日本のイタリア化

昨日のブログで書いたように、外からは「”寿司”、”コスプレ”などイメージだけでも」愛されつつある日本。
私はこれを「日本のイタリア化」と呼んでいます。
別に私の造語でも何でもなく、今年の5月に日経新聞のコラム「核心」で「イタリア化する?日本」が掲載されたのですが、記事が見つからないのでポイントだけこちらのブログから拝借すると以下の通り。

1. イタリアと日本は地理的・風土的に似ているといわれてきたが(南北に長い半島、山が多く四季のある風土)、最近は悪い共通点ばかり目につく。
2. 英エコノミスト誌は,駄目な日本を嘆く「JAPAiN」特集の次に「神よイタリアを助けたまえ」と題する駄目イタリア特集を組んだ。
3. イタリアは欧州の病人。 1人当たりのGDPはEU平均以下。一昨年スペインに抜かれ,来年はギリシャにも抜かれそう。 90年代半ばは英国やフランスより豊かだったのに。
4. 90年代前半はOECD加盟国のトップクラスから中位以下の18位に落ちた日本と似ている。 今や両国はG7で1人当たりGDPや借金財政度でブービーを争う「G7劣等生」。
5. 人口構造や少子化も似ている。 フラグキャリア(航空会社)の経営再建が課題だし(*1)、食品偽装事件も並行して多発。 社会保険庁などの行政のお粗末さも似ている。
6. そのくせ日本人はイタリアが好きだ。 経済至上主義に疲れた(負けた)日本人はイタリアを「生活大国」として憧れる。 街にはイタ飯があふれ,日本社会のイタリア化が見られる。
7. 「ねじれ国会」「短命内閣」すら似ていた。 イタリアはようやくそれから脱出したが,日本は依然として「ねじれ」のままで、イタリアにさえ置いておかれつつある。
*1 アリタリアはついに破産。→伊アリタリア航空が破産申請、採算部門を国内グループが買収へ

私もイタリア大好きですが(そして、ブログで使っているニックネームla dolce vitaもイタリア語)、この記事には深く納得。


悪い点ばかりではなく、次のような点も似てきていると思います。
1. 食が世界中でポピュラー
2. 「物作り」にこだわりあり
以上、2点に関して思うところ。
1. 食が世界中でポピュラー
イタリア生まれのピザ、パスタはもはやグローバルな基本食。 ピザはアメリカ生まれだと思ってるアメリカ人が多いらしいですが、たしかにDomino’s Pizzaがイタリア本場のピザと似ても似つかないのと同様、寿司も有名なCalifornia Roll(アボカド、蟹かま入り)の他にPhiladelphia Roll(クリームチーズ入り)などいろいろ発明されています。
世界狭くなったとはいえ、まだまだ気軽に海外出張/旅行に行ける人たちばかりではないので、ある国を「好き」か「嫌い」かなんて意外と、その国の食べ物が「好き」か「嫌い」かで左右されたりするので、私は海外バージョン大歓迎(私自身が食べたいか?というと別の話だけど、笑)。
今は洗練されていなくても、そのうち日本食オタクみたいな人がどんどん究めていってくれるのではないかと・・・(今はイタリア人をもうならせる東京のイタリアンレストランも30年前は「スパゲティといえばナポリタン」みたいな世界でしたもんね)
2. 「物作り」にこだわりあり
先代の努力のおかげで高品質の代名詞になった日本製品。 とはいえ、そのブランド力というかポジショニングはイタリアン・ブランドとはだいぶ異なります。 国際的知名度のあるブランドといえば・・・?
車・バイク:日本 → TOYOTA、HONDA、NISSAN
      イタリア → MASERATI、Alfa Romeo、Ferrari
ファッション: イタリア → GUCCI、PRADA
       日本 → ユニクロ、無印良品???
高級ブランド王国として長い歴史を誇るイタリアに一日の長がありますねー
ただ、私は日本もイタリアのように「物づくり」で高級路線へ!とはちっとも思わない。 たしかにこれらの高級ブランドによって国全体のブランド・イメージは上がっても、「GUCCIがあるからイタリア国民は幸せになった」という話は聞かない。
TOYOTAが高級路線で成功したとしても日本の国力全体(=経済力、と言い換えてもいいけど)を引き上げられるとは考えにくい。
製品の輸出で復興はやっぱり難しい。
日本のイタリア化で一番問題なのは、やはり「国民全体に閉塞感や停滞感がくすぶっていて払拭できない」ことなのではないかと。
イタリアはどうか知りませんが、日本の場合、生活は便利だし、それなりに居心地がいいので中にいると「まっ、いっか」となってしまいがちなのですが、すぐ外のアジアには閉塞感や停滞感とは無縁の世界があります。
続きはまた後日。


One response to “日本のイタリア化

  • la dolce vita

    (過去のコメントは以下)
    lat37n September 10, 2008 3:32 PM
    なるほど、日本のイタリア化ですかー。私にとっては、ベネチアとちょっとダブるんですよね。ベネチアは経済立国として地中海を制覇した数世紀ののち、最終的には経済的にはがたがただけど文化のすばらしい国として芸術家に愛された期間を経て、政治もずたぼろになった頃ナポレオンの侵攻で終わってますが、日本がたった数十年の経済的な反映の後、アニメと観光だけで世界に愛される国になるんだとしたら。。。ちょっと寂しいなあ、なんて。ハワイで、Fukuda resigns ってCNNがたった30秒で流したのをみて、ちょっぴり切なかったです。
    まあ、アメリカもすさまじいですけどね、、、ペイリン候補の話とかネタとしか思えないし。笑 
    la dolce vita September 10, 2008 9:18 PM
    >lat37nさん
    >私にとっては、ベネチアとちょっとダブるんですよね。
    ベネチアですか・・・イタいですねー
    ベネチアはヨーロッパ人にとってRomantic weekend destinationになっていて、観光客を見に行くようなものなので、私の愛する京都がそうなってしまったらどうしよう、と密かに恐れています。
    >日本がたった数十年の経済的な反映の後、アニメと観光だけで世界に愛される国になるんだとしたら。。。ちょっと寂しいなあ、なんて。
    寂しいですかねー? こじんまりとまとまっても国民が幸せなら私はそれでいい気がしますが・・・ 今から人口増やして中国やインドに正面から向かうってのは、ちと無理な気がします。
    >まあ、アメリカもすさまじいですけどね、、、ペイリン候補の話とかネタとしか思えないし。笑
    ほんとすさまじいですよね、ちょうど今日ネタとして書いてしまいました。 ぜひ現場からのコメントお待ちしております♪
    日向清人 September 17, 2008 9:46 AM
    こんにちは。ある時期までは列挙されている「イタリア観」を私も持っていましたが、数年前に内田洋子著「破産しない国イタリア」(平凡社新書)を読んで以来、経済データでは捉えきれない何かがひどく大きい国であり、簡単にヨーロッパの病人などと決めつけるのはどうなんだろうと思うようになりました。また、数字以外の部面でも、幼少時から「女好き」に徹しており、それもおおまじめに取り組んでいる男性諸氏を見ていると、痴漢その他の変態行為が増えている日本人男性とは根本的に違っており、意外とそれが国力の一部、国としての力強さに結びついているような気もします。
    la dolce vita September 17, 2008 11:26 AM
    >日向さん
    こんにちは。コメントありがとうございます。
    >数年前に内田洋子著「破産しない国イタリア」(平凡社新書)を読んで以来、経済データでは捉えきれない何かがひどく大きい国であり、簡単にヨーロッパの病人などと決めつけるのはどうなんだろうと思うようになりました。
    本のご紹介ありがとうございます。さっそくシンガポール紀伊国屋で探してみます。
    私はイタリアは大好きな国で(休暇で訪れた国の中では訪問回数が一番多い)、その割には表面でしか捉えきれていないのですが、たしかに数字で捉えられない魅力があると思います。
    >また、数字以外の部面でも、幼少時から「女好き」に徹しており、それもおおまじめに取り組んでいる男性諸氏を見ていると、痴漢その他の変態行為が増えている日本人男性とは根本的に違っており、意外とそれが国力の一部、国としての力強さに結びついているような気もします。
    これまた面白い視点ですが、国力の一部と言われるとそんな気も・・・
    関係ないですが、海外でこれまでに3度露出魔に遭っているのですが、その3回とも南イタリア(すべて違う時期の違う場所。 しかも3回目は夫と一緒だったというのに)。 これは南イタリアという地域そのものに何か原因があるに違いない、と考えています。
    痴漢その他の変態行為に至る理由は考えたこともないというか、考えたくもないというか・・・
    snowbees September 29, 2008 6:06 AM
    <イタリア田舎便り> ほぼ毎日更新されていて、ユーモアがある。
    イタリアの中央政治は別にして、イタリアの1)地方自治と2)スローフッド(スローライフ)は賞賛すべきであろう。このブログでも随所に述べられている。一方、日本は上記1-2の対極にあり、不便さも必要である。
    http://lacasamia2.exblog.jp/
    なお、上記の1-2について、住民による社会的弱者へのケアを含めて、井上ひさし「ボローニア紀行」がお奨め。(NHKのドキュメンタリの原作)
    la dolce vita September 29, 2008 8:59 PM
    >snowbeesさん
    たしかにイタリアは各地方の個性が際立っていて、その懐の深さ、複雑さは日本の地方とは比較にならないですね。
    ブログのご紹介ありがとうございました。イタリアに引っ越してこんな生活も悪くないなー、と思ってしまいます。

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