『そんな彼なら捨てちゃえば?』?

こう見えても私、ラブコメ好きです。
しかーし、この邦題では一瞬同じ映画だとはわからなかった、『そんな彼なら捨てちゃえば?』
原題は”He’s just not that into you”です。 つまり直訳は「彼はあなたに気がないだけ」。
30も過ぎると誰にでも「あれは私が○○したから嫌がられちゃったのかな?」「私が○○なんてしなければ・・・」と昔思い悩んでいたことが、実は「単に相手にそんなに気がなかっただけ」という極めて単純明快な事実以外の何者でもなかったという過去が1つや2つ、3つや4つ・・・あるでしょう。
“He’s just not that into you.”というのは、そんな無意味な悩みに明快で現実的な(しかも真実の)答えを与えている素晴らしいアドバイスなのに(そして一般的にこういう冷静なアドバイスをくれるのは男友達である)、なぜ日本語になると「そんな彼」とまるで「悪いのは彼」みたいな表現になってるのか???
そんなに若き女子を甘やかしていいのか、日本の映画界?(いや、たぶん原作の本の邦訳が出たのが先だから、日本の出版界か?)
でも映画そのものは、なかなか上出来のラブコメでしたよ(くれぐれもラブコメ嫌いは見ないでください、笑)。 こちら予告編(↓)。


以前から思っていたのですが、映画・本ともに原題と邦題が異なっている場合、95%くらいの割合で原題の方がいいと思うのはなぜでしょう?
最近、渡辺千賀さんが本のタイトルは国民性を反映していると書いていましたが(『What Should I Do with My Life?』という本の邦訳が、『このつまらない仕事を辞めたら、僕の人生は変わるのだろうか?』というすごいタイトルに)、私の感覚が日本の国民性とズレているのでしょうか?(笑)
最近一番ひどいと思ったたのが、『Nudge: Improving Decisions About Health, Wealth, and Happiness』 。 ”nudge”とは「肘でちょんちょんと軽くつつくこと」で、「まるで肘でつつくように人々に適切な選択を促したり危険を回避させる政策・設計にすれば幸福になれる」、という内容の非常に示唆に富んだ面白い本だったのですが、邦訳は『実践 行動経済学』・・・
私、こんなタイトルの本が平積みされていても絶対パラパラめくったりしないけどな・・・
その他、
『Hot, Flat, and Crowded』『グリーン革命』
『Outliers』『天才! 成功する人々の法則』
など最近読んだ本はことごとく「あーあ、原題の方がいいのに」と思ってしまうのでした。
なお、こちらの「外国人が”日本に長く居すぎてしまった”と思うとき」に「映画のタイトルに”愛”が入っていなければと思う」というのがありましたが、さすがに最近はこれはあまり見ないですね。
私が小学生の頃、勝手に「愛3部作」と呼び敬遠していた『愛と哀しみの果て』(原題:”Out of Africa”)、『愛と青春の旅だち』(原題:”An Officer and a Gentleman”)、『愛と追憶の日々』(原題:”Terms of Endearment”)は、どれも観てみたら(そのチープなタイトルに反して、笑)意外とよかったので、タイトルに惑わされずに感覚が合う人のレビュー・書評を参考にするのが一番いいのでしょう。
以前、『書評の読み方』というエントリーも書いているので参考にどうぞ。
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12 responses to “『そんな彼なら捨てちゃえば?』?

  • haustin

    えー、この映画、そんなタイトルに変えられてたなんて!!!
    私もラブコメ好きなので、見ましたよ。まあ、確かに内容を知っていれば、この訳は間違っていないかもしれないのですが、タイトルだけ比べると、ちょっとちがうよなぁと思いますね。
    この邦訳を英語そのままにやくしたら、うれなさそー。
    逆に、まともに英語と日本語に訳しても、売れないのかな、、、比較を見てみたいですね。売れ行きの。

  • tomokolea

    “Italian Job”も結構クールで面白い映画だったのに、
    日本で『ミニミニ大作戦』とかいって出てきたときには
    しばらく同じ映画だと気づきませんでした。
    内容的には間違いではないかもしれないけど、あたしが原作者だったら訴えるな・・・。

  • ろちょーる

    それを言うならですね、皆様ご存知のイギリス人青年シェフ、ジェイミーオリバーの料理本について申し上げたい!
    日本語版のタイトル、装丁がひどいのです。
    青い目の下町育ちの若いお兄ちゃんがハーブを多用して豪快に楽しく料理する、というコンセプトなら、30代日本女性に大うけだと思いませんか? なのに日本語タイトルは”彼と一緒に楽しく作ろうラブラブごはん”(かなんか)。装丁もピンクで、とてもじゃないけど私手に取れませんでした。
    こんなタイトルで釣れるであろう20代前半女が、日本だったら明治屋でしか売ってないような食材を買えるわけないじゃないの!
    原著を愛用の私ならもっと売れる本にできたのに、と忸怩たる思いだったのでした。

  • わっきー

    そもそも、本のタイトルとかって、わざわざ訳す必要があるんでしょうかねぇ・・・。
    もちろん、知らない単語もたくさん出会うし、ニュアンスがわからないものもあるので、
    サブタイトルみたいな形ではあれば助けになることはいくらでもあるのですが、
    原題を完全になくして、背表紙にそのタイトルがあるのに、ちょっと疑問を感じます。
    「Hot, Flat, and crowded」なんか、別に訳さなくても・・・少なくとも意味はわかると思うのですが・・・。
    それで売り上げが変わっちゃう?んですかねー。

  • beaver

    >『Outliers』 → 『天才! 成功する人々の法則』
    ええっ!英語と日本語ではぜんぜん本のイメージが違いますね。淡々と成功した人々の背景や事故が起こった背景を分析しているのに、「天才!」といウキウキした語感はいただけません。このタイトルをみた本屋さんが、当然のように自己啓発書の棚にこの本を並べたりしているのではと心配になってきました。
    “He’s just not that into you.”は観ていませんが、『そんな彼なら捨てちゃえば?』とはこれまた、、、。この日本語のタイトルで、ほかの人とのつきあいがうまくいかないときに過剰にへこんだり、怒りやすい人を釣っておいて、”He’s just not that into you.”ということを教えるという作戦でしょうか?そこまで考えていたら、まあいいかなと思いますが。
    タイトルひとつつけるにしても、感性の違い、タイトルをつける人の日本語のセンス、出版社の意向などがからんで、案外難しいのかもしれませんね。

  • -hiraku-

    Awakenings→レナードの朝,Dead Poets Society→いまを生きる,とかは結構いい線いってると思う(いま思いついたのが両方ロビン・ウィリアムスの映画だった^^; ).いい日本語が充てられていると,嬉しくなります.

  • la dolce vita

    >haustinさん
    >この邦訳を英語そのままにやくしたら、うれなさそー。
    売れなさそうですかー? 私だったら原題の方が意外性があって足止まりますけどねー
    >比較を見てみたいですね。売れ行きの。
    違うタイトルをつけてみてフォーカスグループインタビューとかしないのかなー、出版社? そんな時間もコストもないのかしら?
    >tomokoleaさん
    >”Italian Job”も結構クールで面白い映画だったのに、日本で『ミニミニ大作戦』とかいって出てきたとき
    たしかに絶対観ないね、『ミニミニ大作戦』(笑)。
    日本でのディストリビューター権契約にタイトルを自由に決める権利も入ってるんだろうね、きっと。
    >るちょーるさん
    >皆様ご存知のイギリス人青年シェフ、ジェイミーオリバーの料理本について申し上げたい!
    ははは。 たしかにジェイミーのポジショニングはひどいですねー
    私、ジェイミーを知ったのは日本だったので見向きもしませんでしたよ、だって「キッチンの王子」とか呼ばれてたし、完全に私はターゲット外でした。
    ところが、最近YouTubeで彼のTV番組見たら、全然違う! フツーのいいあんちゃんじゃん! フランクじゃん! いいやつじゃん!
    各国でのプロモーションのされ方が本人にどこまで伝わっているのか興味あるところです。

  • la dolce vita

    >わっきーさん
    >そもそも、本のタイトルとかって、わざわざ訳す必要があるんでしょうかねぇ・・・。
    映画は昔に比べると随分そのままカタカナにする例が増えましたよね、『キャッチ・ミー・イフ・ユー・キャン』『ボーン・アイデンティティー』・・・ カタカナにされると逆にわからなくて混乱します。
    こんな記事見つけました(↓)。
    http://www.kl.dendai.ac.jp/l-dept/katakanaeiga.htm
    でも、カタカナじゃなくて英語のままだと自動的に頭がスイッチオフして読もうとしなくなる人が多いんじゃないかなー?
    >beaverさん
    >淡々と成功した人々の背景や事故が起こった背景を分析しているのに、「天才!」といウキウキした語感はいただけません。
    ウキウキしてますね(笑)。 ご存知かもしれませんが、マルコムの本は全部こんな感じですよ。
    “Tipping Point” → 『急に売れ始めるにはワケがある』
    “Blink” → 『第1感 —「最初の2秒」の「なんとなく」が正しい』
    説明しなきゃわからないタイトルなんでしょうけれど、残して欲しかったなー(『第1感』はうまいと思うけど)
    >-hiraku-さん
    >Awakenings→レナードの朝,Dead Poets Society→いまを生きる,とかは結構いい線いってると思う
    逆によかった例を探してたんだけど思いつかなかったんだよね、ありがとう!
    “Dead Poets Sociery”→いまを生きる(大好きな映画!)は私もいいと思う。 原題は何を言ってるのかわからん。
    今、思いついたのは、”The Spirit of St. Louis”→『翼よ、あれが巴里の灯だ』、”Les enfants du Paradis” → 『天井桟敷の人々』。 めちゃくちゃ古くてすみません・・・

  • みなみ

    いつも記事を読むのを楽しみにしています。
    ラブコメでショックを受けた邦題、「BED OF ROSES」が「マンハッタン花物語」になっていたことでした。
    当時、中学生だった私でさえ、「そりゃないぜ・・・」と思ったものです。
    確かにマンハッタンでの花屋さんの恋物語で間違ってはないんですけどロマンスが失われる気がするのは何故でしょうねえ。

  • haustin

    >売れなさそうですかー? 私だったら原題の方が意外性があって足止まりますけどねー
    この邦題の英訳だったらそのまますぎですよね。He is not that into you のように、ちょっとしゃれっぽいような意外性がまったくなく。

  • ドイツ特派員

    la dolce vitaさん、
    いや、このネタなら本じゃなくロック好きの私に(笑)。ロックCDの邦題は面白いですよお。昔は必ずといって良いほど邦題を付けていて、Jeff Beckの「Blow by Blow」が「ギター殺人者の凱旋」だったり、AC/DCの「For those about to Rock」が「悪魔の招待状」だったり…。Kissは必ず「地獄の~」が付いてましたし、Panteraというバンドなら必ず漢字二字で(「Far beyond driven」が「悩殺」、「Vulgar display of power」が「俗悪」とまあそれなり)、とかそれなりの統一感は持たせてみたり。正直なところ大半の日本人は原題を言われてもピンと来ないでしょうし、中には訳せないようなものもあったのかも知れません。多くの日本人は英語で言われても良く分からないでしょうし。ただ、最近はこの邦題が減ってしまい、笑うことが少なくなって少し寂しい気もします。
    それでも上にある本の酷い例と違って、音楽のイメージとあわせた邦題なんで、あんまり違和感がないんですね。例えば「Aces High」という曲は「撃墜王の孤独」になって、正直邦題の方が1000万倍かっこ良かったりして。マルコムの「天才!」なんて、あの顔を見て題を見たら全然違う本と感じてしまうかもしれません。カズオイシグロの「The remain of the day」が「日の名残り」ですが、これは良い訳だと思いますね。最近は指摘されているように、「どんな邦題付けてもどうせAmazonで内容はみんな見るだろうから惹きつける邦題でいいや」と思って邦題を付けているかも知れないですね。ちゃんと本を読まずに邦題だけ考えている可能性もあります。
    個人的な邦題の傑作はCarcassというバンドってバンドがありまして、「Incarnated Solvent Abuse」が「硫酸どろどろなんでも溶かす」。「なんじゃそりゃ?」ですね。

  • la dolce vita

    >みなみさん
    >確かにマンハッタンでの花屋さんの恋物語で間違ってはないんですけどロマンスが失われる気がするのは何故でしょうねえ。
    ・・・世界名作劇場みたいな名前ですねえ・・・ 最近、逆にそういうベタなタイトルがなくなってきたので逆に受けるかもしれないですねえ(嘘)。
    >ドイツ特派員さん
    ロックCD、全然知らないけど強烈なタイトルですねー たしかに昔は映画もそうだけどみんな邦題しか知らなくって原題なんて誰も知らなかったですよね。 それだけにつける方の責任が重いわけですが、それにしても「硫酸どろどろなんでも溶かす」って、ちゃんと隅々まで読んでるか確かめてるようにしか思えないんですが・・・

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