日本の田舎の魅力を世界に – 1

今回の信州旅行は、「山奥の露天風呂で自然に囲まれながら熱〜いお湯に浸かった後、ふにゃふにゃになった体のままで極上の旅館料理を食べたい」という夫のかねてからの希望(ファンタジー)を叶えるのが目的。
厄介なのは、私たちの旅のスタイル(*1)は「田舎をドライブしながらゆっくり1ヵ所に2, 3泊しその土地の料理や文化を楽しむ」というものなので、日本でこれをやろうとするととてつもなくお金がかかってしまうこと。
*1・・・今年は、このスタイルで、1月には南インドに2週間(→1, 2, 3)、5月には南フランスへ10日間(→1, 2, 3)旅しました。
今回は親孝行も兼ねながら(というか、親が全部手配してくれて車の運転もしたので、親孝行になっていなかった)、信州の山奥の旅館に泊まり温泉三昧すること5泊6日。 夫が始終、食事(田舎懐石料理)・自然(紅葉真っ盛りの信州の秋)・サービス(旅館のホスピタリティー)を絶賛していたので、目的は果たせたとほっとひと息。
ここ数年の夏は南ヨーロッパの田舎をドライブ旅行することが定着していたのですが、日本の田舎はヨーロッパに負けず劣らず魅力的なことを確信していたものの、外国人(= 夫)の口から聞けてさらなる確信を深めました。
ところで、東京や京都など主要観光地では激増した感のある外国人観光客、伊豆・箱根、木曽路・白川郷といった公共交通で行ける観光地にも増えているのですが、今回行った場所ではいずれも夫以外の外国人を見かけませんでした。 やはり増えているところと全く恩恵を受けていないところと二極化しているよう。
日本の田舎は魅力は十分、存在を知れば来たいと思う外国人観光客はたくさんいます。 そこで「このハードルだけ取り除けば呼び込める」というものを考えてみました(このブログを田舎の旅館の人が読んでいるとは思えませんが・・・)。


1. 交通手段
最大の難関はこれ。 宿にチェックインしてしまえば後は何とかなるが、公共交通が近くにない場所は来る手段がない。
私たちはレンタカーを借りたので、外国人でも運転できそうか注意深く道路標識を見ていたのですが、まあ無理ですね(キッパリ)。 意外と幹線道路の交差点標識は日本語とローマ字が併記されているのですが、その他はほとんど日本語のみなので、超日本語上級者でないと日本での運転はまず無理でしょう。
多くの旅館は最寄りの駅やバス停まで送迎しているので、今の日本語ウェブサイトに加え、簡単な英語版もつくり送迎情報を載せることで解決。 電車やバスの時刻表は英語ウェブサイトがあるし、駅構内の表示も何とかなることが多い(このへんは旅慣れた欧米人であれば、自分で調べてやってくる)。
2. 宿
日本式の旅館のサービスは素晴らしくクオリティが高いものですが、ゆったり2週間くらいかけて旅したい外国人旅行者が一番困るのが「高い」「朝・晩のご飯が多すぎる」です。
私たちが今回宿泊したところ(まほろば角間温泉 岩屋館中棚荘)は1人1泊2食付き12,000円〜17,000円でした(伊豆・箱根では15,000円〜20,000円クラス、東北・九州では逆に数千円安いクラス)が、1人につきこの値段はゆったり連泊するには高すぎます。
宿のトータルでの満足感(食事・お風呂・建物の風情・サービスetc.)を失わせないまま、どうすればコストを落とせるか観察しながら考えていましたが、やはり従業員の数が多すぎることが原因だという結論にたどり着きました(人件費の高い日本でこれは致命的)。
従業員の数を減らすためにできる施策(これらは伊豆・箱根など大きな観光地ではすでにやっている旅館も多いですが、全体から見るとまだまだ少ないのが現状)。
1. お料理の品数や質は落とさずに給仕する回数を減らす
懐石料理は、先付・八寸・鍋物・向付・蒸物・焼物・揚物・桶・御飯・止椀・香物・菓子・・・と次から次へと目にも美しく食感豊かな季節のお料理が運ばれてくる、とてもLUXな気分になる料理ですが、とにかくお料理を運んでくる回数が多い!(西洋料理なら多くても4回のところを6,7往復していたのでは?)
mahoroba_breakfast.JPGその点、上手だったのがご夫婦2人で最大8人の宿泊客をもてなしているまほろばさん。 右の写真は朝ご飯ですが(夜は暗すぎて撮れず)、小鉢類を先にお膳に並べておき、味噌汁や鍋ものなどは目の前の囲炉裏にくべられたお鍋からセルフサービス。 工夫次第で、何度も給仕が往復しなくても温かいものを温かいまま出すことはいくらでもできると思います。
2. 仲井さんが布団を敷くサービスをやめる
チェックインした後は、仲井さんがお部屋に出入りするサービスを極力やめるとだいぶ従業員が減るのでは? (日本人はともかく)外国人にはたいして感謝されないサービスです。
これで、1人1泊朝食付きで6,000円、2食付きで10,000円以下まで落とせると、かなり長期滞在する人も増えると思います(特に旅行業界では新規顧客獲得コストが非常に高くリピーターや長期滞在客を増やすことは重要)。
さらに、
– メインだけでもいいのでベジタリアン料理を用意する
– ただ単にぼーっとゆっくりしたい人も多いので、宿の庭や中にぼーっと本を読めるような場所をつくる(夫はまほろば(民家)の縁側がお気に入り)
– 床に座れない人のために、和室用の低めの椅子を用意する
・・・etc. あれば完璧です。
長くなったので、明日は、3. アクティビティー編。


4 responses to “日本の田舎の魅力を世界に – 1

  • lat37n

    上記温泉旅館への施策ですが、2000年代前半に地銀が軒並みやばくなり、融資で過剰な設備投資してたような地方の温泉旅館を支えきれなくなって、連鎖で倒れる旅館が出てきたりした時、再生をやってたひとたちはそういう形で相当テコ入れしたと聞いてます。ただねえ、地方では、それで減らされた従業員が他で働くところもないという現状もあったり、複雑ですよね。
    超高級でのれんが確立されてて、至れりつくせりでいいようなところはいいんですが、もっと食事が簡素でいいから安くて長期滞在ができるとこがあってもいいですね。周囲にハイキングコースとかアクティビティが充実していればなおさら。食事が重い、という理由で1泊以上の温泉旅行をなかなかしない私ですが、滞在型な温泉リゾートが確立されたら行ってみたいです。

  • ikd

    うちの近所に昔からある旅館があって、昔は割烹もついててそこそこ高級感のある旅館だったんだけど、いつの間にか外国人旅行者向けの安い素泊まり宿に変わってたの。どうやら先代が亡くなって割烹もなくなってから変わったらしいんだけど、外観は昔からの日本家屋のままだし、小さいけど日本庭園風の庭もあるし、温泉じゃないけど露天風呂もあるみたいで、外国人旅行者には好評らしく、今じゃ日本人よりも外国からの宿泊客のほうが多いんだって。
    確かに日本人でわざわざ東京南部の古びた旅館に泊まる人はいないだろうから、至れり尽くせりなサービスはいらないから、日本風な宿に安く泊まりたいっていう人達にはいいのかなと思う。

  • la dolce vita

    >lat37nさん
    >地方では、それで減らされた従業員が他で働くところもないという現状もあったり、複雑ですよね。
    そう、私たちが泊まった「中棚荘」では若い従業員がたくさんいて、本当に地元の雇用の場になっているのだな、と思いました。
    でも、「雇用のため」というのは、誰も使わない橋や道路など地方の公共工事を思い出させて、結局、競争力の強化につながらないと思います。 それよりもっと人を呼び込んだら、飲食店や娯楽施設など新たな雇用創出につながるのに。
    >食事が重い、という理由で1泊以上の温泉旅行をなかなかしない私ですが、滞在型な温泉リゾートが確立されたら行ってみたいです。
    本当に重いです、5泊してフォアグラのようになりました・・・ 「滞在型の温泉リゾート」を新規開発しなくていいので、今ある箱に工夫するだけで十分できると思うのですが。

  • la dolce vita

    >ikdさん
    >外観は昔からの日本家屋のままだし、小さいけど日本庭園風の庭もあるし、温泉じゃないけど露天風呂もあるみたい
    そういうのは大人気。 東京では本当になくて、いつもあきらめてホテルに泊まってもらってるんだけど、探せばあるんだよね。 夫も20歳くらいのとき、日本に来たときは池袋の1泊4,500円の(たぶん似たような)宿に泊まったって言ってたけど、彼らは長期滞在したがるし、せっかく日本に来たのにホテルに泊まりたくない、って思ってるしね。

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