一昨日Singtel(シンガポールNo.1携帯事業者)、昨日Salesforce.com(米クラウドコンピューティングトップ企業)と続けてイベントに参加してきました。 参加者400-700人くらいと似たような規模、両方とも新サービスの発表と似たような目的だったのですが、Singtelに比べSalesforce.comのプレゼンの上手さに感心、2日続いたので余計そう思ったのでしょうが。
今まで数多く企業のプレゼンを見てきましたが、正直上手い人は10%以下(はい、自分のことは完全に棚にあげています)。 700人どころか50人以上の前でプレゼンしたことないし)。
よく「アメリカ人はプレゼンが上手い」と言う人がいますが、アメリカ人でも下手な人はたくさんいて(自分のことは棚にあげておいて、笑)、ただ上手い人は抜群にズバ抜けて上手い。 特に、ベンチャーキャピタリストなどの前で、(企業が)生きるか死ぬかのプレゼンをしつくしてきた、急成長テクノロジー企業のトップの人は本当に上手いなー、と感心しきり。
Salesforce.comのイベントでは、President & Chief Adoption OfficerのPolly Somner(女性)も非常に上手かったのですが、Chief Marketing OfficerのKendall Collinsのプロダクト・デモ(ライブ)が圧倒的に楽しめました。 若いなー、と思って帰ってLinkedInで調べたら、やっぱり30代半ばでした。 こんな人です、プレゼンじゃなくてインタビュー(→YouTube : Kendall Collins, Salesforce.com)
上手だったポイントは下記。
1. 2人とも完全にプレゼンを暗記しており、画面をほとんど見なかった。 入念な準備をした様子が伝わってきた。
2. ライブのプロダクト・デモは話すKendallと、PC画面を操作するプロダクト・マーケティングの担当者との息がぴったり合い、ここでも十分な準備が感じられた。
3. 時にはユーモアを交え、時には聴衆を巻き込みながら、場に一体感が生まれていた。
ところでプレゼンと言えば、プレゼンの神様と呼ばれるほど、上手いのがAppleのスティーブ・ジョブス。
毎年、MacWorldの基調講演で新製品の紹介をするのが大人気(今年は健康問題で欠席)。 私が一番好きなのは、2007年にiPhoneを紹介したときのプレゼンです。
Macworld 2007- Steve Jobs introduces iPhone – Part 2
Macworld 2007- Part 3 – Steve Jobs demos the iPhone
プレスや業界関係者向けのイベントなのにまるでコンサートのような盛り上がり。
巧みなスクリーン使い、テンポよく進み聴衆を飽きさせない展開、シャープなプロダクト・デモ。 そして、シンプルで分かりやすい画面はあくまで彼の説明を補完するものでありメインはスピーカーであるスティーブ・ジョブス。
上手いプレゼンのエッセンスが随所に詰め込まれていて、本当にこれを何回も繰り返し見るだけで勉強になります。 来年は戻ってきてくれるのかなー?
最後に、ビジュアルの使い方、ジェスチャー・声の使い方などプレゼンに関する極意を集めたブログを紹介→Presentation Zen。 コンテンツが豊富でビジュアルが多く読みやすい。
著者は同名の本も出版しています。
ビデオやブログを見て満足するだけではなく、実践ですね・・・ 先は長い・・・
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July 16th, 2009 at 5:23 pm
H氏から散々ダメ出しをくらっている私としては耳が痛い・・・^^;彼曰く、私のプレゼンは「エレベータートーク」(http://www.csinc.co.jp/e100/2_1.html)が全くなってない!らしい。
それにしても、スティーブ・ジョブスのプレゼンは、ほんとコンサートみたいだねー。
スライドの作り方が、学会の発表とは全然違って、とっても印象的だわ。
これくらいシンプルなスライドが作れると良いなぁ。
で、全く関係ないけど、Kendall Collinsかわいいねー^m^♪ (はい、おばさんです。)
July 16th, 2009 at 8:31 pm
プレゼンに関しては、天賦の才というものがあると思っています。
ご存じのとおり北米の学校では小学校からプレゼンをしますが
中には、うなるような素晴らしいプレゼンテーションをする子供がいます。
調べられている内容は他の子と大差ないのですが
パワーポイントの使い方、声の抑揚、間の取り方、質疑応答への進め方、又はその対応
どれをとても将来大物になりそうな匂いがむんむん漂ってくる子供です。
そういう子を見ているとプレゼン能力も持って生まれたものだなあとつくづく思ってしまいます。
昨日へのコメントですが。。
私の知り合いのシンガポール人はマレー系です。
彼らもやはりマレー同士で結婚しているようです。あと、彼ら曰く
現在のシンガポールは民族間の対立がひどくなってきていて、住みにくいらしいです。
彼らの親兄弟姉妹は全員オーストラリアに住んでいます。
外国人にとって住みよいシンガポールは、自分たちにとっては住みにくいところになってしまったと言ってました。
July 16th, 2009 at 9:00 pm
個人的にとってもタイムリーな話題でびっくり。といっても、もっと低いレベルであがいているわけですが・・・笑
学内で英語プレゼン講習(学生向け)の講師やって、みたいなことになり、そもそも講習の講師のプレゼンがどうなのよ、と・・・悩んでいました。こうなったらSteve Jobsのスピーチを見せるか・・・笑
July 17th, 2009 at 7:43 am
la dolce vitaさん、
私がプレゼンを見てきたのは学会だったり社内だったりですが、正直「別にやらなくていいのに…」という思いがありました。「資料配ってよ、それ読むから」という棒読み内容で、「やれって言われているからやる」という感じがありあり。そういうところに行くと、逆にプレゼンが目立つ人は「け、プレゼンだけだよな、この人」という見方をされるんですね。前職の社内では、特に工場・現場の連中は、「あんなアメリカかぶれの連中のやり方(プレゼン)なんて聞いても駄目だ」という怨念のようなものが強かったですねえ。プレゼンの講座に(会社の推薦ですよ)に申し込もうとしたら上司から、「必要ない!」と言われたり。
前職で色々経験したことを考えると、特に製造業の人でそこに関わっている人の多く(研究だったり開発だったり)は、プレゼンで何かが変わることを毛嫌いしている気がします。「だから製品を見てよ!PPTなんかで説明できるかよ!」という感じだし、エレベータートークなんて、「そんなことで俺の製品わかってもらってたまるか!」という反応。今の会社もアメリカ企業なんですが、やはりプレゼンはみんな消極的ですね。
正直なことをいえば朴訥なプレゼンでも良いと思うんですが、自分がプレゼンするものに対する愛情みたいなものをどうやって表現するのか?というところが肝のような気がします。「これを見て欲しいんだ!」「これを知って欲しいんだ!」という熱のようなものですね。
July 17th, 2009 at 9:41 am
>junko
>H氏から散々ダメ出しをくらっている私としては耳が痛い・・・^^;
ダメ出ししてくれるなんていい人やねー うちはプレゼンはしたことないな、Toastmastersの練習はするけど。
>で、全く関係ないけど、Kendall Collinsかわいいねー^m^♪ (はい、おばさんです。)
>気づいてくれた?! これが見せたくてこのエントリー書いたようなもんやし(笑)
かわいいやろー? でも96年大卒だから、うちらよりちょっと上なんよ。
>sunshineさん
>パワーポイントの使い方、声の抑揚、間の取り方、質疑応答への進め方、又はその対応
>どれをとても将来大物になりそうな匂いがむんむん漂ってくる子供です。
小学生でそれですか・・・ 末恐ろしいですね・・・
質疑応答の対応の仕方がやっぱり難しいですよねー すごい変な質問する人いっぱいいるし。
>現在のシンガポールは民族間の対立がひどくなってきていて、住みにくいらしいです。
へー、そうなんですか? 住んでるのに全然気づきませんねー 外国人はしょせん蚊帳の外なのかもしれません。 オーストラリアに移住するシンガポール人は本当に多いです。
>えり
>学内で英語プレゼン講習(学生向け)の講師やって、みたいなことになり、そもそも講習の講師のプレゼンがどうなのよ、と・・・
そ・それは大変だ・・・
でも英語でも日本語でもプレゼンでやらなきゃいけないことは変わんないけどね。 Steve Jobsはいいけど、参考にするにはレベルが高すぎるよね(笑)。
>ドイツ特派員さん
>特に製造業の人でそこに関わっている人の多く(研究だったり開発だったり)は、プレゼンで何かが変わることを毛嫌いしている気がします。
プレゼンの問題ではないですよね、それは。 自分の専門領域を知らない人が自分のものに対してあれこれ言うことへの拒否感だと思うのですが。
研究や開発の人が頑固なのは普通なので、どうやって違う言語を話し違う思想を持つ人同士のベクトルを合わせるかは、非技術系の腕の見せ所だと思います。
「プレゼンするものに対する愛情みたいなもの」はSteve Jobsのプレゼンは感じますねー 子どもみたいですもんね、この人。