歴史に残る名スピーチ

今日はみんな同じことを書く気がしますが、私も書きます。
昨日のオバマの勝利宣言スピーチはよかった（フルバージョンはこちら↓）。
BBC : Obama’s victory speech in full
私はビジネススクールもアメリカを避けてヨーロッパに行ったくらいなので、アメリカ礼賛主義からは程遠いのですが、そんな私でもこんなリーダーに”America can change”と言われると本当に変われるだろうなー、という気がしたし、こんなリーダーだったらついていってもいいかな、という気さえしました。
今日はこの素晴らしいスピーチを利用して役に立ちそうなことを2つ。
1つめは、パブリックスピーキングについて。
よく言われることですが、アメリカの政治・経済のリーダーのスピーチのうまさは日本の政治・経済リーダーのそれとは比べ物になりません。
「言葉の力で人種・性別・思想・信条が異なる多彩な人々を率いる」ことで鍛えられてきたからであり、似た者同士、仲間内のなあなあや密室会談でいつの間にか上にいたという人たちとは鍛えられ方が違うのだと思います。　逆に言うと、アメリカ人も初めからスピーチがうまい訳ではなく（人前に立つことが何よりも怖い、という人はそれこそ大勢いる）、訓練の賜物なんでしょう。

パブリックスピーキングは私もこれからトレーニングが必要な分野なので、アドバイスというおこがましいものはありませんが、話している自分の姿をビデオで見るのが一番いいです。　結婚式のビデオでもいいですし、今はコンパクトデジカメにビデオ録画機能がついているので仕事で人前でプレゼンするときの自分の姿を同僚に撮ってもらうのもいいです。
自分のプレゼン資料ばかり見て聴衆を見ていない、「えー、えー」と10秒に1回は「えー」を言う、挙動不審なほど体が前後に動く、etc.etc.
目を覆いたくなるほど今まで気づいていない自分のクセが山のように目につきます。　これをひとつずつ直していきます。
あと、古典中の古典ですが本を紹介しておきます。　『人を動かす』で有名なデール・カーネギーは自己啓発本の父みたいな人ですが、もともとの本職はパブリック・スピーキングの講師でした。　著書『話し方入門』で丁寧に極意を解説しています。　奇をてらわない王道中の王道の方法です。
2つめは、シャドーイングについて。
シャドーイングについては以前ブログで触れましたが（→1、2）、昨日のような歴史的なスピーチはシャドーイングの練習にうってつけです、すぐさま、原文テキストと全訳が出るので（そして、オバマはとても美しい英語を話す）。　やり方を書いておきますので、英語勉強中の方はぜひやってみてください。
1. 上記オバマ次期大統領のスピーチ画面を目の前に用意する。　必要であればヘッドホンをつける（自分の声が聞こえないようにするため）。
2. スピーチを流す。　聞こえてくる英語を、聞こえた直後に、聞こえたままの音を、口に出す。　この際、意味がわからなくてもよいので、とにかく聞こえた音を次々とアウトプットする。
3. 2.を3回繰り返す。　だんだん単語が聞き取れるようになるが、とにかく息継ぎやアクセントすべて含めてマネをする。　ついていけなくてもスピーチを止めない。　聞こえる音に集中する。
4. 3回繰り返したら、原文テキスト（下記BBCより）を見ながらスピーチを聞く。　ここでは、聞き取れなかった音、意味は知っているのに聞いたときはわからなかった単語に注目しながら「こういう発音の仕方をするのかー」という発見をする。
BBC : Full text: Obama’s victory speech
（注：BBCサイトからいつ削除されるかわからないので、必要な人はコピペしてください）
5. 原文テキストを見ながら、スピーチと同時に声を出して読み上げる。　リズムも発音もマネをする。
6. 5.まで終了して初めて、気になる単語のみ辞書をひいて意味を確認する。　大体わかったのであれば特に全単語ひく必要はない。　小飼弾さんのブログに訳が載っていました。
404 Blog Not Found : 惰訳 – Barack Obama’s acceptance speech in full
シャドーイングの効果は画期的です。　これをいくつか違った教材、自分の興味のある教材で行うとヒアリングと発音が変わると思いますのでだまされたと思ってぜひ。
http://rcm-jp.amazon.co.jp/e/cm?t=sekaikyulifestyle-22&o=9&p=8&l=as1&asins=442210053X&fc1=696969&IS2=1&lt1=_blank&m=amazon&lc1=708090&bc1=FFFFFF&bg1=FFFFFF&f=ifr&npa=1