グローバル学生争奪戦

『国の価値観と個人の価値観』に書いたように、子どもの教育のことも考えてイギリスにやってきた私たちですが、もちろん大学以上の高等教育のことも視野に入れています。
top10_universities.jpg先週のThe Economistでは世界中の大学が(特に新興国の)トップ層の学生を奪い合う現状の中、「イギリスの大学、今まではまあまあうまくやってきたけど、これからも大丈夫?」と今後の大競争に向けて注意を喚起するもので非常に面白かったのでご紹介。
The Economist : Foreign university students – Will they still come?
右の表が2009年の世界の大学ランキング(上海交通大学が毎年発表するもの、ランキングのフル・バージョンはこちら)。 以前も『教育における重要な変化』に書きましたが、トップ20の顔ぶれはほとんどアメリカとイギリス。
以下、記事の中で面白かったポイント。

出身国以外の国で高等教育を受ける学生の人数はうなぎ昇り(特に裕福な中国人とインド人)。 その数は現在は1980年の3倍になっている。 ただし、その行き先の内訳はアメリカ・イギリスと昔から優秀な外国人学生を惹きつけてきた国はシェアを落としており、他国との激しい競争にさらされている(右の表)。

internaitonal_students_university.jpg徐々にシェアを落としているアメリカやイギリスに替わり、英語圏の利点を活かしてシェアを伸ばすオーストラリアとカナダ。 オーストラリアは最新の設備、アジアの学生にとって地理的に近い立地を活かすが、去年相次いで起きたインド人学生を狙った暴行事件でインドからの留学生が大幅に減少した。 カナダへはアメリカの大学に行きたいが厳しくなった学生ビザ取得や高いコストなどの理由であきらめた層を取り込んでいる。 ドイツやフランスなど非英語圏も健闘しているし、かつては留学生を輩出していた国、シンガポールやマレーシアも地域の教育ハブとして外国人学生を呼び込んでいる。

どこの国でも自国の学生の学費は税金で補助しているが、外国人学生はフルの学費を払わなければならず、その収入はバカにならない、高等教育は一大産業となっている。 外国人学生にとって留学コストは高額で、大学1年間にかかる費用は、Imperial College(ロンドン):学費£20,750、生活費£14,000、Harvard University(ボストン):学費£22,000、生活費£12,000、University of Sydney(シドニー):学費£20,000、生活費£12,000。

シンガポール政府は積極的に高等教育機関の誘致を行っており、私が行ったINSEADがアジアキャンパスをつくる際に日本は早々に候補地から落ち最終的にシンガポールに決定したことは『INSEAD誘致失敗で失ったもの』に書きましたが、日本だけ学生を送り出す方も受け入れる方も蚊帳の外なんでしょうか・・・?


9 responses to “グローバル学生争奪戦

  • Kyoko

    もう日本なんて見捨てたら楽になれるのでは?故国だからと下手に構って、どっちつかずよかよほどマシでしょう。駄目なら駄目で見切るほうが、ウダウダよかこのグローバル世界ではまだマシです。

  • さいとう

    はじめまして。
    Imperial Collegeを数年前に卒業した者です。
    私がいたころより、学費が上がってますね。
    ただポンド安の影響で円に換算すると反対に安くなってますが。
    小・中→日本の公立、高校→イギリスのボーディングスクールでGCSE,A-level、という道できた私にとってこのブログはとても興味深いです。
    これからも楽しみにしています。

  • ne_mo

    >どこの国でも自国の学生の学費は税金で補助しているが、外国人学生はフルの学費を払わなければならず、その収入はバカにならない、高等教育は一大産業となっている。
    実際はそうでない国があるのでは?と思いコメントを書いていたら長くなったので自分のブログに書きました。相手国の税金で勉強すれば安上がりでは?というものです。暇なときにどうぞ。

  • しん

    「留学生30万人計画」と言うことを日本もし始めてましたが、
    http://www.mext.go.jp/b_menu/houdou/20/07/08080109.htm
    政権が変わり予算がおりなくなってきたようで。
    国を挙げて取り組むのがちゃんと出来ないのが、日本の最大のネックの一つかも。

  • la dolce vita

    >さいとうさん
    はじめまして、コメントありがとうございます。
    >小・中→日本の公立、高校→イギリスのボーディングスクールでGCSE,A-level、という道できた私
    中学から高校のジャンプがすごいですね。 またいろいろと教えてください。
    >ne_moさん
    >相手国の税金で勉強すれば安上がりでは?というものです。
    ありがとうございます。 Twitterでもフランスやドイツ在住の人から学費タダだというコメント頂きました。
    英語圏の国の学費が高額なのはいろいろ理由があるのでしょうが。
    >しんさん
    >政権が変わり予算がおりなくなってきたようで。
    >国を挙げて取り組むのがちゃんと出来ないのが、日本の最大のネックの一つかも。
    ふーむ、なるほど。 やること多すぎて優先順位下がっちゃったんですね。

  • -hiraku-

    理系の場合はアメリカだと、外国人であっても9割がた、教授からの給料で博士号が取れますよ。
    最近、↓こんな団体を作りました。日本の大学を踏み台にして、ぜひたくさんの学生に海外のトップスクールで学んできて欲しいです。
    http://gakuiryugaku.net/

  • la dolce vita

    > -hiraku-
    >最近、↓こんな団体を作りました。日本の大学を踏み台にして、ぜひたくさんの学生に海外のトップスクールで学んできて欲しいです。
    へー、へー、ブログで紹介していいかしら?
    っていうか、-hiraku-ちゃんが自分のページ持ってるって初めて知ったわよ。

  • -hiraku-

    ・ぜひ紹介してください。取材にも応じます(笑)。
    ・「アメリカだと」というのは、「アメリカの大学院だと」の意味でした。Ph.D.コースはたいてい学費免除で給料が出ます(=Research Assistantship: RA)が、大学によっては修士課程からRAがあるところもあります。
    ・最近出た↓この本がすばらしく、つねづね学生に薦めています。
    http://www.amazon.co.jp/dp/4757418566/
    ・他には、学部からの留学を薦めるこんな本もあります。(これも先月出たばかり。)
    http://www.amazon.co.jp/dp/4887598262/
    ・米国の大学院へ留学する日本人数が減っているということで、そのことに対する危機感を共有するメンバーで「米国大学院学生会」を作りました。

  • la dolce vita

    >-hiraku-ちゃん
    >ぜひ紹介してください。取材にも応じます(笑)。
    りょーかーい! サイト見て今週中を目処に書くけど、他にも熱いメッセージがあればメールでも何でも送ってくださーい♪

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