ロンドン保育事情

一昨日は息子の6ヵ月のHalf year birthdayでした。 ・・・と言っても私は忘れていて、友達に「おめでとう」と言われて思い出しましたが。
3ヵ月頃から薄々気づいていたのですが、とにかくめちゃくちゃアクティブ。 ハイハイもできないのに(お座りはだいぶ上手に)、立ちたがり、歩きたがり、起きている間は始終”たっち”を要求し、”たかい たかい”をビギナーレベルとするアクロバティックな遊びが大好きなので、夕方になると親はへとへとです。
体力が持たないし遊ぶネタにも尽きているので、来月からはナーサリー(保育園)に行ってもらうことにしよう。
イギリスには3歳児以下の公的保育がありません。 3歳児からはプリスクールという幼児保育(たいてい公立小学校に隣接していて週15時間と短い)に通えますが、3歳までは以下のオプションから選ぶのが一般的、いずれも政府の補助金はありません(間違ってたら教えてください)。
1. ナニーを雇う
乳児・幼児の保育のプロフェッショナル。 住み込み(live-in)と通い(live-out)、フルタイムとパートタイムがあり、クオリティはピンキリ、給料もピンキリ。 フルタイムの場合、雇い主が税金やNational Insurance contribution(国民保険料負担)も支払うので、月間コストは2,000 – 3,000ポンド(約28 – 42万円)くらい。
EUの東方拡大で(→『移民の街 ロンドン』)、東欧系移民が非常に多いが、イギリス人のプロ・ナニーも多い。


2. ベビーシッターを雇う
ナニーとの違いは保育を本業としているか否か。 日中は学校や会社に通い夜や週末ベビーシッターのアルバイトをする人も多い。 ロンドンの時給相場は7 – 10ポンド(約1,000 – 1,400円)。
3. チャイルドマインダーに預ける
自身も子どもがいる女性が自宅で他の子どもも預かることから始めるケースが多い、家庭内での少人数保育。 チャイルドマインダーという国家資格でOfsted(政府運営の監査機関)の監査も入る、保育スペースなど環境により年齢別に預かってよい乳児・幼児の数が決められる。 私のエリアでは相場は1日10時間で50ポンド(約7,000円)くらい。
4. ナーサリーに預ける
日本でいう保育園。 2歳児からが多く生後3ヵ月から預けられるところは数が限られる。 フルタイムとパートタイムがあるが、私の近所では一番安いところでフルタイム(8:00 – 18:00)月1,000ポンド(約14万円)、高いところ(英仏バイリンガル・ナーサリー)で月2,500ポンド(約35万円)。
イギリスはさすがメアリー・ポピンズの国、集団保育のナーサリーよりじっくり1対1で子どもと向き合ってくれるナニーを好む人が多いです。 負担費用を減らすために近所の同じ月齢の子どもがいる家庭でナニーシェアすることもよくある(専用サイトも→Nanny Share)。 また家庭内保育が主流なので、チャイルドマインダーに預ける人も多い。
私も夫もナニーやチャイルドマインダーのように1人の人に全面的に頼るよりは、複数の人(システム)にみてもらった方がいろいろな意味でリスクが低い、という考えだったので、ナーサリーに預けることで意見一致。 預けられる本人も、広い場所でさんざん叫びながら走り回るタイプになりそうなので、ナーサリーの方が合うだろうし。
私はすでに家で仕事を始めているので、週2回日本人のベビーシッターさんを頼んでいるのですが、週5日フルタイムで預ける日が刻々と迫ってくるのを前に、「うー、朝から夕方まで離れるのは嫌だ〜」と初めの1ヵ月だけパートタイムにできないかナーサリーに電話してしまいました。
「ウェイティングリストがあるから今から変えるとフルタイムのポジションがなくなる」とすげなく断られましたが・・・
本人はまだ全く人見知りをしないので、ナーサリーで朝離れるとき泣くのは私なんだろうなー。 


6 responses to “ロンドン保育事情

  • y/mode

    yokoさんお久しぶりです! 元気でがんばってらっしゃるんですね。
    もう帰国したけどロンドンで子供二人育てながら通訳をしていた友人は、住み込みのお手伝いさんがいてました(日本人) それはそれで気を使ったり大変な気がするけど、、 住み込みになる前は、朝5時に起きて朝ごはんと夕飯のしたくして、シッターさんに預けてからタクシーで飛ぶように出勤・・みたいなすごい働き方してた気がします。
    ナーサリーデビュー、どんな風になるでしょうね。泣くのはやはりYokoさんなのか・・!?

  • mignon1117

    やはり、イギリスの保育料は全般的に高いですね。  
    日本の場合は、シッターに長時間預けるのは話にならないほど高いので、うちの場合は、迷いもなく集団保育の場(=保育園)に預けることにしました。 区の(認可)保育園に預けられなかった人が、近所の保育ママさんに預けるというのも聞いたことがあるのですが、集団保育のほうが、子供も小さいながら、いろんな価値観に触れることができると思うので、それが良いと思って、保育園に預けました。
    ご存知の通り、日本、特に大都市圏は保育園の数が全然足りないと言われているのですが、ロンドンの事情はどうなのでしょうか?
    確かに、離れる時にお互い寂しい思いをするのは、切ないですね。 ただ、その瞬間だけで、お互い、すぐ忘れてしまうものです。

  • やぎ

    la dolce vitaさん、こんにちは。
    イギリスでは、保育サービスに補助金はおりないのですね。
    いろいろな意見がありますが、私は、日本の認可保育園のレベルはかなり高いと思っています。ですが、都市部では数が足りていないため、やむを得ず無認可の園を選択する親も多いのが現状です。
    補助金が運営に組み込まれているか否かで、サービスに差が出るのは当然ですから、利用者の間に不平等が生じていることになります。また、サービスの提供側にとっても、その労働環境や待遇に不平等を抱えているわけです。日本でナニーやシッターなどがいまいち定着しないのも、認可保育園というシステムが、あまりに「できすぎている」からではないかと、私は思っています。
    今回のエントリを読んで、日本に比べイギリスでは、未就学の子供を育てるのに、大きなコストがかかるのだなと思いました。プリスクールが週15時間というのも、率直に驚きました。ナニーやシッターと組み合わせたりするのでしょうか?
    ここからは私の日本的な(?)想像でしかありませんが、これだけコストがかかる場合、女性・家族にある程度の経済力がない限り、子供が小さいうちは仕事から少し離れるということになりがちに思えるのですが、実際、そのあたりどうなのでしょう?
    あるいは、育児はコストのかかるものなのだというコンセンサスがあるのでしょうか?
    また、上の補助金の話との関連で思ったのですが、個人や家族に対する手当や、税の優遇などもないのでしょうか?
    なんだか散漫なコメントになってしまいましたが、、、アクティブな息子さん、先が楽しみですね!

  • beaver

    ロンドンの保育園やシッターさんの様子、興味深く読ませていただきました。私はまだ妊娠中ですが、先週、京都の民営の認可保育園の見学に行きました。一番早くて産休明け(生後9週間)から預かってくれるそうです。さすがにそれほど早く預けることはないですが。半年ぐらいは育児休暇を取ろうと考えているのですが、4月入所のチャンスを逃さないようにすると生後4ヶ月ごろから預けることになるので、いつから職場に復帰しようかと迷っています。はじめの1ヶ月は「慣らし保育」といって、母親が職場に復帰する前の状態で預かってくれるようです。
    保育園は清潔で、建物や園庭の設備もこどもの安全に注意が払われているようで好感が持てました。「保母さんがたくさんおられますね。」と言ったところ、0歳児は保母さん対園児比が1対3と法律で決まっていると教えてくれました。昔、勤めていた病院の新生児集中治療室では夜勤帯になると看護師3人で赤ちゃん12、3人をみていたことを考えると、1対3は悪くないと感じました。
    ちなみに保育料は民営でも認可園は共通で、世帯の所得税納税額と預ける時間、3歳未満か3歳以上かによって決まるようです。最長の朝7時半から夕方6時まで0歳児を預かってもらったら、うちの場合は月9万円です。おもしろいことに、もし1人目の子が保育園に通っていて、2人目の0歳児を同様の条件で預ける場合は、月2万7千円と大幅な減額があります。3人目だったら無料です。

  • la dolce vita

    >y/modeさん
    >住み込みになる前は、朝5時に起きて朝ごはんと夕飯のしたくして、シッターさんに預けてからタクシーで飛ぶように出勤・・みたいなすごい働き方してた気がします。
    そうなっちゃいますよねー うちはBreakfastもDinnerも夫が準備するようになりました。 
    >ナーサリーデビュー、どんな風になるでしょうね。泣くのはやはりYokoさんなのか・・!?
    4時間以上、離れたことがないから辛いですよー ナーサリーにウェブカムつけてほしい(笑)
    >mignon1117さん
    >日本、特に大都市圏は保育園の数が全然足りないと言われているのですが、ロンドンの事情はどうなのでしょうか?
    人気のあるところは妊娠中からウェイティングリストに載せる必要があるらしいです。 私は生後3ヵ月で申し込みましたが、ギリギリでした。
    >やぎさん
    >日本に比べイギリスでは、未就学の子供を育てるのに、大きなコストがかかるのだなと思いました。
    以前書きましたが(↓)、子育てに関する福祉はヨーロッパ最低レベルです。 アメリカより少しマシなくらい。 引っ越すことを決めた後に知ったんですけどね・・・(苦笑)
    http://www.ladolcevita.jp/blog/global/2010/04/nappy-valley.php
    >これだけコストがかかる場合、女性・家族にある程度の経済力がない限り、子供が小さいうちは仕事から少し離れるということになりがちに思えるのですが、実際、そのあたりどうなのでしょう?
    >あるいは、育児はコストのかかるものなのだというコンセンサスがあるのでしょうか?
    >また、上の補助金の話との関連で思ったのですが、個人や家族に対する手当や、税の優遇などもないのでしょうか?
    エントリーにしますので、少しお待ちを。

  • la dolce vita

    >beaverさん
    京都の保育園事情を教えて頂きありがとうございます。
    息子が2歳か3歳になったら里帰りのたびに日本の保育園に一時的に入れたいので、これからもぜひ教えてください。
    >4月入所のチャンスを逃さないようにすると生後4ヶ月ごろから預けることになるので、いつから職場に復帰しようかと迷っています。
    日本はそうみたいですね。 生後4ヵ月だとようやくラクになる時期だと思いますが、実はこの頃から(笑い出してから)が最高に可愛くなる時期! 毎日毎日成長するのを見逃したくないし、ジレンマですねー・・・
    >0歳児は保母さん対園児比が1対3と法律で決まっていると教えてくれました。
    これはたぶんイギリスも一緒です。 でも生後9週の乳児3人は1人でみるの無理だけど、生後10ヵ月くらいなら大丈夫かも、とひと言で0歳児と言えど、すごーい差がありますけどね。

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