ガラパゴス化する日本

日本を代表する産業といえば自動車と電機。
私も電機業界にいたことがある者として、最近の業界再編には注目しています。 ところが、国内企業同士の合併による規模の追求だけではもはや未来はない、という事実を突きつけた本を読みました、その名も『ガラパゴス化する日本の製造業』
日本がガラパゴス化しているという指摘は、以前ブログでも紹介した『パラダイス鎖国』という言葉とともに、最近よく聞くようになっていましたが、ガラパゴス化している個々の業界について、ここまで深く考察されたものを読んだのは初めて。 勉強になりました。
日本の家電・電機製品市場はシーズンごとに新機能を搭載したハイエンド製品をこれでもか、これでもか、と送り出すオタッキーな市場。 ところが、世界は、機能は「そこそこ」でも安くて使い勝手のよい製品がよく売れる、というマスな市場(もちろんハイエンド・マーケットも存在するが、機能よりデザインやユーザビリティに重点が置かれる)。
言われてみると、我が家もそこそこ製品で溢れ返っています。
テレビ・・・SONYのブラウン管。
DVDプレーヤー・・・LGの50ドルくらいの安物。
冷蔵庫・・・Samsung。 普通の冷蔵と冷凍機能のみ。
キッチン家電・・・TEFAL、Delongui、KAMBROOK。 機能は単純、見た目重視。
洗濯・乾燥機・・・Brandt。 聞いたことない、フランス製らしい。
携帯電話・・・Sony Ericsson。 見た目で選んだ、機能に興味なし。
パソコン・・・MacBook 1台、VAIO 2台
一眼レフデジタルカメラ・・・Canon 2台
プリンター・・・Canon
アパートについているものや、夫が買ったものが多いですが、特に不満はありません。 この中で「絶対、日本製じゃなきゃダメよね」と言って買ったのは一眼レフデジカメのCanonくらいじゃなかろうか?


本では、人口が少なく自国市場が小さいため海外を意識せざるをえない台湾、韓国がどのようにして必死に激しくなる一方のグローバル競争の中で台頭してきたかが、よく描かれています。
また、本には書かれていませんが、この本は現在製造業にいる人たちが今後のキャリアを考える際の道標として読むのもいいと思います。
私はMBA取得後の就職活動時につくづく「自分は”輸出型”キャリアだなー」と痛感しました。
留学前は、世界ではよく知られた日本のエレクトロニクス/ゲーム/エンタメ企業で海外事業部隊にいました。 「日本のハイエンド製品を世界に向けて売る」という日本では非常に必要とされていた仕事だったのですが、ヨーロッパでは全く必要とされていませんでした。
「”輸出型”キャリアでは日本以外では働けない」と気づき、そこからの脱皮をはかって今に至ります。
企業・業界・社会全体のガラパゴス化は個人のガラパゴス化も意味します。
逃げ切り世代か逃げ切れない世代かは、『「一身にして二生を経る」時代に生まれて』に書きましたのでご参考に。


8 responses to “ガラパゴス化する日本

  • 日向清人

    こんにちは。日本での英語教育も「ガラパゴス化」なのかと納得しました。英語を使えるかではなく知っているかを問う、世界的にひと時代前のアプローチをいまだに続けています。大陸での進化をよそに独自の進化を遂げてきたガラパゴスそっくりです。大学受験時に英語の知識の多寡で足切りを行い、卒業後もTOEICという(これまたGalapogosianな)択一テストで知識を競い合うわけですから、いくら英語の勉強量を増やしても、コミュニケーション能力に結びつきません。

  • 日向清人のビジネス英語雑記帳:スペースアルク

    ガラパゴス化する日本の英語教育

    la dolce vitaさんのブログで『ガラパゴス化する日本の製造業』という本…

  • デレク

    >日本の家電・電機製品市場はシーズンごとに新機能を搭載したハイエンド製品をこれでもか、これでもか、と送り出すオタッキーな市場。 
    これについては、激しく同意します!
    内需が弱いから、ハイエンド製品を送りだし刺激を与えたい気持ちはよくわかりますが、普通の消費者にそれまでの機能は必要かな!?と正直思っておりました。
    ケイタイもハイエンド化してますし…。
    だったらリーズナブルな型落ちで充分と思ってしまったりしています。
    私は食品関係の営業ですが、小売にも同じことを感じること多く、日本は独自の文化形成しているなと日々感じております。
    ご紹介の著書早速注文させていただきました。

  • la dolce vita

    >日向さん
    >日本での英語教育も「ガラパゴス化」なのかと納得しました。
    日向さんのブログ記事も読ませて頂きました。 なるほどですねー、文科省の「英語が使える日本人」構想は知りませんでしたが、文科省は別に8,000億円の語学ビジネスという利益団体から圧力かけられているわけではないと思うのに(建設業界のように)、どうしてこうなってしまうんでしょうね?
    >デレクさん
    >私は食品関係の営業ですが、小売にも同じことを感じること多く、日本は独自の文化形成しているなと日々感じております。
    日本の食品もハイエンドですよね? 「超熟」とかすごいです。

  • しん

    >日本の家電・電機製品市場はシーズンごとに新機能を搭載したハイエンド製品をこれでもか、これでもか、と送り出すオタッキーな市場。
    私も同意します!
    商品、サービスの付加価値の表し方が「付加」から連想されるように何か新しい機能をつけないと付加価値にならなくて、他社との差別化、利益率の確保が思いつかないってのが現状なのでは。
    リーズナブルな商品は中国など日本以外の国が十八番芸のように出してくるご時世ですしね。
    「付加」が「負荷」になっている現状が変わればと良いのになと思います。
    良いものを提供しようと思うと、既存のもののバージョンアップ=付加価値になってるのを、
    「市場の創出」に目を向けてもらいたいところですね。→「イノベーション商品」
    >企業・業界・社会全体のガラパゴス化は個人のガラパゴス化も意味します。
    >逃げ切り世代か逃げ切れない世代かは、『「一身にして二生を経る」時代に生まれて』
    会社、個人レベルでも環境は違うけど、飽和状態の市場から新しい価値、自分のポジショニングを
    どこにおくか、作るかってのが今後のポイントかなと思ったりします。

  • la dolce vita

    >しんさん
    >飽和状態の市場から新しい価値、自分のポジショニングをどこにおくか、作るかってのが今後のポイントかなと思ったりします。
    今後、日本の「個人」も変わらざるをえなくなると思いますよー。 ちょっと楽しみです。

  • kodai

    深い洞察ありがとうございます。
    クリステンセンの『イノベーションのジレンマ』と、主題は違うのに内容の方向性が似ていると感じました。クリステンセンは「持続的/破壊的技術」にフォーカスし、『ガラパゴス』は技術の「ロケーション/分業体制」に着目したという切り口の違いであって、本質的には同じ事書いてるかなと感じました。

  • la dolce vita

    >kodaiさん
    >クリステンセンの『イノベーションのジレンマ』と、主題は違うのに内容の方向性が似ていると感じました。
    そうですね。 日本が持続的イノベーションを進めている間に、韓国や台湾(そして中国までもが)破壊的イノベーションでどんどん市場シェアを拡大している、と読めると思います。

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