イギリスではNHS(National Health Service、国民医療サービス)と言う制度のもと、すべての医療は無料です(例えば日本では保険適用外の出産なども無料)。
ところが、このNHSというのが、経営のまずさ・慢性的な医師不足・制度の欠陥で、すこぶる外国人からは評判が悪い。 特に日本人はケチョンケチョンに言います(日本人小児科医によるサイト「イギリスで病気になってはいけない」とかは、もう本当にケチョンケチョン)。
アメリカは医療費で人を殺す、イギリスは待ち時間で人を殺す
って言われてるらしい。
医療行為の過失が新聞紙上を賑わせるところは日本と一緒ですが、日本は医師不足のしわ寄せが長時間労働という形で医師にいってるのに対し、イギリスでは長い待ち時間(*1)という形で患者にきているのが両国らしい(いや、全然ひとごとじゃない)。
*1・・・A & E (Accident & Emergency)という救急病棟の待ち時間が平均4時間とか笑えない話ばっかり。
ただ、この無料制度は外国人にいいように利用されていて、出産予定日間近に飛行機でやってきて、今にも生まれんばかりの逼迫度に入国管理官も送り返せず、救急病棟に駆け込んで子どもを産んでいくアフリカ人が引きもきらない、etc.
まあNHSに関するホラーストーリーは無限にあるのですが、今日は我が家が頻繁に利用しているサービスを。
子どもが産まれる前は眼科(コンタクトレンズ)以外の医者はほとんど行ったことがなかった私ですが、子どもが産まれてからは常連になりました。 1年目は本当にひどかった・・・
そもそも子どもが病気やケガをするとどういう症状を起こすのか全く知らないので、緊急で医者に行くべきなのか、しばらく様子を見た方がいいのか、という判断がつかないのです。
本で読んでもググっても、その症状が出る可能性があるあらゆる病気が羅列されている。 でも私たちの知りたいのは「緊急で医者に行くべきか否か」というその一点だけ(病名の診断は当然医者なきゃできんだろう・・・)。
そういう時に重宝しているのが無料電話サービス。
ひとつめはNHS Directという24時間無料電話サービス。 看護士が出て症状を聞いた上で「風邪だろうからよく水分補給して寝ろ。 今より悪くなるようなら医者に行け」など、まあ不安なときの安心材料にはなります。
ふたつめはSELDOCという私が住んでいる地域の医師の協同組合。 これは本当にお薦め(他の地域にもあるといいんだけど)。
一般診療時間外に電話をすると、時間外勤務中の医師が折り返し電話をくれて、電話で医療相談。 必要であれば往診もしてくれるし、薬の処方箋を処方して時間外に開いている近所の薬局を調べて処方箋をFAX・取りに行けるように手配もしてくれます。
例1 : 私が子どもを産んですぐ乳腺炎になったとき、夜中だったが緊急を要したので近所の夜間薬局に処方箋をFAX、薬を夫が取りに行き、電話相談から1 – 2時間後には薬が飲めた。
例2 : 生後6ヵ月の息子に妙な発疹が出た日、突発性発疹か、(その日は初めて離乳食でうどんをあげた日だったので)小麦アレルギーか、と決めかかっていた私に、電話で症状に関してあれこれ質問し「ウィルス性の風邪の可能性が高い」と。 その通りだった。
以上、薬も含めてすべて無料(妊婦・産後1年の女性・16歳以下の子どもは処方薬は無料)。
GP(General Practitioner、一般医)に予約して行くよりもよっぽど速いし役立つので、ヘビーユーザーです。
この前なんて夫が、息子の唇から血がにじんでいるのを見ただけでSELDOCに電話してました。 いや、口の中ちょっと切れただけだから・・・ 折り返し電話をしてきたお医者さんに同情(笑)。
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