Tag Archives: 雇用

経歴よりリファレンス

『なぜ家庭教師ならOKで家事代行はNGなのか?』に、多くの情報ありがとうございました! ネタ元の友人も喜んでいます。
さらに、その友人から、(私がお勧めする)直接契約に関し、

家庭教師の場合は大学名なんかが身分証明書代わりになるけど、シッターとかハウスキーピングの場合、身元確認とかスキルの確認とかかなり面倒くさそう・・・ (=「自分で判断」は初めから放棄してます)

とあったので、今日はこの点について。
ベビーシッターやクリーナーとの直接契約が一般的な社会でも自分で面接と経歴書(CV)だけで判断するわけではありません。 もっと大事なのが「リファレンス」です。
リファレンスとは「前雇用主からその人の働きぶりを聞くこと」です(具体的には、前雇用主の電話番号などコンタクト先を入手する)。 あらゆる採用で非常に一般的(というより必要不可欠)で企業が中途採用する場合もリファレンス(元上司や同僚・クライアントのコンタクト先)の提出を求めることがありますし、賃貸契約の際には家賃支払い能力を証明するために現職場と前家主の連絡先を求められます(→『外国人お部屋探しの高い高い壁』)。
日本と違って、「大学名」や「会社名」など身分証明にならないのですよ・・・ 経歴詐称する人なんていくらでもいるし、本当にその(有名)大学に在籍している(いた)としても多種多様な人が集まっているし(去年クリスマスに米航空機爆破未遂を起こしたのはロンドン大学卒、一連のテロ事件を起こしたオウム真理教幹部は京大出身者多数ではないですか・・・)

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効率的な労働市場の会社の運命

とあるブティーク系戦略コンサルティングファームのロンドン・オフィスのお話。 業界特化型で(業界名を出すとどこかわかるので控えます)、その業界では名が知られています。
このファーム(Aとします)は2007年にオペレーション系のコンサルティングファームBと合併しました。 ファームAのクライアントは企業のCEO、CxOなど経営陣であり、サラリー(給与)レベルはBig 3(McKinsey、BCG、Bain)を筆頭とする戦略コンサルや会計系Big 4(KPMG、Deloitte、PWC、E&Y)のコンサル部門と同じサラリーレベルでした。 ファームBのクライアントは(オペレーションの改善が主なプロジェクトであるため)経営者ではなく部のトップなどであり、サラリー(給与)レベルはAより一段階低いものでした。
2社の合併によって給与体系の差を是正する必要があり、Aの社員は年収(ベース)+ボーナスからなる給与体系のうち年収(ベース)部分を若干アップする代り業績連動のボーナス部分が大幅に減りました。 2008年、金融危機の発生を機に世界経済が不況に、この影響でボーナスは2009年はゼロになり、ベースアップも据え置かれました。
またファームBは間接部門(経理・人事など非コンサルタント職)の人員を多く抱えていましたが、リーンな(筋肉質な)組織を保っていたファームAと間接部門同士、合併されました。 間接部門のコスト(overhead)は稼ぎ頭のコンサルタントに重くのしかかり、2009年、2010年になってもベースアップやボーナスの原資が出ない大きな要因となりました。

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フランスの自殺率はなぜ高いのか?

France_suicide.gif先月のThe Economistの記事で私の周りで話題になった記事がありました。 フランスの自殺率がヨーロッパの中で飛び抜けて高い、というこの記事(下記にリンクを貼っていますが、the economistはこちらで書いたようにサイトは一部有料化の流れなので、後で読みたい人はコピペするなどしてください)。
The Economist : Bonjour tristesse
右のグラフでもわかるように、国民100,000人あたりの自殺数がイタリアやイギリスの2倍以上、ドイツより40%高い(もちろん日本の自殺率はフランスより高いのですが・・・)。
私の周り(非フランス人)の反応は「おいおい、フランスといえば週35時間労働制で(*1)私たちの半分の時間しか働かず、夏は2ヵ月のバカンス。 失業しても2年間は前給料の70%の失業手当で暮らせて、出生率は2.0を回復する少子化先進国のお手本。 アムールでjoie de vivreな国の人が自殺してたら、いったいボクたちはどうなるんだ?」というツッコミ。 私も似たようなことを思いました。
*1・・・サルコジ大統領は35時間労働規制見直しの方針。
当のフランス人に聞かずに判断するのはフェアではないので、親友のフランス人J(こちらに登場)に聞いてみました(「マッキンゼーでワーカホリック」以外に彼のバックグラウンドを付け加えると、フランスのエリート養成コースであるグランゼコールではなく、3ヵ国の大学との交換留学ができる大学を選び卒業後はロンドンへ。 INSEAD MBA後はパリに戻ったものの、閉鎖的なフランス人社会と合わず、アジアに来たかったのでシンガポールへ。 フランスを冷静に外から見られるフランス人です)。

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不況で従業員のロイヤリティを高めた会社

世界中で雇用情勢は厳しさを増すばかりですが(って、こんな部外者みたいな口ぶりの私ももろに影響を受けているんだが)、暗い話は聞き飽きたと思うので、こんな会社もあるよ、ってお話。
ある業界に特化した戦略コンサルファームの話で全世界に200人くらい従業員がいます。
コンサルファームや弁護士事務所、会計事務所はプロフェッショナルファームと呼び、パートナーシップという会社形態を取ることが多く、給料をもらう従業員と利益を分けるパートナー(共同経営者)からなり、この会社も例外ではありません。
このファームがすごいのは、売上など経営に関わる情報が広く社員に共有されていること。
イントラネットで全世界のオフィスのセールス状況、プロジェクトの金額、各レベルのコンサルタントのチャージャビリティ(*1)の目標と実績値がほぼリアルタイムで公開されており、毎週サマリーがE-mailで送られてくるので、全員が会社の売上推移を把握しています。
*1・・・コンサルファームはプロジェクトで働いた時間あたり報酬をクライアントに請求するため、勤務時間のうちどれだけクライアントに請求(チャージ)できたかを示すチャージャビリティが重要な指標。
全社の売上なんて、上場企業の社員であれば業績発表時に初めて知り、未上場企業の社員であれば正確なところは知らなかったりするのが普通だと思うので、この透明度の高さは驚き。

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インドITエンジニアにみるデジャブ

インドのよかったところはインド国内の英字新聞や英字雑誌が多いので、インド視点のニュースが生で手に入るところでした(空港・ホテル、何かと待たされる国なので、読む時間はたっぷりあり)。
私たちの滞在中、一番大きな経済ニュースはITアウトソーシング大手Satyamの決算粉飾でしたが(下記)、私が一番注目したのは週刊誌Business Today(だったかな?)に載っていたITエンジニアの大量失業の記事。
REUTERS : Accounting scandal at Satyam could be India’s Enron
過去数年間にInfosysやWiproなどインドIT大手の勃興、欧米系IT大手の相次ぐインドへの進出により、200万人以上とも言われるITエンジニアを生み出したインドIT産業が世界不況により業績悪化しており、(今まで需要が供給に追いつかなかった)ITエンジニアを初めてリストラしている、との話。
その記事は初めての危機に直面した若手ITエンジニア(そして広くは高等教育を受けた若い知識産業従事者)に向けて書かれており、「これからは今までのようにジェネリックなスキルだけではいけない。 より高度で成長分野の知識・スキルを身につけて他者と差別化をはかろう」と結ばれていました。

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正社員の雇用安定がない世界から見て

またもや古い話ですが、去年の大晦日は夫のINSEADクラス同窓会 & 新年カウントダウンがシンガポールで開かれました。
集まった約50人のうち、半分以上はヨーロッパから休暇ついでにやってきていたのですが、再会を喜び近況報告をしていても、ついつい話題は不況の話に。
『MBAの同窓会』で書いたように、MBAという自己投資の成功の証は卒業後の進路なので、ついついお互いの地位・給料を値踏みしたりといったことが起こりがちなのですが、さすがにこの環境下、アグレッシブな雰囲気は身を潜め(雇われ人の中では最も高給取りのインベストメント・バンカーの職が真っ先に危うくなったからですが)、お互いにいたわり合う空気が漂っていました。
それにしても、シンガポール在住者に比べ、ヨーロッパ在住者の暗さが際立っていました。
シンガポールも不況ですが、「アジアは今まで毎年高成長してきたのが、2009年はゼロになるだけで2010年になればまた成長軌道にのるだろう」という楽観的な人が多いんですが、ヨーロッパ(特にイギリス)在住者は悲観的でしたねー
世界的に企業が雇用調整を進めているため、金融以外でもレイオフの話をちらほら聞きました。 不採算部門ごと、支店閉鎖のため、当該部署・支店の人員を全員クビにしたり(一応、「本社のある○○に移らなければ解雇」などオプションも与えられるらしいが)、人件費が高いシニア・ミドルもバッサバッサと斬られるので、もはや「大企業の正社員だから安泰」「高学歴・MBAだから安泰」は全くない世界です。

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内定取り消しは"known unknown"

日本の景況感が急激に悪化しているとのこと。
新卒学生の内定取り消し、自動車メーカー数千人削減、といったニュースが次々と飛び込んでくるのですが、私は7月以来日本に帰っていないので、肌身で感じられないのですが、実際どうなんでしょう?
私が今まで肌身で感じた最大の不況はやはり拓銀と山一証券が破綻した1997年。 当時、大学4年生だった私は同級生の内定が取り消されるのを見て「エラい時代に就職になってしまったなー」と思ったものです。 かろうじて内定取り消しもされず就職した会社は、その数年後、同業他社と再編合併となりリストラが起ったことは以前書きました
内定を取り消された学生は気の毒だとは思いますが、別に就職できたからといって将来安泰が約束されている訳でもないし、「内定取り消さざるをえないような会社は経営不安なのだから、早めにわかってよかったのでは?」と思ってしまいます(この点は『問題は内定取り消しより新卒偏重では』の記事に極めて同意)。
ところで、新卒学生の内定取り消しにせよ、正社員で人員整理の対象になったにせよ、人件費の変動費化が進むアメリカはもちろんのこと日本でももはや”unknown unknown”ではなく”known unknown”では?
つまり、自分の内定が取り消される、人員整理の対象になる、という将来はその事実が起る直前までは不明(unknown)なのですが、不明である(ありうるかもしれない)ということは既に知っていた(known)では?ということです。

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景気とMBA

先々週のThe Economistに「MBA志願者が増えている」という記事がありました(↓)。
MBAs and the economy: Ports in a storm
Testing_times.gif見事にmbaのアプリケーション数(青線)とoecd国のgdp(赤線)が逆の相関関係を描いています。 
MBAの最大のコストは留学中の学費+生活費もさることながら、その期間を学業に捧げることによってロスする給与が大きいのですが(この”Opportunity Cost”の概念については『MBAはビジネスの共通言語』参照)、「不況で給与アップも期待できない、雇用がなくなるリスクさえある(もしくはすでになくなった)。それなら、この機会にMBAで自分の付加価値を上げておいて、景気回復期に市場に戻ってこよう」というロジックが働くのだとか。
私がMBAを取ろうと思ったとき、景気のことは全く考えなかったので、「ほー、なるほどなー」と。

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