多民族国家の祝日の過ごし方

hari_raya.jpg今日はラマダン(断食)明けの祝日です。 私の家のすぐ近くにモスクがあるので、朝から大勢のムスリムが集ってお祈りをしていました。
シンガポールは多民族国家なので、メジャーな宗教・文化の祭日をそれぞれ1日ずつ祝日にして、「これでみんな平等でしょ、みんな仲良く」的な休日制をしいています。 今年の休日はこんなスケジュール。
<Public Holidays 2008>(2008年の休日)
1月1日  New Year’s Day 西暦の新年
2月7-8日 Chinese New Year 春節(中国正月)
3月21日  Good Friday イースター(復活祭)前の金曜日(キリスト教)
5月1日  Labor Day メイデー
5月19日  Vesak Day 釈迦生誕祭(仏教)
8月9日  National Day シンガポール建国記念日
10月1日  Hari Raya Puasa ラマダン(断食)明けのお祭り、イスラム暦の新年
10月27日 Deepavali ヒンズー教徒の最も重要な祝日
12月8日  Hari Raya Haji 巡礼の祝祭日(イスラム教)
12月25日 Christmas Day クリスマス
年間10日間の祝日のうち(日本に比べたら少ないなー)、なんと民族・宗教に関係のない祝日は3日のみ!(西暦の新年とメイデー、建国記念日のみ)


太陽暦を採用していない宗教も多いので、祝日は毎年変わります。 日本のように「来年からは体育の日は10月10日固定はやめて10月第2月曜にしまーす♪ そうすれば3連休になるでしょ?」的な都合のいい解釈はありません。 それぞれの祝日はそれぞれの民族・宗教の人にとっては1年で一番重要な日なので。
自分以外の民族・宗教の人たちが真剣に自分たちの祝日を祝っている間(例えば、今日イスラム教徒がラマダン明けを祝っている間)、自分たちは何をするか?というと・・・
特に何もしません。 「おお、おお、今年もやってるねー」という感じで暖かく見守る、だけです。
こういう街に住んでいると何が起こるか?というと、日本人の私とオーストラリア人の夫は1年を通して「何かを祝う」という機会を失うわけです(さすがに誕生日とかは祝うが)。
節分には恵方巻きを食べ、雛祭りにはちらし寿司を食べ、端午の節句にはかしわ餅を食べ、土用の丑の日にはうなぎを食べ・・・ていたのは(←食べてばっかり)、街を一歩出れば「日本人たるもの、土用の丑の日にはうなぎを食え」と言わんばかりの街の商店街・デパ地下からのプレッシャーに屈していただけで、「日本人たるもの・・・(以下省略)」と自分が思っていたわけではなかったことがよくわかりました。
moon_cake.jpg私は小さい頃、中秋の名月にお月見だんごを作ってお月さまに備え、その2時間後くらいに食べた、という微笑ましい思い出を持つため、「今年の中秋の名月はだんごを作るぞ!」とはりきっていたのですが、中秋節(mid autumn festival)といえば中華系シンガポーリアンにとって春節に次ぐ大きなお祭り。
その1ヵ月前から(日本のバレンタインのチョコレート並みに)店は月餅を大々的に売り出し、月餅の買い出しにみな大騒ぎなため、私たちもその勢いに飲まれて当日は月餅を買ってつついてしまった始末。
周りの雰囲気に飲まれずに自分たちの伝統を守ることはかくも難しいものなのですね・・・
そんなわけで多民族国家シンガポールで日本とオーストラリアの素晴らしき伝統は風前の灯火ですが、より強固な(生活に密着した)伝統を持つ人たちの習慣の尊重には結構気を使います。
一番気を使うのは今日明けたばかりのラマダン(断食)。 マレー系シンガポーリアンには本当に夜明けから日没まで水さえ飲まない人もいるのですが(人による)、気がつかずStarbucksでラテを買ってきてあげたら「ラマダン中なの」と断られたことも・・・
Culturally sensitiveにはなります、きっといいことなんでしょう。


Leave a Reply

Fill in your details below or click an icon to log in:

WordPress.com Logo

You are commenting using your WordPress.com account. Log Out /  Change )

Twitter picture

You are commenting using your Twitter account. Log Out /  Change )

Facebook photo

You are commenting using your Facebook account. Log Out /  Change )

Connecting to %s

%d bloggers like this: