アジア人はなぜ数学ができるのか

もはや世界的にアジア系の子どもの理数系学力が高いことはコンセンサスになっていると思います。
参考までに、2007年国際数学・理科教育動向調査(TIMSS2007)の数学(14歳)のランキング。

1. 台湾
2. 韓国
3. シンガポール
4. 香港
5. 日本

国際学習到達度調査(PISA2006)の数学的リテラシー(15歳)のランキング。

1. 台湾
2. フィンランド
3. 香港
4. 韓国
5. オランダ

– 以前書いた『移民の子どもの教育』にも中国人移民の子どもは移住先の国を問わず理数系の成績がよいことを示す結果が出ている
– 渡辺千賀さんブログの『カッコウの巣の小学校』によるとカリフォルニア州で一番学力が高い学校の生徒は90%がアジア人である
など、他にも例は枚挙に暇がありません。


でも「一体なぜなの?」ってことを解こうとしたのが、マルコム・グラッドウェルの『天才! 成功する人々の法則』。 『本、大人読み』にも書いたように、マルコムの本は読むことにしているので。
この本の本質はもっと違うところにあるのですが、今日は「アジア人はなぜ数学ができるのか」に対するマルコム流の解説を紹介。

  • アジアの各言語は数字が直感的である(英語の12 = twelveに対し、日本語は12 = じゅうに = 10 + 2、と直感的にわかりやすい)
  • 稲作文化により築き上げられた「粘り強さ」が数学力と比例している(「1年360日夜明け前に起きたもので、家族を豊かにできなかった者はいない」という中国農民の言い伝えが一例)
  • 学習時間に圧倒的に差がある(この学習時間の差に関してはThe Economistに“The underworked American”と題して、大人に比べアメリカの子どもの学習時間が諸外国に比較して少なすぎることが触れられていた)

つまり生まれ育った環境が重要、ということ。
この「育った環境が重要」には同意ですが、このトピック、白人は嫌いますねー 何人かに話のタネにしたことあるんだけど。
うちの夫も(彼は大学で周りがアジア人だらけだったというエンジニアリング専攻)、上記マルコムの説には3番目の「学習時間の差」にしか同意しませんでした。
なお、白人が反論として持ち出す際の希望の星はフィンランドです。 「国際学力テストでは必ず上位に来るフィンランドをどう説明するんだ? 教育機関の善し悪しと学習時間の差にほかならない」という論理。
なお、私はこれからの時代、数学力だけではかるのはナンセンス、と思っています。
それだけでは、オバマみたいな人のすごさを説明できない。
あと、オーストラリアに住んでいる人が「アジア人はオーストラリアののびのびとした環境で子どもを育てたいと口では言いながら、自国の加熱するお受験競争をそのままオーストラリアにまで持ち込み、他の人も競争に巻き込んでいる。 世界中にお受験競争を輸出している」と言ってました。
すごく心に引っかかった言葉です。
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6 responses to “アジア人はなぜ数学ができるのか

  • hiroko

    そろばんや暗算、公文をならった子供時代をかんがえると、やっぱり時間もそうですが、教育方法も要素かなと思います。日本だと必死で九九覚えますよね?インドの子供ってたしか2桁の掛け算まで覚えると聞いたことあるんですけど?
    アメリカって、人によってずいぶん激しく差がある。
    私の昔の同僚のネットワークエンジニア(コケイジャン)も、たいそう賢くて、尊敬してましたが、計算になるとめっきり苦手で、計算機がないと計算できません。チップの計算とか。
    今の上司(日系アメリカ人)も、かなり皮肉屋で論理的ですが、チップの計算は、持ち歩いている表がないとできません。この間2の三乗の計算を一瞬で計算したら、驚かれました(爆)
    一方で、アメリカ人の旦那は、暗算得意なんですよね。九九も覚えたって言うし。
    アメリカ人の場合、もしかしたら好き嫌い激しいので、好きなところを伸ばす代わりに、嫌いなところは無視してるのかも知れません(笑)。

  • NTU-W2010

    アジア人が欧米人より数学ができるのは事実と言ってもいいのでしょうね。日本教育を受けた人ならGMATでは遜色無い点数がQuantitativeでとれます。それに引き換え、語族が異なり国家の標準語に英語がなっていないアジア人のVerbalは最悪で、GMATハイスコア群は数学と英語が両方得意なインド人というのも、ここのとこのインド人BS受験生の躍進にともなって定評です。GMACの資料を探せばそこらへんも出てきそうな気がします。
    私は身体的特徴以外の、たとえば知能における先天性は民族差ではなく個体差(で、その個体差も一部のスーパーな人を除くと大半が誤差の範囲)だと思っているので、この結果は教育環境の賜物だと思っています。hiroko様ご指摘のように日本ならそろばん・公文ですね。欧米人から養子をもらっても、日本で育てれば日本の平均値に学力は収まるはず、と信じているということです。とはいっても、欧米とアジアとで数学は結構な差がついているので、教育環境のみでなく、「じゅうに」「twelve」のような言語の違いの影響もあるのかもしれませんね。日本人が英語を習得しにくいのと同じように、欧米系言語だと数学の熟達が難しいという具合で。

  • la dolce vita

    >hirokoさん
    >アメリカ人の場合、もしかしたら好き嫌い激しいので、好きなところを伸ばす代わりに、嫌いなところは無視してるのかも知れません(笑)。
    あー、それはあるのかも。 苦手なところを直すより得意なところを伸ばすってやつですね。
    今、ダンナに聞いてみたら、12 x 12まで暗記したそうで、全部言えました。
    >NTU-W2010さん
    >GMATハイスコア群は数学と英語が両方得意なインド人というのも、ここのとこのインド人BS受験生の躍進にともなって定評です。
    あー、だから最近インド人が急増してるのかー(それだけじゃないだろうけど)。
    INSEADはつい最近までインド人が急増していたけれど、直近ではアメリカ人が増えているらしいです。 大不況の影響なのか、アメリカ人が自国以外のB-Schoolに目を向け出したからなのかはわかりませんが。

  • NTU-W2010

    インド人GMAT合格者スコアはスクールスコアより平均で数十点は高いと聞きます。
    昨今の経済成長により進学可能母体が増えたことが、インド人比率上昇の一番の躍進理由でしょうけど、そこにGMATスコアもあるのでAdmission的に取りやすいというのもあるのでしょうね。
    地理的要因や恐らくは移民政策などなどもあり、NUSだとインド人比率が半分を超えたと聞きました。うーん。
    アメリカ以外のBSでのアメリカ人比率がゆっくり上昇している事は時々聞きますね。アメリカ人も「もうアメリカはダメだから~」とか考えたりするのでしょうか(笑)。BSのdiversityを保つ基準では、各国の人口比やら、GNP比やらと聞いたりします。どういう観点がBSとして一番成果を出せるのでしょうね。

  • sunshine

    子供のクラスに、
    お母さんは弁護士で中国から養女をとり、ひとりで子供を育てている人がいます。その子はAちゃん。
    お母さんはとある国際機関で働いている中国人、お父さんはNGOで働いている中国人。子供はBちゃん。
    お父さんお母さんともに医者でインドからの移民。子供はCちゃん。
    この中で抜群に算数ができるのはCちゃん。Bちゃんは普通。Aちゃんは全く駄目。
    Cちゃんは算数だけでなく全てかなりできる子です。
    アジア人が算数ができるのはやはり環境ではないでしょうか?
    ちなみにクラスの半分くらいは親が医者なのですが、白人の子はみんな算数は苦手のようです。
    実は私は珠算有段者なのですが、先日チャリティーをした時
    総額の計算を暗算でして、それから指を使って再検算していると
    みんなが寄ってきてじっと私の手元をみてました。指を不思議に動かしながら凄い金額の総計をしている。
    すごい天才と思われました(笑)
    読み、書き、そろばん。ですね!!

  • la dolce vita

    >sunshineさん
    >総額の計算を暗算でして、それから指を使って再検算していると
    >みんなが寄ってきてじっと私の手元をみてました。指を不思議に動かしながら凄い金額の総計をしている。
    >すごい天才と思われました(笑)
    そろばんは不思議でしょうねー 私、そろばんできませんが・・・(公文も行かなかったし)
    公文は海外で認められているという記事を読みました(↓)。
    http://business.nikkeibp.co.jp/article/pba/20090126/183856/
    算数は本当に「繰り返し練習」が大切だと思います。
    漢字もそうですねー あんな数の漢字を30過ぎて一生懸命覚えている夫がちょっと可哀想。 小学生だったから、漢字一文字につき100回ノートに書いたりできたけど、今だったらできないと思います。

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