遠くにありて思ふ国、フランス

今日から久しぶり(といっても2年ぶり)のフランス♪
1週間ほど前から浮き足立っています、今度は飛行機に乗り遅れずに(→乗り遅れた話)ちゃんと到着するのが目標。
deneuve.jpg私にとってフランスはカトリーヌ・ドヌーブのような熟年女優や、よく熟したフルボディの赤ワインのような存在。 その魅力は年月を経たことでしか出せない圧倒的な美しさであり成熟であり、一方で恋いこがれる幾多の若者を軽くあしらい傷つけるファム・ファタル性であり、「遠くにありて思ふもの」
・・・の割には2年おきくらいに気になってちょっかいを出しにいく・・・そんな存在。
私とフランス(正確にはフランス語)との出会いは大学の第二外国語でフランス語を選んだこと。
第二外国語は必修なのでテストに通るためだけに受講し全く身に付かない(身に付けない)人がほとんどと言われていたのですが、私は無駄なことをやるのが嫌いなので、当時の京大ではフランス語だけ「フランス語8時間コース」なる集中コース(文字通り週に8時間のクラス)が開設されていたので、フランス語を選択したという、何ともdemand drivenではなくsupply drivenな理由がきっかけです。
そして世界中にプロヴァンスブームを巻き起こしたピーター・メイルの本『南仏プロヴァンスの12か月』と同名のテレビシリーズを見て、プロヴァンスに憧れ、1-2ヵ月という短期ですが語学留学も果たしました(私のフランス語力はこの頃がピーク)。


その後、1年ビジネススクールに留学したり、何だかんだと2年おきくらいで行ってます。
「フランスはフランス人がいなければ完璧」と言うジョークがあるくらい、フランス人ってのはプライドが高く個性(アク?)が強い人たちですが、熟年女優の比喩に戻ると「美人は何しても美人、許される」という感じ。
たしか私たちの小学校か中学校の社会の教科書は、一章が「日本は資源がない国です。 (食料自給率が低い、天然資源がない、と説明が続く) 労働こそが資源なので、一生懸命勉強して働きましょう」で始まっていたと記憶しています(正確な表現は覚えていないが、教科書がこういう論調で始まったのは鮮明に覚えている)。 ところが、フランスの教科書は(友人いわく)「フランスは誇るべき歴史と豊かな自然、美しい言語を持つ大国です。 ビバ・フランス!」というノリだそうで(かなり脚色してますが)、「そりゃあ、これだけマインドセットが違うと個人の性格も違うわよねー」と妙に納得したのでした。
実際、フランスの真ん中に広がる豊かな穀倉地帯をドライブしたり、パリのカルチエ・ラタン辺りを歩いていると、脈々と流れる時間の豊かさに圧倒される感覚を味わいます(同じような感覚を梅田望夫さんが「この街では正しいことが正しく行なわれている」と下記対談で表現されていました)。
対談 今北純一×梅田望夫「欧州の真の力強さとは何か」
最近読んだ統計では、mixiやFacebookなどSNSの利用者(1ヵ月に1回以上訪れる人)の割合が、アメリカ 25%、日本 20%に対し、フランス 3%でした。
provence.jpgフランス人は仕事の後、家に帰ってもパソコンに向かったりせず、家族・友人との語らいを楽しむのでしょう。 出生率2.0を超えるアムールな国だし。
一方、そのサービスレベルの低さといえば、私が今まで住んだ国で断トツワーストNo.1で(ロシアよりひどい)、書こうと思えば5ページくらい書けそうですが、やめておきます(セクターによって随分異なる。 一番ひどいのはパブリック・サービスで、良いレストランなんかは非常にプライドを持っておりプロフェッショナル)。
そんな訳で、遠くにありて思ふ国、フランス。
今回は、若かりし頃の憧れの地、プロヴァンスをドライブ旅行するというおまけつき。
夫がまだ仕事が終わっていないというのでパソコン持っていくので、もしかして途中でブログも書いてしまうかも・・・ですが、一応、終始オフラインの予定です。


9 responses to “遠くにありて思ふ国、フランス

  • CREA

    浮足立ちすぎにご注意ください(笑
    あとでぜひ、la dolce vitaさんのMBA同期の方々の、その後のキャリアの変遷についてお伺いしたいです!
    では、フランス滞在、思う存分お楽しみください。 CREA

  • masami

    フランスが大人の国の魅力に満ちているのは大賛成ですが、カトリーヌ・ドヌーブを熟女女優とカテゴライズしちゃうのは違和感があります。最近の作品(印象に残っているのはインドシナ、ヴァンドーム広場、8人の女たちですが)も嫌いでは無いけど、やっぱり「シェルブールの雨傘」が彼女の魅力を凝縮していると感じるので…
    パリは何週間居ても飽きない素晴らしい街ですが、フランスの田舎はもっと素晴らしいですよね。田舎が魅力的な国というのは、住民にとっても良い国だと思います。

  • hiroko

    こんにちは!la dolce vita さんの日記、埋め込みが多いので、たどってるとなかなかさかのぼれません。
    しかも内容濃くて、アメリカ3年目で仕事してますが、場所柄か?周りの知り合いが子持ちの主婦だらけになっていて、すこし守りに入っていた私の野望にともし火がふつふつとともり始めました(笑)。感謝感謝です
    プロバンス、私もあこがれてあこがれて、2年前の今頃、新婚旅行でニースからエズ、カンヌ、サントロペ、カシス、マルセーユ、エクサンプロバンス、、、とドライブで旦那と回りました。プロバンス、料理もセンスも好きです・・・戻りたいなぁ。。。その後の南伊アマルフィのドライブも素敵だったし、、、将来はそちらのほうに頻繁に出没できる身分になりたいのです。なのに、なんで嫌いだったアメリカに住んでるんだ、そしてアメリカ人の旦那なのか・・・ぶつぶつ。
    人生わからないものです。
    道中お気をつけて~

  • Kei

    卒業後も強いつながりがあるスクールって良いですね!
    自分の進学先もそうだといいんですが、少人数のクラスだから皆と仲良くしたいけど、相性が合わない人が多いと致命的かな?(笑)
    高校同級生が去年INSEADを卒業したし、都内にいるINSEAD卒業した知人のフランス人女友達に、彼らの代も卒業生ネットワークが強いか聞いてみよっと!

  • Rico

    はじめまして。昨年まで、シンガポールで働いておりまして、
    今は中国からいつも楽しくブログ拝見しています。
    さて先日北京でEU Extravaganzaというお祭りが開かれていたのですが、
    会場に訪れたフランス領事が、フランスの魅力をアピールして下さいという、
    地元メディアの取材に応えて
    「フランスは美しい国です。ワインやチーズといったおいしい食べ物も豊富で、
    何より美しい男女(!)がいます。」
    というような発言をしていたそうです。
    この発言自体、確かに思考回路違うなぁと思わされました。
    ところでla dolce vitaさんが覚えている日本の教科書の内容は、そのまま
    シンガポールにもあてはまりそうですね・・・。
    「シンガポールは資源がない国です。労働こそが資源なので、一生懸命勉強して
    働きましょう」
    ↑これまさしくシンガポール人の思想の基本!?

  • mkk

    こんにちは!
    いまフランスにいらっしゃるのですか・・・。滞在はパリ+プロヴァンス?
    次回はここ、ブルゴーニュにもお立ち寄りください。先週から真夏のようなお天気です。自宅の庭ではチェリーが鈴なり、毎日摘んでも、摘んでも・・・まだあります。

  • la dolce vita

    >CREAさん
    はい、まだバカンス中です〜
    >あとでぜひ、la dolce vitaさんのMBA同期の方々の、その後のキャリアの変遷についてお伺いしたいです!
    了解です〜
    帰ったらブログに書きます!
    >masamiさん
    >フランスの田舎はもっと素晴らしいですよね。田舎が魅力的な国というのは、住民にとっても良い国だと思います。
    フランスの田舎は最高です。 Fontainebleauもいいですが、やっぱり南がいいです。
    将来は南仏に1年住むのが密かなる野望で今回は夫を巻き込むための前勝戦だったりするのですが、物価が高いのが難点。
    リタイアしたリッチなヨーロピアンのおかげで非常に高い土地になっています。 悲しい…
    >hirokoさん
    >2年前の今頃、新婚旅行でニースからエズ、カンヌ、サントロペ、カシス、マルセーユ、エクサンプロバンス、、、とドライブで旦那と回りました。
    すごい、luxuryな旅程ですね!
    今回はProvenceは1週間しかないので、Aix-en-Provenceを起点にLuberon(Lacoste, etc.)、St-Remy de Provence、Avignonです。 ううう、1週間じゃ足らないけど、それ以上あってもお金が足らない:(
    >その後の南伊アマルフィのドライブも素敵だったし、、、将来はそちらのほうに頻繁に出没できる身分になりたいのです。
    私は新婚旅行がトスカーナと南イタリアでした。 かぶってますねー(笑)
    こちらの写真(下)が全部そうです。
    http://www.ladolcevita.jp/blog/global/2008/10/la-dolce-vita.php
    >将来はそちらのほうに頻繁に出没できる身分になりたいのです。
    同じくです。 旦那さんは徐々に洗脳していくしかないと思いますよ〜
    うちの夫はアジア大好きでヨーロッパに興味がなかったのですが、私と出会って以来、夏は必ず南欧のドライブ旅行です。 雑誌もCote Sudとか見せながら徐々に洗脳しています。
    がんばりましょう!!!
    >RICOさん
    はじめまして!
    >「フランスは美しい国です。ワインやチーズといったおいしい食べ物も豊富で、何より美しい男女(!)がいます。」
    さすがですね。 美しい男女って点は大いに疑問ですが。
    中国が自己紹介するとどうなるんでしょうね?
    >「シンガポールは資源がない国です。労働こそが資源なので、一生懸命勉強して働きましょう」
    > ↑これまさしくシンガポール人の思想の基本!?
    政府が事あるごとに口を酸っぱくして言ってますよね。
    >mkkさん
    >いまフランスにいらっしゃるのですか・・・。滞在はパリ+プロヴァンス?
    正確にはFontainebleauとProvenceです。 今はProvenceのLacoste近くのChambre d’HoteでTable d’Hote待ちです。
    >次回はここ、ブルゴーニュにもお立ち寄りください。
    >自宅の庭ではチェリーが鈴なり、毎日摘んでも、摘んでも・・・まだあります。
    ブルゴーニュにお住まいなんですか?!
    ブルゴーニュはモンサンミッシェルだけ行ったことがあります。 自宅の庭にチェリーとは! 今から数カ月が一番いい季節ですよね〜 南はラベンダーにはちょっと早かったですが。

  • mkk

    モンサンミシェルはノルマンディーにあります。隣のブルターニュ(英Brittany, 仏Bretagne)とおまちがえ?ブルゴーニュ(英Burgundy, 仏Bourgogne)とは別地方です。いずれにせよ、ブルゴーニュはきょうもいいお天気!チェリーの次はプルーンです。

  • la dolce vita

    >mkkさん
    >隣のブルターニュ(英Brittany, 仏Bretagne)とおまちがえ?
    その通り! 間違えていました(笑)
    ブルゴーニュはFontainebleauにいた頃、ワイナリー巡りとディジョン・グルメの旅で行きました〜
    チェリーは最後に泊まったところでも庭にたわわに実ってました♪

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