対中関係を良くする小さな提案

シンガポールのような中華系の国に住んでいると、たまにすごーく困ることがあります。
それは、会話の中で中国の地名、人名などの固有名詞が出てきたときに、英語で言われてもわからない・・・
歴史の授業でも日本語のニュースでも地図でも全部日本語読みで覚えているので、英語(原音に近い)で言われても全くわからんわけです。
最近もこんなことがありました。 夫の職場の後輩(中国人)に紹介されたときのこと。
私:どこの出身?
後輩クン:×△○□
私:(しまった・・・わからないのに聞いてしまった・・・)
後輩クン:×△○□、日本に近いし日本軍が侵略した地方だから知ってるでしょ?
私:(いや、発音がわかんないだけでたぶん知ってる地名なんだよ、遼東半島か? それにしても、そういう言い方するかぁー?)
夫(中国語と日本語が少しずつわかる、漢字も):あー、「トウホク」だよ。
・・・となぜか、中国人と日本人の会話をオーストラリア人に訳してもらう、という意味不明な状況に陥ったのでした(ちなみに東北 = Dong bei)。
基本的な地名や人名がわからないと中国人には「この無知な日本人が」という顔をされます。 シンガポーリアンの若者はさすがにそういう顔はしないのですが、「どういう漢字?」と聞くと(筆談に持ち込もうとする私)、「漢字はわからない」と言われます(中国語を話せても書けないシンガポーリアンは多い)。


私だって、
毛沢東 = Mao Zedong
鄧小平 = Deng Xiao Ping
南京 = Nanjing
福建 = Fujian
くらいならわかるんですが、
温家宝 = Wen Jiabao
始皇帝 = Qin Shi Huang
成都 = Chengdu
になると・・・
はい、今Wikipediaで調べました。
普段からこまめにThe Economistを読んでいて「わからないけど明らかに重要そうな地名・人名」が出てきたら漢字を調べればいいんですが、わからないなりに読めるのでスルーしてしまっている私。
そこで提案。
日本のニュースが漢字に原音の読み方のルビを振ってくれるだけで、だいぶ助かります。
これだけで理不尽に「無知な日本人が」と思われることも減ると思うんですけどね・・・
中国でも日本名の漢字は中国語読みされているらしいですが、そんなことどうだっていいじゃありませんか。 通じてナンボの言葉です(まあ、フランス人もNew ZealandのことをNouvelle Zelandeとか無茶な読み方するが)。 
そんなことを思っていたところ、こんな(↓)コラムを見つけました。
言葉・ことば・コトバ・・・:なぜ中国名は原音表記しないのか?
なぜ中国名は原音表記しないのか? 以下のような理由によるそうです。

1. 中国の文字である漢字が表意文字(読み方よりも意味に重きを置いた文字であること)である点。
2. 中国名を原音表記するには日本語の音は少なすぎて表現しきれない点
3. 方言の多い中国には標準的な原音そのものが存在しない点

ローマ字圏の人だってアルファベットで何でも表記してるんだから、あまり細かいこと言わずにカタカナ(もしくはアルファベット)で表記してくれた方がコミュニケーターとしては大いに助かるんですが・・・


One response to “対中関係を良くする小さな提案

  • la dolce vita

    (過去のコメントは以下)
    lat37n October 4, 2008 9:50 PM
    アメリカ人はヨーロッパ言語をなんでも英語で発音するのですが、これは少し傲慢というかかっこ悪い、と私は常々思っています。サンフランシスコにはle fleur de lysというフレンチの名店があるのですが、そこにいった、とアメリカ人にいったらわかってもらえなくて、何度も説明して「あああー、あなたは、ふろりです、にいったのね」と納得してもらいました。私は高校から大学までフランス語を第二外国語でとっていたので、発音だけはフランス語(風)でしたので、わかってもらえなかったんですが、これは、いつもとおなじように「私の英語の発音が悪くてわかりにくい」というように片付けられては不愉快!と思いまして。笑 同様のことが、ゴディバ>アメリカ人に言わせるとゴダイバ、などで発生しています。
    でも、同じ伝でいくと、たしかに日本人にしか通用しない中国語読みが定着しているのは、少し残念ですね。それはそれで歴史があるわけですが、やっぱりせっかく知っている場所なので、中国の方にも通じる発音で伝えられたらよいな、とおもいます。そういうことで結構場は和みますしね。
    la dolce vita October 5, 2008 4:31 PM
    >lat37nさん
    アメリカ人もそうですねー、そういうarroganceって大国(だと自分で思っている国)はどこでも持ち合わせていると思います。 ”ゴダイバ”や”ふろりです”なんて可愛いもんですよー、一生懸命想像力を駆使したらわかるし(笑)。
    日本語読みは中国人相手だけじゃなく日本人以外の全世界相手に通じないですからね。
    話は逸れますが、最近のインドの都市名変更(例:Bombay→Mumbai、Madras→Chennai)も植民地宗主国(イギリス)時代の読み方から現地の読み方に合わせた例ですよね。 当然の傾向というか・・・
    Masa October 7, 2008 8:31 AM
    私はシンガポールで働きアジア圏へのtradingを行っておりますが、英語で有名な中国人の名前を言えず困った事がありますので、漢字のルビを現地の発音にあわせるのは面白いと思います。金正日は「キム ジョンイル」で覚えているので話がし易い。
    私の中国人(漢字圏、台湾も含む)の友達、お客さんと話す時に中国名が出てくる場合はお互い名前、地名だけは筆談となります。お互い借り物の英語で話している中で名前、地名だけでも漢字での筆談で、お互いの根源が同じである事が確認され、それはそれで親近感が湧くように感じます。
    自分の実感としては漢字圏(中国、台湾人)でない、欧米人、マレーシア人、インド人との会話で(即ち中国人以外の人達)中国について話す時にこの問題にぶちあたります。
    ですから対中関係というより日本人が世界で話を進める場合に、今後話題に上ることが多いであろう中国について話す場合に「中国文化の影響を受けた日本人のくせに中国のこんな歴史上の人物も知らないの?無知な日本人」と中国人以外の外国人から誤解されないよい方法と思われます。
    上記の文を見て違和感を感じたのは①シンガポーリアンでも大卒の多くは(おそらく90%以上は)漢字を理解し、北京語を話せる。その中で東北は難しい漢字でもない。②広東、福建出身者が多いシンガポール人の中で東北出身は珍しい。 ③初対面の、先輩の妻に対して「日本軍が侵略した・・・」の会話を言ってくる事が私には奇異に感じられます。この事例についてはコミュニケーションミスか何か他の意図があったんではないですか?
    la dolce vita October 7, 2008 9:02 AM
    >Masaさん
    詳細なご説明ありがとうございます。 参考になります。
    >ですから対中関係というより日本人が世界で話を進める場合に、今後話題に上ることが多いであろう中国について話す場合に「中国文化の影響を受けた日本人のくせに中国のこんな歴史上の人物も知らないの?無知な日本人」と中国人以外の外国人から誤解されないよい方法と思われます。
    正確に言うとその通りですね。 ただ、漢字がわかる漢字文化圏の人との会話でも(私の場合ビジネスの場ではなく複数の友人同士で集まって皆が口々に話している場で出くわすことが多いので)、私だけが分からないときに、いちいち会話を止めて漢字を聞いていられないのが現状ですので、やはり原音がわかった方がいいです。
    >上記の文を見て違和感を感じたのは①シンガポーリアンでも大卒の多くは(おそらく90%以上は)漢字を理解し、北京語を話せる。その中で東北は難しい漢字でもない。②広東、福建出身者が多いシンガポール人の中で東北出身は珍しい。 ③初対面の、先輩の妻に対して「日本軍が侵略した・・・」の会話を言ってくる事が私には奇異に感じられます。この事例についてはコミュニケーションミスか何か他の意図があったんではないですか?
    このケースはシンガポーリアンではなく東北地方出身の中国人です(最近中国からやってきた)。 「日本軍・・・」の件は、中国人の若者のケースはあまり知りませんが年輩の人は結構いますね。 この場合、「最近中国から来たばかりでビジネスエチケットがあまりわかっていないんだろう」と軽く流してしまいましたが。
    t-mac October 7, 2008 11:02 AM
    偶然にもつい最近、似たようなことを考えていました。
    中国人や韓国人と話す際、漢字(日本語)での読みなら分かっているのに、原音で言われてちっともわからない、もしくは分からないと思われることが非常に多いです。せっかく習った・覚えたのにこれではもったいない。漢字表記をそのまま日本語風に読まずに原音で覚える、もしくは原音のルビを振る、というのは是非すべきだと思います。中国の歴史の話をしようとして古代国家の名前がちっとも通じなくて悔しい思いをしました。
    la dolce vita October 7, 2008 3:16 PM
    >t-macさん
    アメリカにお住まいなんですね! だから悩みが一緒なんですね。
    >中国の歴史の話をしようとして古代国家の名前がちっとも通じなくて悔しい思いをしました。
    そうなんですよね、せっかく知ってるのに共有できない。
    「古代国家の名前」で三国志オタク(だった)の弟(カナダ在住)は、劉備や孔明の話をどう分ちあっているのか気になりました。
    sunshine November 10, 2008 1:01 PM
    中国語読みだって、カントニーズかマンダリンかで随分違うし、彼らは、お互いの言語を理解できないので英語で会話しているくらいだし、やっぱり漢字で会話が一番楽だと思っている私です。
    la dolce vita November 10, 2008 10:06 PM
    >sunshineさん
    >中国語読みだって、カントニーズかマンダリンかで随分違うし、
    人名や地名も読み方違うんですか?
    世の中、漢字わからない人も多いし(欧米人とか)、ケースバイケースですねー

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