久しぶりにJOIこと伊藤譲一さんのブログを見たら、二重の意味でタイムリーなエントリーを発見。
Joi Ito’s Web :ドバイに対するバッシングと「すり替えたがり傾向」について
何といつの間にかドバイに拠点を移していたJOIさんが最近のドバイバッシングとも言える記事(下にリンク)に対し、「今の風潮に合わせてドバイを叩いておこう」というジャーナリズムはいかがなものか?と疑問を呈したエントリー。
New York Times : Laid-Off Foreigners Flee as Dubai Spirals Down
Guardian : We need slaves to build monuments
The Independent : The dark side of Dubai
このNY Timesの記事というのが、ドバイで借金を抱えた外国人が空港に車を乗り捨てて国を逃げ出している(UAEでは借金を踏み倒したら実刑)、というもので、まさに夫や友人たちの間で「いやー、恐ろしいねー」と話題になっていた記事でした。
話は少し逸れますが、こちらのエントリーで紹介した『Ahead of the Curve: Two Years at Harvard Business School』という本にHBS(ハーバードビジネススクール)の卒業生のうち金融業界に進む人の割合とアメリカの株式市場には相関性があるという分析結果が紹介されています。
金融に進む人の割合が10%以下だと長期の買いシグナル、30%以上だと長期の売りシグナル。 HBSの2006年卒業生は42%が金融に進んだ。
かなり正確なシグナルだと思います、バブっているところに人もお金も集まるのである。
この箇所を読んで思い出したのが、INSEAD卒業生で卒業後ドバイに職を得た人が急上昇していたこと。 私は2004年卒でこのときはそうでもなかったのですが、2005年、2006年とまだ日本でドバイの「ド」の字も騒がれていなかった頃、ドバイに移る知人がどんどん増えていました。 「こりゃー、なんかあるなー」と思っていた2006年、出張でドバイに行く機会があったのですが、明らかにバブってました、すでに。
昨日はGoogle検索数が実態経済の予測指標になる話を書きましたが、ビジネススクールの卒業生就職先も先行指標になりそうです。
そんなこともあり、「ドバイに移った人はどうしているのかなー?」と思っていた矢先のNY Timesの記事、JOIさんのブログだったのです。
実際住んでいる人の実感であり、貴重な現場での声として夫や友人にも転送しておきました。
タイムリー2番目の理由は、英語で発信するということについて。
私が自分のブログについて非日本人の友達と話すと必ず「英語で書いてよ」と言われるのですが、この世界級ブログはそのまま英語にしてもターゲットがずれていて響かないし、違う切り口で書こうにもネタも時間も筆力も持ち合わせていないし(日本語の筆力も怪しいものですが)、long-termの課題になっています。
そんな折、このJOIさんのドバイ・バッシングの記事は日本語版はコメント0に対し、英語版は現時点で62ものコメントがついていることを発見。
Joi Ito’s Web : Dubai bashing and ‘what-aboutery’
日本人でそもそもドバイの一件に知見がある人が少なかったのでは?とか、元々英語版の読者の方が多いんだろう、とかいろいろ理由はあるんでしょうが、こんなにも反響の数に違いがあるのだなー、と驚きました。
なお、この記事は”Dubai bashing”と英語でググるとトップページに現れます。
その反響に対するフォローアップ記事にも英語版の方にはたくさんのコメントが。
英語版:Followup to my post on Dubai bashing
日本語版:ドバイのバッシングに関する記事へのフォローアップ
最近のドバイに関して日本のメディア報道も発見。
asahi.com : ドバイ熱 冷めた 開発中断…職失う外国人労働者
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