目の前のお金に惑わされない法

直球なタイトルですみません。
「夫婦2人で同時期にMBA留学→海外就職を計画しているが、かなりハードルが高そうである。 結局、留学のためにした借金返済を優先し日本に帰ることになっちゃうのかな?」と悩んでいるブログ読者がいるので、そういうケースの対処法です。
もっと平たく、目の前に本質的に自分の求めているものではないが待遇がいい話がある、どうしよう?っていうときの対処法だと思ってお読みください。
私にもこの点に関しては苦い経験があります(昨日書いた「どうせ痛い思いをするなら早めにしよう」という基本行動方針が守れず安易な道を選んでしまった例)。
MBA留学は(学校によって大きく異なるが)1年制で1,000万円、2年制で1,500 – 2,000万円という巨額の費用(学費 + 生活費)がかかります。 私が行ったINSEADは1年制だったのですが、留学が終わる頃には必死で貯めた貯金が底をついていました。
しかも、プログラム後半は多くの企業が学校にリクルーティングに訪れるためプログラム終了前に卒業後の職が決まっている同級生が続出し、非常に焦る時期。
私も周りの雰囲気に飲み込まれるように、フランスにいながら日本の転職エージェントに履歴書を送ってしまい、すぐ仕事の紹介を受けました。 そして、すぐ内定。
自分は本当は何をやりたいのか考える余裕もないまま内定を得てしまい、ヨーロッパでの就職活動もそこそこに帰国。 日本で他も見て回ろうと思うものの、数ヶ月前に内定が出た会社にはもはやあまり待ってもらえない。 しかも、「そこそこ」興味もあり、「なかなか」待遇もよかったのがよくなかった。 帰国後の私は貯金も底つき、東京の友人宅に居候しながら就職活動をしていたので、もう待ってもらえない、ところまできて、結局契約しました。
その会社では、いろいろ素晴らしい経験もできたのですが、やっぱり「もっと違うやり方があったろうに」とは今でも思います。


今回はあの時の過ちを繰り返さないように、安易な道に流されないように、何度も折れそうになりながらも心を強く持ってがんばりました。
その時の経験より、目の前の安易な道に惑わされない方法。
1. 結婚している場合
結婚は最大のリスク分散 (→『Diversify, diversify, diversify!』)。
やっぱり独身で減る一方の貯金通帳の残高を毎月見るのと、片方が職探しをしている間、片方が毎月定期収入を稼いで2人(もしくは子どもも含めて)毎月の定期収入内で食べられる状況なのでは、気持ちの持ち方が全然違う。 結婚している人は迷わず、この方法を取りましょう。
だいぶ精神的・経済的に楽になり、時間をかけてしたいことを選べます。
最近会ったブログ読者で、「夫婦同時にMBA合格したのだが、奥さんの方が諸般の事情で1年遅らせなければいけなくなり結局ずれてしまった。 その後、この大不況になってしまったので結果的にはよかった」と言っていた人がいましたが、私もそう思います。 今は2年後、世界がどうなっているかわからない時代なので。
2. 独身の場合
たいした解があまりないのですが、先立つものがないと、精神的に追いつめられるので1年分くらいの生活費を貯金として持っておくとか(無理か・・・)。
あとは、「自分がどんな(安易な道を選ぶ)言い訳をするようになっても、”あの時の決心はどうしたの!”と叱って目を覚まさせてね」とあらかじめ親友に頼んでおく。 日本人同士は同調しやすいので、自分の言い訳に同調せず、あらかじめ決めた通り何度も繰り返し言ってくれる友達が必要。 友達にとっても大変な仕事ですけどね。
私が見ているかぎり、日本人に限らず自分のしたいことが見つかるまでとことん食らいついている人は半年か1年くらいで結果が出ています。 逆にそれ以上がんばっても結果がでないときは、「自分に追い風が吹いてない」と認識してさっぱり戦略転換した方がいいのかも。


6 responses to “目の前のお金に惑わされない法

  • tomokolea

    悩んでいるブログ読者です。
    結婚しているのにリスク分散せずに同じタイミングで留学してしまう場合はどうなんでしょう・・・(泣)
    お金の余裕=心の余裕につながりやすいので、焦って判断を誤らないためにも、多めに貯金しておいたほうがいいですね。
    惑わされそうになったら、このブログを読み返してがんばります。
    なぜMBAに行こうと思ったのか、海外で暮らしたいと思った理由をきちんと書き出しておくこともいいかもしれないですねー

  • しん

    MBA留学するかどうかと言うのもあるかと、思いますが、
    何か決める時、決断は、どれを選ぶかより、どのような心境で選ぶかが大事だと思います。
    心が良い状態、ゆとりある時でないと選択肢自体違ったりすることがあるので。
    それとMBAを取る目的によっても変わってくるかと思います。
    MBAを取ることが目的ではなくて、とってからどうしたいとか、MBAの人脈が欲しいとか
    ステータスとか、メリット、デメリットあるかと思いますが、優先順位をつけたり、
    タイミングを変えてもOKなのかとか、ゆっくり考えて見るのもありだと思います。
    これって、自分の人生のケーススタディかもしれませんねー

  • la dolce vita

    >tomokoleaさん
    >結婚しているのにリスク分散せずに同じタイミングで留学してしまう場合はどうなんでしょう・・・(泣)
    だから1年ずらすことを検討してみては?って内容のエントリーです。 「絶対、イヤ〜〜〜!!!」っていう気持ちはよくわかりますが(笑)
    大きいのは景気の波よりもビザじゃないかな? 日本人の海外就職はビザの壁が一番高いので、2人で一緒に学生して学生ビザ切れたら観光ビザになり、そのうち国にいれなくなる、ってパターンになるけど、どっちか1人が労働ビザを持っていたらあと1人は配偶者ビザになるのでビザの期間がいっきに長くなり、焦らずに職探しができる、と。
    独身の人は(私もフランスのときは独身だったので)配偶者ビザとかないから、結婚はやっぱり素晴らしいリスク分散です。
    まあ、一案です。
    >しんさん
    >何か決める時、決断は、どれを選ぶかより、どのような心境で選ぶかが大事だと思います。
    そうですね、追いつめられて選ぶより選択肢が豊富にあって選ぶ方がゆったりと選べるような気がします。 あ、でも逆に選択肢がありすぎると選べなくなる気もするなー
    このへんはしんさんもおっしゃる自分にとっての優先順位をはっきりさせてそれを貫く強い意志が必要なのかもしれません。
    この話はMBA取りましょう、って話ではなく(みんなMBA取りましょう、とは全然思ってないですよ)、短期的な利益のために長期目標を犠牲にしないですむようにすればどうすればいいかな、って話です。

  • インフル

    初めまして。
    一年で1000万ですか。
    そこまで行くのに(一千万ためる)普通の人だと10年?とかですかね。
    MBA受ける前にお金の稼ぐのが出来る人でないと無理ですね。

  • Ken

    >「年金は31年度に破綻」マイナス1%成長で厚労省試算
    とのこと
    年金納めていますか?

  • la dolce vita

    >インフルさん
    >一年で1000万ですか。
    学校によりますけどね。
    >Kenさん
    >年金納めていますか?
    海外居住者は義務ではないので納めていません。
    年金については過去に書いてますのでどうぞ(↓)。
    http://www.ladolcevita.jp/mt/mt-search.cgi?blog_id=1&tag=年金&limit=20

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