華僑の移住モデル

先週の予告通り、一昨日から上海にいます。
全体的な感想は旅が終わってからにするとして、今回の旅で再会した友人たちの話を。
私は上海・北京に多くの友人(ほぼ全員INSEAD同級生)がいますが、大きく2つのグループに分かれます。

  1. 中国にチャンスを見出して移住し、自分でビジネスをしている欧米人(→『果たしてヤジ馬なのか歴史の証人なのか』で書いたような人たち)
  2. 幼少期に香港・台湾から家族ともども北米・オーストラリアに移住し、欧米で教育・キャリアを積んだ後、過去5年以内に上海・北京に移ってきた(香港・台湾出身)中国人

上記2.に属する友人の家族の歴史は華僑の移住の歴史。
祖父母世代、親世代、本人世代、それぞれ時代によって理由は異なりますが、移住を繰り返しています。 迫害を逃れるためなど必要に迫られたものだったり、子供のより良い教育機会を求めるためなどopportunistic(機に乗じた)だったり、その時々でのベストな判断だったのでしょうが、とにかくそのたくましさと軽やかさは何度聞いても感動を覚えます。

  • 上海在住P(♀)

祖父母世代が中国本土から台湾に移住。 Pは1977年に台湾で生まれる。
1987年、10歳の時に一家でシドニー(オーストラリア)に移住。
2000年 大学卒業後、シドニーの米系投資銀行勤務。
2004年 INSEAD(フランス)でMBA取得。 卒業後ロンドンの英系メディアグループで勤務
2006年 上海に転勤。 今年、上海内でプライベート・エクイティに転職。
中国語と英語を話し海外で高等教育を受けた者として、キャリア的には今は上海にいるのが一番と断言。 ただし、文化的背景の違いなどから(Pは完全に西洋化している)長期間住む場所としては考えられない、とのこと。
両親はPが大学時代に台湾に帰国し、現在は台湾在住。 妹は大学卒業後アメリカに移住。

  • 北京在住N(♀)

祖父母世代が中国本土から香港に移住。 両親は香港からトロント(カナダ)に留学中に出会い、Nは1976年にトロントで生まれる。
1999年 バンクーバー(カナダ)の大学卒業後、1年間オーストラリアに住んだ後、香港に移住。
2003年 INSEAD(フランス)でMBA取得。 卒業後、香港の会計事務所に勤務。
2006年 北京に転勤。
北京は数年住んでもいいが、いずれはカナダに戻りたい、とのこと。
両親は香港在住。 妹はカナダ在住。
他にも複数名同じような経歴の友人がいるのですが、彼らに共通しているのは親世代が子供にとってのよりよい環境を求めて北米・オーストラリアなどに移住。 子供が大学に行った後、親は出身地に帰り、子供はキャリアを積むために最適地に移動(現在はそれが中国)。 
今は上海や北京にいる彼らも家族ができたらまた同じように教育環境のいい場所に移っていくのだと思います。
こんな人たちが数百万人という単位で世界各地にいるのだから中国人ってのはすごい。 集団で移住していくだけで、移住先を中国化し社会を変質させてしまうパワーもすごいです(いいか悪いかは別にして)。
彼らの移住先を見るだけで世界の中でライフステージに合わせた最適地の変遷が見えるような気がするのですが・・・


2 responses to “華僑の移住モデル

  • Jiro

    こんにちは、Jiroです。
    同僚の華僑の人たちにお話を聞く機会が何度となくありましたが、彼らの柔軟性とコスモポリタンには驚きますね。今でも覚えているのが、彼らの使用する言葉の選び方です。中国人同士らしい人と初対面で話すとき、まずその会っている現地の言葉でお互い中国人であることを確認、次にお互いのいくつかある使用言語を確かめて、一番意思の疎通できそうな言葉を探して、その言葉に移行する。別の中国人らしい人が会話に入るときは、同様の手順で、今度は3人に共通する言葉で、最善のもの...と言う風になるらしいとのこと!まるでベルギー人のようでした。
    そうそう、彼は自分の義理のお母さまとは共通の言葉が、お母さまの苦手な英語しかなくて、苦労したと言っていました。彼は客家がベース、広東語、北京語と英語、日本語。お母さまは福建と片言の英語だけだったとか。
    なかなか、日本に住んでいる日本人には理解しがたい世界ですよね。

  • la dolce vita

    >Jiroさん
    >今でも覚えているのが、彼らの使用する言葉の選び方です。
    言葉には出身地ももちろんのこと、年齢がかなり関係しますよね。 上海の人民広場を歩いていたときに、話しかけてきた青島出身の中国人グループのひとり(推定年齢30代後半)は、「僕が小学生のとき習ったのはロシア語だったのに、今娘は2歳から英語を習っている」と言っていました。
    >彼は自分の義理のお母さまとは共通の言葉が、お母さまの苦手な英語しかなくて、苦労したと言っていました。
    まあ、うちもそうですけどね(笑)。 父と夫の共通言語は・・・私の通訳かな?

Leave a Reply

Fill in your details below or click an icon to log in:

WordPress.com Logo

You are commenting using your WordPress.com account. Log Out / Change )

Twitter picture

You are commenting using your Twitter account. Log Out / Change )

Facebook photo

You are commenting using your Facebook account. Log Out / Change )

Google+ photo

You are commenting using your Google+ account. Log Out / Change )

Connecting to %s

%d bloggers like this: