Happy National Day

昨日はシンガポールNational Day、44周年の建国記念日でした。
『多民族国家の祝日の過ごし方』に書いたように、シンガポールの休日は民族・宗教に関連したものが多く、National Dayはシンガポール国民全員の唯一のお祭りの日。
National_Day_flags.jpg街中がこの日に向けて国旗を飾りhdb(公団)のバルコニーから垂れ下がった国旗がはためくのは毎年お決まりの光景。
戦闘機が空中ショーを行うため1ヵ月ほど前から練習が始まる(日没時に耳をつんざくような爆音を響かせて上空で練習する)のも毎年同じ。
この日のクライマックスは夕方から巨大スタジアムで始まるナショナルデーパレード(NDP)。 簡単に表現すると、北京オリンピックのオープニングセレモニーのスケールダウン版みたいな音楽あり踊りありの一大ショーです。 これに国軍やPAP(シンガポールの与党、人民党)などの行進、毎年異なるナショナルデーソング、クライマックスの花火が加わり、最後の国歌斉唱で国を想う気持ちが最高潮に達する、という趣旨の国威発揚イベント。
政府が大変な予算をかけて行うイベントで今年は不況だから地味にするのかな?と思いきや何のその、今年も派手にやってました(結局、気になってテレビで見てしまった私たち)。
今年の様子は→National Day Paradeオフィシャルウェブサイト


NDP_final.jpgナショナルデーパレードの行われたmarina bayには昨晩15万人が集まったのだそうです(channel news asiaより)。 写真はクライマックスの様子。
私のように、国旗(日の丸)を見ると右翼を連想し、小学校の君が代斉唱で論争が巻き起こる国から行くと、政府主導で数十万人の国民が屈託なく国旗を振り胸に手を当ててNational Pledge(国民の誓い)を行う姿はかなり違和感があるのですが、シンガポールの場合”One People, One Nation”という標語の通り多民族間の融和に最大の力を注いでいます(→参照:『多民族共生の実験場』)。 下記はシンガポール人が学校などで斉唱する誓いの言葉、こちらで昨日の誓いの様子のビデオで見られます。

The Singapore Pledge
We, the citizens of Singapore,
pledge ourselves as one united people,
regardless of race, language or religion,
to build a democratic society
based on justice and equality
so as to achieve happiness, prosperity and
progress for our nation.

日本のように「自分が日本人であるというアイデンティティーに疑問の余地がない人がほとんど」という国から行くと、シンガポールのような若い国がどのようにアイデンティティーを育てていくのか、というのは非常に興味あるトピックですが、National Dayは最も重要な機会なのだと思います。 実際、私の友人のシンガポール人も「National Dayが近づくと愛国心が強まる」と言ってたし。
周りの国々がやんちゃなので(東南アジアで1960年代以降、大規模な民族間の殺し合いが起ってない国はシンガポールだけでは?)、これくらい盛大にしておかないと抑止力が働かないのかもしれません。
『人材の海外流出を防ぐには?』に書いたように出ていく人も多いシンガポール、今年もNational Dayの大騒ぎが終わってちょっとほっとしている私でありました。
44歳、おめでとう! シンガポール!


4 responses to “Happy National Day

  • マリカ

    “One People”で多民族の融和を示すんですね、面白い。
    私は”One People”と聞くと、逆に近代国家の定義である”One Race, One Religion, …”の方を連想してしまって、
    反多文化・反多民族のようなイメージを抱いてしまいます(英語力の貧困のせいですかね)。
    学校で斉唱させられる誓いの言葉と言うと米国の有名なもの(あっちは宗教がかっていますが)を思い出しますが、
    シンガポールでもあるんですね。人の出入りの激しい多民族国家では、子どもの頃から徹底して愛国心を「育て」ないと
    「まとまり」がなくなってしまうのでしょうか。

  • la dolce vita

    >マリカさん
    >私は”One People”と聞くと、逆に近代国家の定義である”One Race, One Religion, …”の方を連想してしまって
    私もそう思いましたが、”One People”は「ひとつの国民」って感じかな?
    >人の出入りの激しい多民族国家では、子どもの頃から徹底して愛国心を「育て」ないと「まとまり」がなくなってしまうのでしょうか。
    そうだと思います。 あと人口が多く争いが多い周辺国に比べシンガポールは小国なので攻撃されたら徹底的にやり返せるように、愛国心を育て常に一致団結して戦える状態にしておく必要がある(男子は2年の徴兵義務あり)と思ってるのだと思います。

  • マリカ

    >攻撃されたら徹底的にやり返せるように、愛国心を育て常に一致団結して戦える状態にしておく必要がある
    >(男子は2年の徴兵義務あり)
    この「危機感」が世界では普通の事(国のあり方)なのでしょうね。
    日本は平和なんだな、と改めて思います。良い意味でも悪い意味でも。
    シンガポールに徴兵制があった事を初めて知りました! 経済力と軍事力、両方備えてこその独立と安全でしょうか。

  • la dolce vita

    >マリカさん
    >この「危機感」が世界では普通の事(国のあり方)なのでしょうね。
    シンガポールって本当に橋のすぐそこがマレーシアで海隔てたすぐそこがインドネシアなんですよ。 そこでは(経済力がある)華僑はよく暴動の対象になってるし、シンガポールは地政学的にも交通の要所だし、日本とは置かれた立場や歴史が全然違うのは確かです。
    国の統治の方法としては「危機意識を煽りまくる」ってのが基本です。 今回の金融危機でも政府は危機意識を煽りまくってましたが、あっという間に経済回復しました(このまま回復するかは未知数)。 このへんは政府の趣味の問題かと・・・(違うかな?)

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