今日がシリーズ最終回、家具と素材について(『ロフトアパート・プロジェクト – 1』、『 – 2』)。
こちらがマテリアル(素材)ボードです。 インテリアの印象を決めるのに重要な床材や壁紙・ファブリックなどをクライアントに見せるもの。
デザインプロセスと並行してマテリアルのサンプルを集める必要があり、いざ手元に取り寄せるとプランが変わったりイメージと異なったり、なかなか難しいプロセスです。
エリアごとのファーニチャー(家具)・ボードを見ながら詳細を説明します(実際には、クライアントがすでに持っている家具があり予算があるのですが、今回はどちらもなしという設定)。
前回の立面図SECTION AAをご覧ください。 間取りでAIRY、CLEANのイメージを出したのですが、さらに素材や家具でも統一感を出します。 目に飛び込んできたのが、この左上のイメージ。 ブラジル人建築家の家で、非常にシンプルなラインにコンクリートの壁・木の床・大きな窓から降り注ぐ自然光が今回のプロジェクトにぴったり。
表面積が大きい壁や床・天井は仕上がりの印象を大きく左右するのですが、このイメージに忠実に上記マテリアル・ボードにあるオーク材を床材に、(小さいですが)薄いグレーのコンクリート調タイルを壁に選びました(天井は白のしっくい)。
リビングの家具は自然素材をチョイス(リンク先は各ブランドの商品ページ)。
Twenty twenty oneのハンギング・チェア、Skandiumのミラー、Fritz Hansenのソファ、The Conran Shopのコーヒーテーブル、Se Londonのサイドテーブル。
ダイニングはAlexが友人に手料理をふるまう集いの場所なので、目を引くようなフィーチャーを設けました。 上のボードの左上の写真の天井窓からさがるsleekなAnta Tenderのペンダントランプです(前回のパースペクティブ図参照)。 ダイニングエリアの壁には、マテリアルボード中央下にあるブルーグレイのガラスで、つくりつけの収納スペースを確保。 中は自由レイアウトで棚の高さを変えられ、Corrineのスキーやカメラ機材など大きな機材も収納可能。
家具は時代を超えるデザインクラシックを使用。 Fritz HansenのEssayテーブル、Carl Hansen & SonのWishboneチェア。
キッチンは同様に、すっきりしたラインでキッチンキャビネットの取手やつまみは見えない(ドアのくぼみに手をかける)形になっています。 スツールはBulthaupのもの。
立面図SECTION BB(照明をつけた夜の図)は明るいAAサイドと比べて、明暗の強弱をつけ、控えめにモロッコ風アイテムやゴールドがちりばめられています。
ベッドルームは上の写真の左上のタペスリーをベッドのヘッドボードに持ってくるのではなく、足下に天井から吊り下げパーティションの役割をもたせました(前回のパースペクティブ図参照)。 このタペストリーは18世紀のオスマン帝国時代のもので、ベッドカバーとピローカバーは同じモチーフを使ってカスタムメイド。 ヘッドボードの代りに壁を少し凹ませ(リセス)、壁に黒のシルクのファブリックパネルを取り付けました。 ベッドサイドランプはThe Conran Shop。
SECTION BB中央にある黒の壁は、平面図を見ればわかりやすいのですが、ひとつはゲスト用WCへのアクセス、もうひとつは洗濯機・乾燥機(□に×印のマーク)になっています。
濃いチャコールグレーの壁をバックにゴールドのルームアクセサリー(Porta Romanaのミラー、ゴールドのモザイクタイルでつくった棚の上にClaire Maletのアート)を飾っています。
入り口のすぐ横の玄関には、小さなリラックス・エリア(立面図BBの左端)。
Ochreのデイベッドとシャンデリア、コーヒーテーブル。 デイベッドとクッションはスモーキーなブルーやゴールドのベルベッド(マテリアルボード参照)。
以上でプレゼンテーションは終わり(長すぎ? 笑)
プレゼンテーションには現役のデザイナーも招待されフィードバックをもらったので、その話は次回。
Leave a Reply