い夫婦が増えてきていたりもして、ロンドンと京都、似通った部分がありそうな気もするけれどどんなでしょう??それにしてもロンドン行ってみたいものです☆
August 26th, 2010 at 12:21 pm
la dolce vitaさん、
ドイツに居る時、やはり小学校の水準と地域は色々と格差があり、水準の高い地域は不動産も高くなる傾向がありました。また、私が居た地域はドイツでもかなり古い地域で、他の地域のドイツ人が「私は溶け込めない」と泣き言を言う場合もあったくらいで、逆に人気も高かった(要は安全で文化的な地域)。で、ドイツ人も一戸建てというのはかなり高いハードルのようで、一般的には集合住宅が多いですね。あと、一軒家の場合、かなり自分で作ることが多かったように思います。さすがに水周りだけは業者に頼んでいましたが、あるお客(これはオーストリア)は、「今日さ、レンガ積むから昼帰るんだよ」と言ってそそくさと退社していました。
で、日本に帰る時もやはり学区の評判を気にしましたが、子供は何のことはなく当日に友達と遊んでました。まあ引っ越しなれしているので強くなったのでしょう。ただ、日本の場合この学区での水準の高さが逆に曲者で、平均学力が高いがために、相当優秀にならないと内申が稼げず、高校進学で振り落とされるということもおきます。これは内申重視の神奈川県に特有のようですが、これはわからなかったなあ。
結局、同じ学区で一軒家を7年前に購入したのですが、購入計画も何もなく、正月に風邪で寝込み→学区で良い物件発見→翌日不動産屋に電話で下見→その場で「くれます?」「お金があればね」という会話→すぐに金策及び実家の両親を呼んで物件の点検(実家が大工なんで家と土地に不具合がないか見てもらった)→仮契約と約一週間で決めてしまいました。それでも、結構人気な土地なので、今でも「売ってくれ」という広告の価格は買ったときと同等でこの不況でも殆ど下落していないです。もうローンも殆どないんで、どうとでもなるんですがそれこそLadder登りに興味がなく、子供が独立したらむしろ狭いマンションに引っ越したほうがいいかな?とLadder下りでもしようかな、と思っています。
August 27th, 2010 at 5:19 pm
>junko
>間取り図フェチの私としては、どの家も同じような間取りというのは悲しい・・・>。<
へー、いろんなフェチがいるんだねー うちの夫もいろいろこだわりがあるようよ(VictorianかGeorgianじゃなきゃ嫌だとか)
>いつか絶対遊びにいくわ~♪
ぜひ来て! 子どもの年近いし、早く一緒に遊ぶところが見たい〜☆
>3ガスタンクさん
>OFF会案内ありがとうございました!
楽しかったようですね! 私も日本に帰りたい〜
>ついにブログを始めてしまいました。
拝見しました。 いきなり私のブログが出てきてお恥ずかしいかぎりですが・・・
>ミナコ
>京都でも西陣小など、人気の公立の小学校に入るために、教育熱心な親は引越しをする風潮が出てきているようです。
へー、へー。 すっかり京都の人のようで・・・ 子どもも京都っ子になるんだねー
>ロンドンと京都、似通った部分がありそうな気もするけれどどんなでしょう?? それにしてもロンドン行ってみたいものです☆
そうねー、日本で一番好きな街が京都だから自然と似てる街を選んでるのかもね。 ぜひ来て来て〜♪
August 28th, 2010 at 10:16 am
>ドイツ特派員さん
>一軒家の場合、かなり自分で作ることが多かったように思います。
そうそう、そういうイメージです、ドイツと北欧。
>日本の場合この学区での水準の高さが逆に曲者で、平均学力が高いがために、相当優秀にならないと内申が稼げず、高校進学で振り落とされるということもおきます。
イギリスもそうですが、イギリスの場合、リーグテーブルといって全高校のレベルまで公表するので、それも加味して判断されるんですね。 透明だけど、評価される側の高校も大変。
http://grammarschool.cocolog-nifty.com/blog/2006/12/league_table_39d2.html