東京のオフ会で出会ったデザイナーさんのmixi日記で『タイプディレクターの眼』というブログを知りました。
小林章さんという日本における欧文書体設計の第一人者の方が書いているのですが、欧文文字(アルファベット)の大文字と小文字は自由に感覚で混ぜていいんだよ、とか(→『大文字?小文字?』)、「ロンドンで見逃してはいけない文字ツアー」とか(→『街角の文字 東京 ロンドン』)、豊富な事例(欧文文字の写真)を駆使し、柔軟な視点でわかりやすく欧文書体の世界を解説しているので、ド素人の私でも楽しめるブログ。
こんなぶっちぎりの専門性を持った分野で世界で第一人者ってカッコいいですね、アートの世界にはたくさんいるんだろうな、日本人も。
そして普段何気なく暮らしているけれど、私は漢文書体に囲まれて暮らしていることに気づきました。
世界で最も古い文字のひとつである漢字を持つ中国系の人たち。 漢文書体に対するこだわりも並々ではないはず!と居ても立ってもいられなくなり、カメラを持って外へ。
ところで、私はド素人なので書体の名前も全然わからないので、とりあえず小林さんの真似をして撮った写真を並べます。 写真に番号つけましたので、ご存知の方はぜひコメント欄にて解説してくださいませ。
No.1 上。 シンガポールの道路標識は英語と中国語の併記。
No.2 下左。 ショップハウスと呼ばれる伝統的な家屋にかかる看板。 チャイナタウンに住む私には見慣れた光景。
No.3 下左。 ショップハウスを改装したオシャレなバーの前の壁に書かれていた。 私、中国語もわからないので、どこまでが中国語の書体でどこからがデザインなのかもわからないんですが・・・
お店の看板の書体も商品や店のターゲット、ポジショニングに合わせて実にバラエティ豊か。 あまりにあるので、ほんの一例。
No.4 上左。 何屋さんだったか忘れてしまった。 筆屋さんだっけな?
No.5 上右。 フットマッサージ・スパのお店。 シンガポールは看板も英語・中国語併記が多いので、両方のフォント(書体)の選び方、コンビネーションにも注目すると楽しい。
お次は商品の書体。
No.6 レストランのメニュー。 小さくて見にくいけど、最もよく見る標準的な書体な気がする。
No.7 薬のパッケージ。 縁取りありのブロック体ってやつですか?
若い人向けの飲み物。
No.8 「仙」のにんべんと「水」の右側が丸くループを描いているところに注目。 こういうのって日本の漢字で見たことがない気が。
No.9 日本で言うところの「丸文字」の縁ありバージョン?
最後は観光客向けのお土産より。 ここは行書体(草書体?)でないと雰囲気が出ません。
No.10 黒石に彫刻のオブジェ。
No.11 アルファベットを書いて渡すと墨で漢字の当て字を書いてくれるよくあるサービス。 達筆だ〜
最後にくだらない見つけもの。
昔、海外の中華レストラン(本格派ではなく、移民してきたけど仕事ないので、とりあえず始めました、みたいなローエンドな)の看板はなぜフォントがみな同じなのだろうか?(竹をデザインしたと思われる)と疑問に思っていたことがありました。
同じことを思っていた人がいるらしく、自分の好きな文字を入れると「はい、中華レストランの看板できあがり」っていうくだらないサイトを発見(↓)。
Make your own Chinese Restaurant Sign
神は細部に宿る。 このフォント見ただけで味が想像できてしまうので、ぜひとも気を使ってほしいものです。
May 13th, 2009 at 8:40 pm
おお〜シンガポール版、文字いろいろですね!
素晴らしいです〜♪しかも勉強になる〜
No.3のバーの文字でこの雰囲気は新鮮〜
日本ではバーをこういった漢字で表したお店は見たことないです。
(たぶんこの漢字・書体ではバーだとわからないからだと思うんですけど/笑)
「水」の文字のループも日本だと書き順が違うとか言われそう(笑)
No.4とかさすが!な筆文字ですね。No.11もすごい達筆。
メディアなどで見たシンガポールのイメージは
街中も英語一色なのかと思いましたが、やっぱり漢文圏なんですね〜(行ったことがないので/笑)
>居ても立ってもいられなくなり、カメラを持って外へ。
ぶっちぎりのプロ小林章さんもカッコいいと思いますけど、
la dolce vitaさんの実行力もすごいと思います〜
May 14th, 2009 at 2:10 pm
>あゆみさん
こちらこそ、いいブログ紹介してもらいありがとうございます!
>No.3のバーの文字でこの雰囲気は新鮮〜
この文字、好きなんですよー 何て書いてあるかはわかんないけど。 東京でも谷中や神楽坂あたりのレトロ系バーとかであればイケルのでは?
>メディアなどで見たシンガポールのイメージは
>街中も英語一色なのかと思いましたが、やっぱり漢文圏なんですね〜
たぶん英語の方が多いでしょうねー、併記も多いと思いますが。
写真を撮った場所はチャイナタウンなのでちょっと特別。 リトルインディアやアラブストリートなど他の民族の地区もあるので、そういうとこ行くとまた違った風景です。