ガイジンであるという特権

今日はあえて結構微妙なトピックに挑戦、です。
シンガポールでの私の友達はほとんどが欧米人です(夫も入れて欧米豪人と呼ぼう)。
これはINSEADシンガポールキャンパスを卒業した同級生がそのままシンガポールで就職したケースが多いためで、別に日本人を避けているわけではありません(むしろ日本人の友達、求む!)
「シンガポール? 2、3年はいようっかなー?」などと言っていた(私の夫を含めた)彼らがシンガポールを離れられない理由。 それはズバリ「ラクだから」。
シンガポールはガイジンにとって非常に「ラク」な場所です(正確には外国人全員ではなく、白人+日本人)。
*一般的に言われる「清潔」、「暖かい」、「犯罪が少ない」などはシンガポール人も享受できる要素なのでここでは省きます。
*去年来の家賃高騰により少なくても経済的には「ラク」な場所でなくなってしまいました。 嗚呼、悲しい・・・
*政府による管理国家、言論統制などは外国人にとっても評判悪いですが、ここでは省略。
以下、私が思う「ラク」な理由。
1. シンガポール人であれば受ける社会的プレッシャーとは無縁である
2. 住民の1/4が外国人なので、すべてのサービスが外国人も対象としており円滑・スムーズに生活できる
3. 白人と日本人は(語弊を恐れずに言うと)特権階級である
*あくまで、私たちの観察結果ですので、関連のある方、気を悪くしないでくださいね。 反論はぜひコメントで。


1. シンガポール人であれば受ける社会的プレッシャーとは無縁である
日本は比較的、社会からの心理的・道徳的プレッシャーが強い国だと思っていましたが、シンガポールもなかなか負けてはいません(サンプルが周りの中国系シンガポール人に限られているので、インド系とマレー系も同じなのかは不明)。

  • 超学歴社会で(大学はもちろんのこと)中学校、高校名で相手のランキングを測る
  • 社会的ステイタスを物(車、ブランド物)で測る
  • 家庭では中華思想、儒教思想は根強く残っており「親の面倒は子がみるもの」「妙齢になったら早く結婚してたくさん子どもをつくれ」といった家庭でのプレッシャーは強い(シンガポール人は結婚するまで親と住む傾向にあるので、家ではうるさく言われていると思われる)

日本人だって、(あんなにeasy goingに見える)オーストラリア人だって、自分の国にいると、程度の違いこそあれ社会的プレッシャーはあるのですが、外国人という身分では全く無縁です。
2. 住民の1/4が外国人なので、すべてのサービスが外国人も対象としており円滑・スムーズに生活できる
携帯電話の契約、アパートの賃貸契約、どれを取ってもとにかく外国人を相手にすることに慣れています。 これは、とにかく素晴らしい!のひと言(フランスに住んだ経験があるので、なおさらそう感じる)。
3. 白人と日本人は(語弊を恐れずに言うと)特権階級である
アジアではどこの国でも一定割合で白人をちやほやする人と勘違いして横柄にふるまう白人(politically correctに言うとCaucasian)はいるものです(*1)。
シンガポールではそれに加えて日本への憧れもやたらと強い(台湾もそうらしいですが、私は台湾へ行ったことがないのでわからず)。 年輩の人で日本軍がシンガポールを侵略した時代を覚えている人はいますが、若い世代は圧倒的に親日的。
これだけ、ラクな要素が揃うと、このぬるま湯的環境を当たり前と勘違いしてしまいそうです。 外にはもっと厳しい世界があるというのに・・・
たまには、厳しい世界も体感しに行こう、と思っています(要は「旅して世界を見聞する」、ってことです)。
*1 日本でのこの手の現象を分析した本に『六本木発グローバル恋愛』があります。 正直、買うほどではない本ですが、現象として知っててもよい内容かな、と思います(日本人、外人と一般化はできず、「世の中いろんな人がいるのね」ということで)。
http://rcm-jp.amazon.co.jp/e/cm?t=sekaikyulifestyle-22&o=9&p=8&l=as1&asins=4862481329&fc1=696969&IS2=1&lt1=_blank&m=amazon&lc1=708090&bc1=FFFFFF&bg1=FFFFFF&f=ifr&npa=1


One response to “ガイジンであるという特権

  • la dolce vita

    (過去のコメントは以下)
    y/mode  August 23, 2008 8:58 PM
    納得です。。 日本に住んだことのある外国人なら、2についてはシンガポールの良さが身にしみるでしょうね。。
    アジアに住むCaucasianはいわゆる”ガイジン”カードでいい思いをするイメージがありましたが、そっか、日本を出れば、日本人もそうなのか・・ 昔の彼(イギリス人)が、「本国では誰にも相手にされないような男が、日本にきたら (目が青く金髪だから)トムクルーズに似てると言われ彼女が何人もいる。Truely good lookingな自分には、納得いかない現象だ。」って言ってました。(そういうアンタは何者、、と思いましたが・・)
    ぴー  August 23, 2008 10:18 PM
    初めてコメントさせていただきます。
    納得。ホントそのとおりですよね。
    まさかこんなに親日的とは思ってもいませんでした。
    私も実は奈良出身です。
    そしてINSEADシンガポールキャンパスへフランスから来月友達がやってきます。
    (私はシンガポール在住)
    共通点、共感することが多いのでたまにのぞきにきています☆
    Masa August 24, 2008 3:58 PM
    はじめまして、Mixiの足跡から来ました。
    シンガポールに住んで2年半になりますが、確かに困った事が記憶にありません。中国系シンガポーリアンと見た目はさほど変わらず街で疎外感を感じることもなく、それでいてここで言われているようにローカル特有の社会的プレッシャーは感じず、都合よく言葉の通じない日本の街にいる感覚です(特に日系企業なので)。
    ただ会社の中ではインドネシアやパプアニューギニアのような環境の悪い地域に駐在している人の方が熱狂的なファンになるみたい(大嫌いになる人も多いが、、、)。自分も日本に帰った後ここで起こった事、経験した事、考えた事は忘れないと思いますが、それが=シンガポールを忘れない、にはならないと思います。
    la dolce vita August 24, 2008 8:44 PM
    >y/modeさん
    >そっか、日本を出れば、日本人もそうなのか・・・
    シンガポールとわずかな国だけですけどね、おそらく。
    >昔の彼(イギリス人)が、「本国では誰にも相手にされないような男が、日本にきたら (目が青く金髪だか
    >ら)トムクルーズに似てると言われ彼女が何人もいる。Truely good lookingな自分には、納得いかない現
    >象だ。」って言ってました。
    いるらしいですねー、勘違いしちゃう人。
    その彼は本当にtruly good lookingだったんですか?(笑)
    >ぴーさん
    偶然ですね! ぜひ、これからものぞきに来てください。
    そのうち、シンガポールでブログ・オフ会(?)なぞ企画しようかと思っているので、ぜひ来てくださいね。
    そのINSEADシンガポールのお友達にもお伝えください。
    >Masaさん
    初コメントありがとうございます。
    >ただ会社の中ではインドネシアやパプアニューギニアのような環境の悪い地域に駐在している人の方が
    >熱狂的なファンになるみたい(大嫌いになる人も多いが、、、)。
    それは面白いですねー、印象が強烈なほど好き嫌いが分かれるんでしょうね。
    シンガポールは「大好き」になる国ではないかもしれませんが、「ラク」なことは確かです。
    EDGE   August 24, 2008 10:03 PM
    私はシンガポールには行ったこともありませんが、ごく短期間の海外駐在(先進国)の経験からは”ガイジン”の気安さというのは世界共通かもしれないと感じます。
    私は語学は決して得意ではなく、駐在中も随分苦労しましたし、仕事の上でもあまりハッピーではありませんでした。
    しかしどういうわけか不自由も多い生活のなかで心持ちはとても自由で、自然な自分を感じていました。
    私の場合、無責任は気楽ってことかもしれませんけど。
    一方、日本駐在の白人男性諸氏が、、、というのも在京外資金融勤務の過程で多数見てきています。
    本国から出張できた上司が「もてる奴は海外に出たがらない」という趣旨の話を日本人相手にしていましたよ。
    でも、それはそれでいいんじゃないの、って気はします。
    シンガポールで日本人男性はモテモテ!って話が広がると転勤希望者が激増するかも(笑)
    岩田 弘志  August 25, 2008 6:20 AM
    ご主人様、INSEAD出身ですか。
    以前 GLOBAL MANAGER誌で紹介されたおり、
    行きたくて仕方なくなったことがありました。
    (お金と能力はさておき(笑))
    la dolce vita August 25, 2008 9:12 AM
    >EDGEさん
    >ごく短期間の海外駐在(先進国)の経験からは”ガイジン”の気安さというのは世界共通かもしれないと感じます。
    そうですね、ローカルが負う「市民としての責任」とかプレッシャーとかは外国人として無縁でいようと思えば無縁でいられますよね。 短期滞在なのでそもそもローカル社会に溶け込む必要性も気も感じていない外国人であればそれでいいのですが、長期滞在(もしくは骨を埋める覚悟)で溶け込もうと頑張る外国人がいれば受け入れる社会が理想なのかな、と思います。
    >本国から出張できた上司が「もてる奴は海外に出たがらない」という趣旨の話を日本人相手にしていましたよ。
    人によるんじゃないでしょうかね? 「海外にオレのopportunityがある!」と思って出ていく人は、「本国にいたらモテるから出たくない」とかいうレベルのことは考えていない気がしますが(笑)。
    >シンガポールで日本人男性はモテモテ!って話が広がると転勤希望者が激増するかも(笑)
    シンガポールの日本人男性は家族同伴の駐在員が多いので、家庭持ちはモテません(笑)。
    独身の方の例はあまり聞いたことないので、ご存知の方はぜひこちらにコメントください〜
    >岩田 弘志さん
    うちは夫婦そろってINSEAD、友人も(シンガポールキャンパスの流れで)INSEADつながりが多く、至って会話が偏っております。
    とてもいい学校なのですが、日本での知名度はイマイチなので、こうやって地味に宣伝しています(笑)。
    ぴー  August 25, 2008 8:09 PM
    そうですね!オフ会などあれば楽しいかもしれません。ぜひぜひ!!
    Inseadの友達にももちろん伝えておきます☆

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