口から英語がすらすらと出てくるテク

私の高校時代の友人がこちらのエントリーで紹介したサイマルアカデミーの英語コースに通い始めました。
彼女は大学病院の勤務医なので、当直あり休日出勤ありの激務なのですが、口だけで行動に結びつかない人が多い中、行動に起こして継続してるってだけですごいです。 継続は力なり、きっと上達するよ!!!
最近コースの終わりとして成績表とフィードバックがあったらしいのですが、スピーキングに関してAccuracy(正確さ)は高いもののFluency(流暢さ)がいまいちだった、とのことで「Fluencyアップのためにどうすればいいのか?」という質問を受けました。
「語学に王道なし」というと、話が終わってしまうので、ちょっとひねり出してみました。
1. 基礎力をつける

  • リスニングの量を増やす

大鉄則は「聞けないものは話せない、読めないものは書けない」です。
スピーキング練習の10倍の時間をリスニングに、ライティング練習の10倍の時間をリーディングに当てましょう。
“Fluency”という観点からは、以前も書いていますが、シャドーイングが効果的です。 英語のリズム、アクセント、イントネーションを身につけるのに、これ以上いい方法を私は知りません。

  • 意見を持つ

上記の私の友人も「質問されたときに、そもそも意見がないから答えられないっていうのもある」と言っていましたが、日本人以外の人々は驚くほど強い意見を持っている人が多いです。
友人のシンガポール人も「環境」「自由主義・保護主義」あたりの政治見解になると、話しながらどんどんエキサイトするので、正直疲れるのですが、「スポーツと政治の話はしない方がいい」なんて大嘘。 少し親しくなるとガンガン話を振られるので、「意見らしきもの」は持っておいた方がいいかな。
時事問題の情報収集に努めるのはもちろんのこと、初めは「雑誌に書いてあったことを自分の意見と決めてみる」でもいいと思います。 なんかやっぱり違うな?と思ったら軌道修正すればいいだけの話。 意見を言わないとスルーされるだけなので。


2. テクニックを身につける

  • よく聞かれる質問に対し答えのパターンをつくる

特に初対面の場合”Where are you from?” “What do you do?”など、質問は決まっているので、ちょっとヒネリを効かせた答えを準備しておくといいと思います(こう書いている私の自己紹介はいつもちっともヒネってないけど)。
一般の人に知られていない職業の人は特に重要。
(脱線。 夫は戦略コンサルタントなのですが、これは知っている人は知っているけど知らない人にとっては何をするのか全くわからない職業のひとつ。 夫の会社はQuantitativeな分析を得意としていて、複雑なファイナンシャルモデルを作ることが多いので、「巨大なExcelファイルを作っている」と答えて、よく相手に「ますます訳わからん」という顔をされています。 名案のある方、歓迎。)

  • 時間稼ぎのフレーズを覚える

英語学校の教室では無言でも先生が答えるまで待ってくれますが、日常会話ではこれは超重要。 相手の言っていることを理解していることを示しつつ、次に何言おうか考える”I see where you are coming from.”など、英語のネイティブスピーカーも多用しています。
以前、慶応の日向先生『会話を続けるための小道具』として、私がよく使うフレーズを取り上げて頂きましたが、『話を切り出すときの小道具たち』というエントリーにもまとまっています。 このくらいは全暗記必要。
文化的なものだと思いますが、会話の中の沈黙に耐えられる時間というのは国によって大きく異なっており、アメリカ人やインド人は沈黙に耐えられない(というより、相手が話していてもかぶせるように話し始める)ので、時間稼ぎができないと相手が話し始めます。

  • 覚えた言葉を使ってみる

上にあげたフレーズに限らず、言葉を覚える最良の方法は自分で使ってみること、そしてできれば失敗すること。
英語とひとことで言っても国、年代、人種、ソーシャルクラス、使われるコンテクスト(ビジネス、パーティー、仲間内 etc.)によって大きく異なるので、そのレベルまで机上の勉強で覚えるのは無理。 使ってみて笑われたり顔をしかめたりされて上達していくので、話す機会があれば「今週はこの雑誌で覚えた言葉を使ってみる」と決めるのもいいかも。
私もシリコンバレーのギークたちと話しているときに”It’s not my cup of tea.”と言ったら爆笑されたことがあり、失敗した経験は一番記憶に残っています(それにしても”It’s not my cup of tea.”は高校の英語の教科書に載っていたんだけど、こういう使う場面を選ぶ表現は注釈付きにしてほしい)。
3. Food for thought

  • 結論から言う

英語というのは、”I like your idea in general.”とまず結論を言い、その後でなぜそのアイデアがいいのか、但し条件は何なのか、どんどん関節詞などでつなげて補足できる非常に便利な言語で慣れるとやめられません(日本語でも自然にこれをやってしまう)。
まず結論を言っておけば質問に答えたことになるのですが、自分の考えの前提条件やそこに至った背景などからつらつら話し始めてしまい、結局自分でも何が言いたいのかわからなくなったり結論を言う前に話題が次に移ってしまうと、「何が言いたいのかよくわからない人」になるので、ご注意。

  • とりあえず言う、変なことを言ってみる

日本語ではできても外国語ではできないのがこれ。 上記「まず結論から言う」と矛盾していますが、何を言えばいいかわからない場合、「とにかく話し出す」のも手。 すごく雄弁に話しているように見える人も実はとりあえず話し始めて話しながら考えている場合も多い。
変化球としては議論の前提を疑うようなことを言ってみるのも手。
つい最近(単なる友人同士の会話ですが)、「アメリカ人がいかにサブプライムローンやカードローンで返済不能になり破産しているか」について話をしていたときのこと。 ”I don’t understand.”といきなり私が言ったので、みな「なんだ、こいつは?」という顔で見たのですが、「バカげた利率と自分の返済能力を比べたら、簡単な算数で返済不能になるリスクが高確率であることはわかるのに、そのことがわからない人がそんなに多いということがわからない」と説明すると、今度はみんなでアメリカで行われているローンのキャンペーン内容や消費先行のマインドセットなど口々に説明してくれました。
人が予想していないようなことを言うと、議論に新風を吹き込むことができる(こともあります)。
最後に、私の母(元英語教師、通訳)が机の前にいつも貼っていた座右の銘(らしきもの)。

語学はザルで水を汲むようなもの。 ザルの目の粗さは人それぞれ。 汲んでも汲んでも水はたまらないように思えるけど、汲み続ければ少しずつ水はたまっていく。

自分をザルだと思えば、長い道のりも苦行ではなく普通だと思えるんではないでしょうか? 私は小さい頃からこのザル格言を見ていたので、そう思っていました。


11 responses to “口から英語がすらすらと出てくるテク

  • 日向清人

    トラックバック、ありがとうございます。「アメリカ人やインド人は沈黙に耐えられない(というより、相手が話していてもかぶせるように話し始める)」というくだり、思わず笑いました。会話での順番の取り方、入り方を研究した資料だったと覚えていますが、「相手が話の途中なのにかぶせるように入ってくるから」失礼だと、アメリカ人とインド人が互いに同じような感想をもらしていたからです。

  • la dolce vita

    >日向さん
    >「相手が話の途中なのにかぶせるように入ってくるから」失礼だと、アメリカ人とインド人が互いに同じような感想をもらしていたからです。
    お互い失礼なヤツだと思ってるんですか? おめでたい人たちですねー
    アメリカ人の会話における平均沈黙時間が「0.7秒」というのをどこかで読んだ気がします。 0.7秒ってツバを飲み込んでるだけの気が・・・

  • 北京花子

    お母様の格言(?)、本当に名言だと思います。
    仰るとおり!と拍手したいほどです。
    私もかの国で暮らしてはや12年、語学は本当に日々の小さな積み重ねしかありませんが、
    ザルの目が日々粗くなってきていることが目下の悩みです・・・。

  • beaver

    いつもブログの記事を楽しみにしています。今回のトピックは自分の経験と重なる部分もあり、うなずきながら記事を読ませていただきました。「結論から言うという。」という項目に関連しますが、日本人は結論を最後で言うことすらなく、省くこともあります。これが日本人の言っていることがわかりにくい原因になっている気がします。日本人は相手にどうしてほしいのかをはっきり伝えるのを遠慮します。「Aの場合には、Bをする。」というような暗黙の了解が日本人の間であるから、「Aという状況になっているんです。」と伝えて相手がBという行動を起こしてくれるのを待ちます。日本ではこれが礼儀正しく相手の行動を促す方法かもしれません。でも、北米では「Bをしてくれます?Aという状況になっているので。」と話すので、相手に何をしてほしいかが明確です。私が日本を離れてしばらくたったせいか、日本人とメールのやりとりをしていて、「で、結局この人は私に何をしてほしいのかな?」ということがたまにあります。
    結論がない例をもうひとつ。以前、日本から視察にきた先生方に自分の職場をご案内したことがあります。ある新しいプロジェクトの立ち上げを前にした視察でした。その後、ご丁寧に視察の報告書を送ってくださったのですが、その内容を読んで愕然としました。見たことやこちらが提供したデータを書き並べているだけで、「だから、自分たちのプロジェクトではこうすべき。」という提言がありませんでした。日本ではエリートとみなされるような人たちだっただけに、小・中学生が書く感想文のような報告書にがっかりしました。視察が役に立ったかどうかは想像するまでもありません。
    私も日本で受身の教育を受けてきて、他人と違う意見を持つことをencourageされずに育ったので、北米の職場の「行動してなんぼ。」「発言してなんぼ。」という環境ではじめは苦労しました。でも、今となっては行動力や発言力を身につけるためのよいトレーニングができたと思います。
    こちらのブログでは自分の過去の経験にぴたりとはまるトピックがよくあるので、喜んでついつい長いコメントを書いてしまいます。もしご迷惑でしたら、どうぞご遠慮なくお知らせください。

  • la dolce vita

    >北京花子さん
    母の格言ではなくて、何かの切り抜きでしたが・・・
    >私もかの国で暮らしてはや12年、語学は本当に日々の小さな積み重ねしかありませんが、ザルの目が日々粗くなってきていることが目下の悩みです・・・。
    私は日本語がザルの目からボロボロこぼれ出したのが悩みです。 最近、口からうまく出てきません・・・(涙)
    >beaverさん
    >「Aの場合には、Bをする。」というような暗黙の了解が日本人の間であるから、「Aという状況になっているんです。」と伝えて相手がBという行動を起こしてくれるのを待ちます。
    おー、これは私も昔外国人相手にやっていたかも。 ちっとも通じていないことに気づき、程なく「Bをしてくれます?Aという状況になっているので。」に自動的に切り替わりました。
    視察の話で思い出したのですが、日本人って「視察好き」じゃないですか? 私も日本で働いていた頃は視察目的の出張が一番ラクだったのですが、明確な目的がない視察出張は他の国の企業であまり見かけないような・・・ 従業員のモチベーションをあげるためにリゾートで会議をするのはよく聞きますが。
    >こちらのブログでは自分の過去の経験にぴたりとはまるトピックがよくあるので、喜んでついつい長いコメントを書いてしまいます。
    ありがとうございます! 長いコメント大歓迎です。

  • -hiraku-

    相方はいま海外出張中でネットをあまりチェックしていないようなので,「私の高校時代の友人」に代わってまずは真摯な対応にお礼をば.いつもブログ楽しみに読ませてもらっています!@v@b
    「2. テクニックを身につける」の内容にはすごく賛成で,そのとおりだと思うけれど,でもそれを学校で評価されるべき「語学力」と呼ぶかは微妙かも.Fluentなネイティブのほとんどは,意味のないことをしゃべって間をつないでるだけなんで,それを外国人が真似しなさいっていうのは,もしかしたら不思議なことかも知れないね.もちろんビジネスではそんな悠長なことは言っていられないので,ようするに何を目指すかなんですけれど.

  • la dolce vita

    >-hiraku-さん
    ご丁寧に代りのお返事ありがとう。
    彼女は学会で事前に準備した資料を英語で発表するだけではなく、合間に学会参加者と話してコミュニケーションを深めたいんだな、と思ったので、こういう内容にしてみました。
    サイマルでも習わない内容かもしれないけど(通訳コースでは習わないねー、ムダな言葉は省くべし、だから)、普通の会話ではやっぱり必要だよねー 日本語でも自然とやってることだと思うし。

  • ドイツ特派員

    la dolce vitaさん、
    語学は悩みですね。私、曲がりなりにも語学の大学を出ているにも関わらず、全く語学が苦手です。やはり語学の大学に居ると、いとも簡単に語学を身に付ける人がゴロゴロいるわけで、もう落ちこぼれもいいところでした。
    そんな私が言うのも説得力無しですが、語学の四要素(読み書き話し聞き)と言う中で「読み」と「聞き」を重視するのは全く同意です。要は、この二つは「相手の土俵に入る」行為なんですね。それに対して「書き」と「話し」は「自分の土俵で作る」行為ですから、どちらが難しいかは言わずもがなです。
    ただ、更に見も蓋もない話をすると、語学が苦手(嫌い)な人が語学に手をつけると、結構厳しいかもしれません。「手段」である語学に時間を取られることで、本質になる他のことが出来なくなってしまう。何を隠そう私がそうでして、単語が増えないとどうしようも無いにも関わらず、それが全然覚えられず、イライラして何度も単語帳を投げつけたりして、結局どの言葉も全くモノにならず….。有限の時間を苦手なモノに取られるのは相当な資源の無駄とも思えます。正直、語学なんかやらずに別のことをやっておけば良かったと今でも後悔しています。
    私の相方は語学好きで、スペイン語とドイツ語の翻訳が出来ているんですが、彼女曰く「え、単語や文法なんて覚えりゃいいんじゃない?」。それが出来ないから苦労しているんですが….。私の頭はDRAMみたいなもんで、一日寝たらもうリフレッシュ、という状態です。少なくともフラッシュにはなっていないようです。NANDまで行かなくてもNORくらいは欲しいと思う今日この頃です。

  • la dolce vita

    >ドイツ特派員さん
    >ただ、更に見も蓋もない話をすると、語学が苦手(嫌い)な人が語学に手をつけると、結構厳しいかもしれません。
    身もフタもない話、ありがとうございます! たしかに、その点は忘れていた。
    勉強には多大な時間が取られますもんね。
    >有限の時間を苦手なモノに取られるのは相当な資源の無駄とも思えます。正直、語学なんかやらずに別のことをやっておけば良かったと今でも後悔しています。
    私もフランス語、イタリア語、スペイン語を(フランス語は何年も真剣に)やりましたが、この時間は正直ムダだったかも。
    >私の相方は語学好きで、スペイン語とドイツ語の翻訳が出来ているんですが、彼女曰く「え、単語や文法なんて覚えりゃいいんじゃない?」。
    スペイン語とドイツ語の翻訳とはこれまたすごいですが、そういう非凡な人と比べてはいかんのではないでしょうか?(笑) 一般人は「英語だけ」「通じりゃいい(翻訳できなくてもいい)」ので、それに向かって短期間必死になるのがいいのかなー、と(短期間でないと息切れするので)。

  • junko

    無事に帰ってきました。貴重なアドバイスをどうもありがとう!日向先生のエントリーも、とってもためになります。紹介ありがとう。向こうでもブログは見られたのだけど、コメントする余裕がなくて遅くなりました、ごめんm(_)m
    >継続は力なり、きっと上達するよ!!!
    むふ。おだてられると、その気になる単純な私^m^ 
    今回は昨年の学会に比べたら、相手の質問に答えられるようになってて、なんか嬉しかったよ。やっぱ相手の言ってることがわかんないと、質問にも答えられないもんねー。けど、聞き取りやすい英語と聞き取りにくい英語があって、まだまだだわねぇ・・・という部分も多々あり。。。
    今更だけど、語学は「目的」ではなくて「手段」だよなぁと改めて実感しました。
    ザルの話、継続は力なりで、いつかこの語学アレルギーを克服できるよう地道にリスニング&シャドーイングに励みますわー

  • la dolce vita

    >junko
    >今回は昨年の学会に比べたら、相手の質問に答えられるようになってて、なんか嬉しかったよ。
    おっ、おめでとう! 小さな嬉しいが積み重なって、またやる気になるんだよね。 がんばれー
    >いつかこの語学アレルギーを克服できるよう地道にリスニング&シャドーイングに励みますわー
    アレルギーだったん? 知らなかった。 うちのAくんもご活用ください(今回は行かないけど)。

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