私が学生の頃、会社ってどんなことをするところなのか想像もつきませんでした。 毎日、朝早くから晩遅くまで会社員は同じ場所に通い続けていったい何をしているのかと・・・
今は当時に比べるとインターンなどを通して就職する前にある程度仕事を体験できる機会が広がってきたようですが、私たちの頃なんて大学3年も半ばになると自動的にリクルートから電話帳の2, 3倍はありそうな重さの情報誌が届いて、企業から会社案内が送られてきて・・・ 部屋の片隅にできたパンフレットの山を見ながら「これ読んで選べって言われても・・・」
OB訪問をするまで(サークルの先輩やバイト先の社員を除くと)社会人との接触もなかったし、ましてや大企業のトップなんて見たこともありませんでした。
日本の企業と大学はお互い不可侵であるという協定でもあるのかな?
・・・なんて思ったのはINSEADでGlobal Leader Seriesというイベントに参加したとき。 Global Leader Seriesというのは、INSEAD MBA学生が世界の著名なビジネス・リーダーをキャンパスに招いて、カジュアルな雰囲気で学生の前でリーダーシップについて語ってもらおうというイベント。
こちらに過去のスピーカーが載っていますが、2002年には当時Renault CEOのゴーンさん、2003年は当時GEのCEO Jeff Immelt、という錚々たる顔ぶれ。
私が聞いたスピーカーの中では以下のような人たちを鮮烈に覚えています。
当時eBay CEOだったMeg Whitmanが「なぜ、日本では(オークションビジネスで)Yahoo Japanの後塵を拝したのか?」という学生からの辛らつな質問に対し、「我々が(市場参入が遅れたことに)気づくのが遅すぎた」とさらっと過ちを認めたのを聞いて、「なんて率直な人だろう」と感嘆しました。
ゴーンさんを日産CEOに抜擢したルノー会長Louis Schweitzerが、ゴーンさんを抜擢した理由を語ったことも。
仏携帯事業者OrangeのCEO Solomon Trujilloがスピーカーで来た翌日に新聞で「Orange CEO更迭」のニュースが出て、「昨日のイベントの時にはすでに自分の更迭を知っていたのかなー?」とみんなでしみじみ驚いたことも。
引退して十年も経つ元経営者が「あの時を語る」風に第三者的なコメントをするのではなく、今まさにグローバル競争の中で、日々の経営課題に直面しているビジネス・リーダーが学生相手に困難やビジョンを積極的に語る。 数あるINSEADのイベントの中でも大好きなイベントでした。
聞いていた学生の中には「こんなリーダーの下で働きたい」と熱望する人も出てきたはず。
Global Leader Seriesのスピーカーがいくら謝礼をもらっているのか知りませんが(Citigroupがスポンサーのよう)、将来を担う学生に与える多大な影響をよく理解しているので薄謝でも喜んで引き受けているのではないか、と想像。
INSEADはビジネススクール(修士課程)なので、欧米大学のUndergraduate(学士課程)でどのくらいこれに類することが行われているのか知りませんが、Stanfordなんて卒業式にSteve Jobsがスピーチするくらいだから、企業と大学は普段から近いのではないでしょうか?
日本の大学もやればいいのに。
100人の採用担当者を送るより効果あると思います。
February 1st, 2009 at 4:52 am
おはようごさいます。ladolcevitaさん。オレンジです。
僕も日本でもやればいいと思います。日本だと孫正義さんや夏野剛さんぐらいしか思いうかばないですが。
ところで、スティーブジョブスの名演説は感動しました。
February 2nd, 2009 at 8:49 am
>オレンジさん
>日本だと孫正義さんや夏野剛さんぐらいしか思いうかばないですが。
もっといそうですけどね、マネックスの松本さんとか。
>ところで、スティーブジョブスの名演説は感動しました。
病気になっちゃいましたね・・・戻ってくるんだろうか?
February 9th, 2009 at 6:50 pm
>日本の大学もやればいいのに。100人の採用担当者を送るより効果あると思います。
先のコメントの方と被りますが私も心から共感致します。
伊藤忠の丹羽会長も素晴らしい言葉をくれそうな気がします。今後も拝見させてください。
木下慶彦
February 10th, 2009 at 10:53 am
>木下慶彦さん
コメントありがとうございます。
ブログ拝見しましたが、商社マンネタが面白かったです。 私も商社マンに四方八方囲まれて生きていたので、女性目線と男性目線はかくも違うものなのだなー、と。