国境を越えた大気汚染

昨日ヨガの先生が、「散歩やランニングを日課にしている人は、ちゃんとヘイズ予報をチェックしてひどい日は外に出てはダメよ」と言ってました。
haze.jpgほとんど天災のないシンガポールですが、毎年この時期はヘイズ(haze)の時期です(ヘイズは人災)。
ヘイズとはインドネシアでの焼畑農業や山火事などが原因で起る煙害で、煙が風で運ばれ大気が汚染され、ひどい日は外が視界不良となります。
National Environment Agency(シンガポール環境局)が毎日PSI (Pollutant Standards Index) と呼ばれる汚染指数を発表しており、101を超えると体に悪いのだそう。 300を超えると学校が休みになります。
NEA : Ambient Air Quality
散歩やランニングをしてはいけないほどひどい日もあるのか・・・ 気づかなかった私は鈍すぎ???
元々、超空気の悪いエリアに住んでいるので(理由下記)、あまり気づいてませんでした。
– 飲食店の多い繁華街に住んでいる(常夏の飲食店街を想像してください、笑)ので常時臭い
– 近所で地下鉄駅建設と高速道路延長の工事をかれこれ2年くらいやっているので粉塵がすさまじい
– 今月はハングリー・ゴーストと言う日本のお盆にあたる季節のため、街中で紙(のお供え物)を燃やしているので、外に一歩出るだけで服に煙の臭いがつく


このヘイズ、インドネシアのカリマンタン島やスマトラ島の焼畑農業の火が森林に移って火事になるのが原因なので、すこぶる迷惑な話です。 もちろん国際問題に発展しており、インドネシア政府は焼畑農業を禁止しているのですが、業者と癒着した地元政府には中央政府のコントロールが効かず実効性があがっていないとのこと(マレーシア・インドネシアの森林伐採についてはこちらも参照)。
お年寄りや喉が弱い人は非常に辛いそうですし、子供は喘息になりやすいそうです。 私は鈍いだけに知らない間に体内に蓄積しているかと思うと怖い。
日本にいると直接国境を接している国がないため、隣国の環境汚染の影響は普段から意識することはあまりないような気がしますが(中国からくる黄砂くらい?)、世界ではヨーロッパの化学物質による河川汚染、アジアの大気汚染、中国発の酸性雨、先進国から途上国に投棄される有害廃棄物など枚挙に暇がありません。
ところで、話は飛びますが、これ以上、環境を汚染し自国民の健康を損ないながら経済成長を続けることは無理と認識した中国政府が一気に環境テクノロジー投資に舵を切った、とトーマス・フリードマンが最近NY Timesのコラムで書いていました。
NY Times : Have a Nice Day
NY Times : The New Sputnik
「新スプートニク」と名付けて、旧ソ連が打ち上げた世界初の人工衛星が米ソ宇宙技術開発競争の始まりとなったことになぞらえ、米中間の環境技術開発競争を始めるべきだ、とも。 興味深いですね〜
私も地球環境問題を解決するのは基本的にはイノベーションだと思っています。 早くへイズも解決してほしいものです・・・


2 responses to “国境を越えた大気汚染

  • まつーら

    そういえば昔、日本でも光化学スモッグ警報ってありましたよね?
    なんかスモッグ警報のときは学校に黄色い旗が出てて、
    学校で遊んでたら早く家に帰りなさいって言われたなぁ。
    でも、家帰ったあと荷物だけ置いて、そんなの関係ねーっつって
    また外で遊んでましたけどねー。

  • la dolce vita

    >まつーらさん
    >なんかスモッグ警報のときは学校に黄色い旗が出てて、学校で遊んでたら早く家に帰りなさいって言われたなぁ。
    ぜんっぜん知らないですよ。 神戸の小学校? そんなにスモッグすごかったんですか?
    私、小学校は奈良と名古屋だけどそんなのなかったけどなー・・・

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