セクハラの境目

最近のlat37nさんのブログでlat37nさんが職場で「今日疲れてますね?」「アイラインまで、ブルーマンデーって感じですよ」と言われたことに対し、コメント欄で「職場でその発言はセクハラだ」とあったのを読みながら、セクハラについて思っていたことを少々。
結論から言うと、私は職場でこれ言われても気にならないでしょうねー、あくまで「私は」ですが。
新卒で入社した総合商社では部署初の女性総合職でした。
「彼氏はいるのか?」「痩せた?(太った?)」他あらゆる同類発言は日常茶飯事。 それでも、おじさま、おにいさま達の「部署初の女性だー♪ ちゃんと面倒見てあげなきゃ」的な面倒見の良さが痛いほど伝わってきたので、「あー、本気でよかれと思って言ってるんだろうな、この人たち」と思っていました。 だから「はいはい、あなたたちに面倒見てもらわなくても、ちゃんと自分で何とかやってますよ」と思っていたし、あんまり気になりませんでした(もちろん、しつこすぎるときはウザいと思ってたけど)。
一方、ある日連れていかれた某メーカー社長の接待の場で、接待相手の社長にチークダンスを強要されたとき、間に入ってとりなし諌めてくれなかった上司には帰りのタクシーの中で激怒しました。 部下を救わないのは明らかに管理者責任放棄である、と。
要はセクハラって受け取り手がどう思うかなんですよね。
嫌な人には何されても嫌なのである(チークダンスってのは誰にされても嫌なので、例が悪いけど)。


時は流れること10年。
その間に日本企業では「セクハラ研修」なる社内研修も進み、おじさまたちにも「こういう発言をしたらセクハラに該当するかもしれない」という事例だけは何とか刷り込みされました。
その結果、こんなことが。
私は去年3月に友人たちとノリで10kmマラソンを走ることになり日程がたまたま自分の結婚式の1週間前。 それまで定期的に走ったことがなかったので、マラソン日に向け2日に1回走り始めました。 そのトレーニング期間中、職場のいつもお世話になっている年配の人に「最近やつれてない?」と聞かれ、「あ、最近走ってるので」と答えていたのですが、マラソンも結婚式も無事に終わった後日、「みるみるやつれていくので、結婚式前に何かあったかと思ったけど、セクハラになると思って聞けなかったよ」と言われました。
私はその人に聞かれても気にしなかったと思うので、「発言以前の人間関係が構築できているか、普段のコミュニケーションが取れているか」であり、発言内容の是非ではないのだと思います。
真の問題は、
1. 人間関係が構築できていないこと
2. 構築できているかいないかを見極める力(見極める気)がないこと
3. 相手がその発言をどう受け止めるかを想像する力(想像する気)がないこと
ではないでしょうか?
昨日のエスニック・ジョークの話も然りですが、「自分が言われて嫌なことを相手にも言わない」という5歳くらいから教えこまれてきたことを、なるべく相手の立場に立って想像力を駆使しながら経験で学んでいくしかないのかなあ、と。
なので、私はセクハラ事例をいくつも覚えてビクビクしながら雑談もできないような職場も苦手ですし、訴訟を恐れるあまり過度にpolitical correctnessに走る社会も苦手です。
「最近、体調悪そうにしていても、おちおち声もかけられないんだよなー」と言う声を聞いたので、書いてみました。


7 responses to “セクハラの境目

  • lat37n

    あはは、ありがとうございます。
    そう、受取手が決めるのがセクハラなんですよね。いった人のキャラクターで許されること・ダメなこともあるし、このへんが男性には線引きが難しいよとぼやかれる理由でもあるでしょう。
    ちなみに、私は、日本での最初の職場が「打ち上げでコンパニオンさんをあげて遊ぶ」とか「男性陣が水着写真をパソコンのスクリーンセーバーにしている」というところで(普通の監査法人だったんですが・・・)、でも、クライアントでお酒の席で私に絡む人がいると上司はかばってくれたし、そもそもあまり職場で自分の女性性みたいなの意識してなかったので、そこまで気にしてませんでした。しかし、今はあのカルチャーは変わっていてほしいかな、と思う。Boys Clubであることを是とするような職場は、同じタイプの人ばかり集まって不健全になるしね。
    その後はアメリカなのですが、昔々にかいたけど、アメリカで受けたセクハラ研修(管理者むけ)はこんな感じでした。
    http://lat37na.exblog.jp/3919210/
    延々とケーススタディして、結局、ケースバイケースなので、状況と、その人との関係と、周りがどう思うかをよく考えようという考え方の練習という感じ。顔色とか、太った、やせたについてmetionしちゃだめとか、そういうがちがちのものではなく、その行動や発言がその人と自分との関係において適切か、それを判断しろというもの。アメリカってダイバーシティが高いところだから、これはだめ、あれはだめっていうRegulation Basisでこういうのマネージできないんでしょう。(女性上司による男性へのセクハラ、とかも当然あるしね)
    なので、まさにla dolce vitaさんおっしゃる
    1. 人間関係が構築できていないこと
    2. 構築できているかいないかを見極める力(見極める気)がないこと
    3. 相手がその発言をどう受け止めるかを想像する力(想像する気)がないこと
    というところに落ちないような運用をするんだと思いました。
    なんとなく思うのが、それが結構むずかしいので、結果として妙に厳しく運用しちゃったのが日本の一部の企業かも、とたまに思います。私も「セクハラ事例をいくつも覚えてビクビクしながら雑談もできないような職場」は苦手だなー。

  • カカポ

    セクハラの基準って難しいですが、私は
    「その女性と同年代の男性部下に対して同じことができるか(同じ発言ができるか)」
    という基準が判りやすいのでは?なんて思っちゃいます。
    男性とチークダンスなんて踊りたいとは思わないでしょうしね。

  • la dolce vita

    >lat37さん
    すごーい、アメリカのセクハラ研修! 私、全然正解できないかも(笑)。
    >私は、日本での最初の職場が「打ち上げでコンパニオンさんをあげて遊ぶ」とか「男性陣が水着写真をパソコンのスクリーンセーバーにしている」というところ
    結構すごいですねー 私も接待でフィリピンバーや銀座のクラブについて行ってたけど(「社会勉強として来てみる?」って感じだったので行った)。
    私の今の仕事関係の周りはイギリス人&オージーばっかりで当然(?)セクハラとかないんだけど、最近、イギリス人のクライアント(広告代理店の社長なんだけどクリエイティブ出身、というか今もクリエイティブ)に会ったとき(数回目)に、両頬にbise(なんて言うんんだろう?頬づけ?キスの軽いやつ?)されたんですよね。 彼はそういうことしそうなキャラなんだけど(ゲイではない、奥さんがいる)、普通イギリス人ってそういうことしないんで、夫に聞いてみたら「うーん、クリエイティブだからいいんじゃない?」という私と同じ反応でありました。 難しいですねー・・・
    >カカボさん
    >「その女性と同年代の男性部下に対して同じことができるか(同じ発言ができるか)」
    うーん、私はちょっと違うかなー
    明らかに男と女って違うのに同じ反応するのそれこそ変じゃない? 髪切って密かに気づいて欲しい女の人はいっぱいいると思うけど、髪切って気づいて欲しい男の人はいないと思うよ。 気づいて欲しそうな女の人には気づいてあげるほうがいいと思うんだけど・・・

  • ドイツ特派員

    la dolce vitaさん、
    しっかしチークダンスというのも凄いですね。その取引先のおっさんもアホじゃなかろうか?というのは「そんなことして楽しいか?」というのと、「そんな危険な(セクハラで訴えかねられない)ことするか?」という両方においてですが。私は男ですが、そんなことして楽しいとはとても思えないですね。私なら、逆に仕事なんぞ離れたところで好き勝手させてもらいます。
    セクハラでは無いのですが、例えば産休を取って復帰した人には、向こうから言わない限り「子供どう?」とは聞けないですね。何か死産や障害があったらどうしよう、と思うことが多いです。
    ということで、シンガポールに行くことになりそうです。

  • AK

    今日イギリスから日本に到着、その足で早速憧れの(?)lat37nさまと初対面を果たしました。
    職場での人間関係構築ができていて、愛されキャラになっているようで安心しました。
    あんまり本文と関係ないですけどね、以上です、はい。
    1年ぶりに日本で飲むお酒の美味しいこと!
    10月に会いましょうね~。

  • haustin

    うーむ。アメリカの会社の経験が私の職歴の半分以上なので、La dolce vitaさんの鍛えられ方を見ると、すごいなーと思います。
    でもおっしゃるとおり、人間関係の深さ、あとは職場の立場関係によって、聞かれる内容は違いますよね。上司が余り変なことを聞いたり強制すると、パワハラになりかねませんし。とはいえ、パワハラ、という内容は、カリフォルニアでMustの、ハラスメント研修(年1回)とダイバーシティ研修(年1回)では聞かなかったですけど。エコノミックハラスメント(待遇を盾にする)の部分がおおかったかなぁ。。。
    アメリカの職場って、淡々としてる部分があるかと思えば、会議中のスモールトーク好きだし、ちょっとでも仲良くなったら、子供はいつ?とかすぐ聞いてくるし(仕事のしがらみない場合ですが)、いろいろと加減の難しいところです。

  • la dolce vita

    >ドイツ特派員さん
    >しっかしチークダンスというのも凄いですね。
    ははは、すごいですよね、一応社長という社会的立場のある人ですからね。 「もうすぐ娘が結婚するので寂しい、同い年くらいで娘を思い出すので踊らせてくれ」とかほざいてました。 「知るか!」って感じなんですが。
    >ということで、シンガポールに行くことになりそうです。
    おー、今のシンガポールは日本より暑くなく日本より湿気もないのでベストシーズン(?)ですよ〜。
    >AKさん
    >職場での人間関係構築ができていて、愛されキャラになっているようで安心しました。
    それはそれはさすが、素晴らしいですねー、さぞかしAKさんも保護者のように心配されてたことでしょう(笑)。
    >10月に会いましょうね~。
    私たち夏休みないので(5月のフランス旅行が夏休みだった)、10月の日本が今から待ち遠しくてたまりません〜 毎日指折り数えてます。
    日本でよい夏休みを!(違うか?)
    >haustinさん
    >うーむ。アメリカの会社の経験が私の職歴の半分以上なので、La dolce vitaさんの鍛えられ方を見ると、すごいなーと思います。
    いやー、あんまり嬉しくないですけどね。 私の年で男性ばかりの職場に入った人は結構経験あるんじゃないかなー? 10年でだいぶ変わりましたよ、日本も(少なくとも表面的には)。
    >アメリカの職場って、淡々としてる部分があるかと思えば、会議中のスモールトーク好きだし、ちょっとでも仲良くなったら、子供はいつ?とかすぐ聞いてくるし(仕事のしがらみない場合ですが)、いろいろと加減の難しいところです。
    人間関係ってどこの職場も一番難しいですよね? その点は世界中、程度の差こそあれ一緒なのかな、と思います。

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