昨日の夜遅くに上海・北京の旅から帰ってきました。 最終日の万里の長城が見事に晴天で、日焼け止めを持って行かなかったため、顔が雪焼けのように腫れ上がっています。
上海・北京でお世話になった皆様、ありがとうございました。
私が中国に行こうと思ったきっかけは華僑の国に住み、華僑に興味を持ったためですが、中国で出会った(街であいさつしたとかいうレベルではなく、友人に連れて行ってもらった飲み会・イベントなどで話をした)人々も、台湾人、香港人、台湾系アメリカ人、香港系オーストラリア人、シンガポール人、中華系マレーシア人・・・華僑ばっかり。
私は中国語ができないので、英語でのコミュニケーションに限られてしまったのですが、上海生まれの上海育ち、今は上海で欧米系高級ブランドの戦略チームに属し、さぞかし上海でハッピーかと思われた友人も「娘のためにシンガポール移住を考えている」とかで娘さんはシンガポール人候補。
よくあちこちと動き回り、そしてよく自分たちだけで集う人たちである・・・
(華僑を含む)中国人の間でも出身地、言語、学歴、年収その他さまざまな属性によって、複雑な階級意識、偏見も存在し、部外者にはなかなか理解できない世界なのですが、それにしてもよく集まりますねー、この人たち。
何となく「たまたまシンガポール人」「たまたまオーストラリアのパスポートホルダー」なだけで、国家は便宜上設けられた器みたいなもので、それを都合に合わせて利用している、という印象でした。
『国籍と人種と民族と・・・』でも書きましたが、彼らにとって一番重要なアイデンティティーは民族(ethnicity)なのかも(もちろん海外で暮らした年数、いつ移住したか、そこでの経験によって一人一人異なります)。
私は年輩の中華系シンガポール人に「夫がオーストラリア人」と話すと「中華系オーストラリア人か白人か?」と聞かれることが多いのですが(そして「白人」と言うとがっかりされる)、その質問の背景もこういった理由なのかもしれません。
これからの時代、華僑がどのように移動するのか見守るのが一層楽しみになってきました。
家に帰ると、住んでいるアパートのオーナー(個人ではなく企業)からChristmas Hamperが届いていました(日本のお歳暮みたいなものかな? 普段お世話になっている人に送る詰め合わせギフトです、送ったことないけど)。
優雅にひとり旅などしているうちにクリスマスはもうそこまで迫っていました・・・週末は準備しなきゃ・・・
December 20th, 2008 at 12:44 am
中国人?漢民族?って、四千年前の昔から、大陸を股にかけたコスモポリタンだったんでしょうね。国家の保護もない異国の地で頼れるのは血の繋がりだけと言う民族の知恵なのでしょうか。文明を起こした民族の誇りなのでしょうか。父祖の地を離れても多くの中国人は漢民族であることに拘っているようですね。また、中国内に他民族を抱えていることもあって、帰国組の受け入れにも寛容なようです。
日本人の場合は圧倒的に数が少ないのでしょうが、いったん日本から離れてしまうとなかなかアイデンティティが希薄になってしまうような気がします。また、南米からの帰国者や二世、三世、中国の残留孤児などの例を見ていると、同じ日本民族として歓迎しているようには思えないですね。それを考えると、中国人にとって国家は人をいれる器にすぎないかも知れませんが、「人工衛星からでもはっきり見える国境」、海岸線を国境として持っている日本に生まれ育った日本人にとって、何なんでしょうね。
December 20th, 2008 at 9:46 pm
>Jiroさん
>国家の保護もない異国の地で頼れるのは血の繋がりだけと言う民族の知恵なのでしょうか。文明を起こした民族の誇りなのでしょうか。
民族の知恵・・・そのとおりかもしれませんね。 「必要は発明の母」だったのかも。
>「人工衛星からでもはっきり見える国境」、海岸線を国境として持っている日本に生まれ育った日本人にとって、何なんでしょうね。
最近思うのですが、日本人は「日本国籍」を持ち「日本語」を話す「日本民族」という三重の意味を持ち、この3つの条件を満たさない人は仲間と見なさないのではないか、という気がします。 どのひとつが欠けてもダメなような・・・ その点、中華圏は広いので漢民族という条件を満たすだけで仲間なのでは?