マラムレシュ紹介シリーズ最終回!
前回までは今もほとんど変わらないBreb村の生活様式の話でしたが、今回は変わりつつある側面の話。 引き続き、William Blackerの著作“Along The Enchanted Way”から。
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共産主義政権が倒れた後、初めにやってきたのは文化人類学者や言語学者たちだった。 その後、国内経済が極度の困窮に陥り西側諸国のチャリティー団体から支援物資が送られてきたが、自給自足で食べるものにも着るものにも困らないBrebの人々はなぜ物資が送られてくるのかわからなかったそうだ。
生活が徐々に変わり始めたのは2000年代初頭だった。 村に舗装された道路が通った。 荷馬車が主な交通手段だった村に車がやってくるようになった。 それまで子どもたちは朝から晩まで自由に外を出歩いて農業を手伝ったり家畜の世話をしたりしていた。 村で初めての交通事故で8歳の男の子が死んだ。 西側の多国籍企業の商品をたくさん積んだ行商の車がやってくるようになった。 見たこともない品物の数々に人々は心を踊らせた。 今まで全ての物をつくっていたのに、物を持っているかどうかはお金を持っているかどうかのバロメーターになった。 若者は民族衣装ではなくTシャツにジーンズを着るようになった。
2010年頃には村にサテライトTVがやってきた。 外の世界の人々が住んでいる世界、見たこともない品々の数々に村の人々は驚愕した。
2007年、ルーマニアがEUに加盟してからは他のEU諸国に出稼ぎに行く人が出てきた。 村の男性は誰でも自分の家くらい建てられる。 出稼ぎ先で建設労働や農業などに従事して貯めたお金で帰国してからは高級車に乗ったりコンクリート製の家を建てる人が出てきた。
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