Tag Archives: 都市

「そこにしかないもの」

早いものでロンドンに引っ越してきてから丸3年以上経ちました。 来るときは「5年はいるかなー?」と言っていたのに、ロンドン生活が楽しいのでもうちょっといることになりそうです(ロンドンに来た理由→『ロンドンに引っ越します。』)。
2年ほど前、当時ケンブリッジMBA留学中の人に「ようこさんがキャリアを決めるポイントは何ですか?」と聞かれたとき、「場所」と答えたら彼は絶句してました(もっとかっこいい理由を期待してたのかしらん?)。 でも私にとって「場所」(都市空間だったり建築だったり文化だったり総合的な意味で)は本当に重要で、空間が自分の心理に与える重要性に気づいたことがキャリアチェンジのきっかけです(→『空間が持つパワー』)。

昔からヨーロッパが好きだったのですが、『人が自然に生きられる社会』だからという理由以外にそれぞれの国が個性を、さらに言うとアイデンティティーを意識的に強く持っているところが魅力的な理由。 「そこにしかない」ものがあるから、世界の旅行者数ランキングも上位の多くをヨーロッパ諸国が占めているのでしょう(2012年ランキングでは1位のフランスを筆頭に上位10ヵ国のうち4ヵ国がヨーロッパ→Wikipedia: World Tourism rankings)。 なぜ「そこにしかない」ものを保っているのか、という点では、ハイライフ研究所の『ヨーロッパに学ぶ「豊かな都市」のつくり方』という連載第3回の以下の箇所に同意。
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グローバル上京物語

今年は次男が産まれてバタバタしている間にあっという間に師走になってしまいました。
みなさん、年末年始の帰省の計画はもう立てましたかー?

お盆と年末年始の恒例行事となった帰省ラッシュはいわずもがな、1960、70年代の高度成長期に地方から若年労働力が都会に流入、盆暮れに親元に帰省したことに端を発しています。 とはいえ、『ALWAYS三丁目の夕日』の世界も遠い昔、すでに代替わりして地方に帰省先がなくなり「帰省先は町田です」「所沢です」なんて人も増えていることでしょう。
今日のBGMはこれ(古い? 笑)

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ロンドン栄光の時代?

もうすぐオリンピックですねー
あまり関係ないと思っていたのですが、何とうちの前の道路をオリンピックのサイクリングチームが通るそう。 うちは1階なので見えないけど、2階以上だったら家にいながらにしてサイクリングが見れたのか・・・

先々週のThe Economistもオリンピックに合わせてロンドン特集でした。
The Economist : London’s precarious brilliance
JB Press : 国際都市ロンドン:安泰ではない栄光

私はロンドンが今のような国際都市としての地位を確立する前、学生の頃からそのエッジーな雰囲気が好きだったし(→『Back to London-on-Thames』)、その成熟したところに魅力を感じて引っ越してきたのですが(→『ロンドンに引っ越します。』『成熟国からの視点』)、グローバル都市と言われればその通りで、各種グローバル都市ランキングのトップをNYと競い合っています。
Global Power City Index 2011 (by The Mori Memorial Foundation)
 1. New York, 2. London, 3. Paris, 4. Tokyo, 5. Singapore
2012 Global Cities Index and Emerging Cities Outlook (by AT Kearney)
 1. New York, 2. London, 3. Paris, 4. Tokyo, 5. Singapore
The Knight Frank Global Cities Index 2011
 1. New York, 3. London, 3. Paris, 4. Tokyo, 5. Brussels
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変わる・変わる・ロンドン

ロンドンに住んで面白いなー、と思ったのが”gentrification”という言葉(動詞はgentrify)。 イギリスだけじゃなくアメリカにもあると思うけど、日本ではあまり聞いたことがない概念のような気がします。

gentrification・・・高級化、中産階級化。 劣悪化している区域に中流階級あるいは裕福な階級の人口が流入していくのを伴った区域再開発・再建プロジェクトのことで、通常それまでの貧困層の住民が住む場所を失う(アルクより)

田舎が都市化するのはgentrificationとは呼ばず、あくまで都市中心部の荒れた地域が中産階級が好んで住む住宅街に変わるプロセスを指します。
以下、過去15年くらいにgentrificationを経た、代表的なエリア。
Notting Hill・・・1999年公開された映画『ノッティングヒルの恋人』(大好きなラブコメ!)で一躍世界的に有名になった街。 90年代以前はカウンシル・フラット(→『家探しでわかる都市政策』)が立ち並び、カリビアン系黒人が多く住む地域だった(有名なカーニバルはその頃からの伝統)。 大規模なgentrificationの結果、今では有数の高級住宅街に。 ポートベロー・マーケットも私が学生時代好きだった頃のエッジーな面影はなくなり、週末は観光客で溢れ返って歩くこともままならない昨今。

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都市内部での(自発的)コミュニティ化

グローバライゼーションなどと言われ、人の往来が増え、大都市には多国籍・多文化・多人種がこれまでにないほど集まるようになっているのに、逆にその内部では似た者同士はますます集っているのだなあ、というお話。
先週書いたように(→『家探しでわかる都市政策』)治安のいい場所と悪い場所がパッチワーク状に混じっているロンドン。 実際、南ロンドンを走る345番バスに乗り、ロンドンで危険な地域と真っ先に名前があがるエリア(黒人率80%)から緑が広がるヤング・ファミリーのエリア(白人率90%)のにガラッと変わるのを見たのですが(この2つのエリアの距離1.2km)、もっと便利なツールを発見。
UpMyStreet
サイト上に、住所の郵便番号を入れるとエリアに関する情報が見ることができるものですが、そこの住民プロファイルが「そこまで言うか?!」って感じ。 私たちの引っ越し先(上記のうち「緑が広がるヤング・ファミリーのエリア」)の住民プロファイルを要約してみると・・・

フラットに住む若い裕福なプロフェッショナル。
都市部で25 – 29歳の年齢層が一番多く、ハイスキルでキャリアを駆け上がり高給を得ている。 よく働く結果として余暇を効率的に使う。 食料品をオンラインで買いホーム・デリバリーをしたり、オンライン・ショッピングをする人の率は平均の2倍以上。
読書量が多く、アート・音楽・演劇・映画など幅広い趣味を持ち、定期的に外食もする。 海外旅行が大好きで、冬山から夏のビーチ、週末旅行から長期旅行まであらゆるタイプの旅行を楽しむ。
時事問題は細かく追っており、職場へ行く途中で読む新聞はFinancial TimesThe Guardian、Independentである。
New ACORN Classification Mapのタイプ16)

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世界で最も暮らしやすい都市

昨日の予告通り、MONOCLEの最新号(07/08号)の紹介です。
特集は”世界で暮らしやすい都市ランキング”でした。
この手のランキングは、一カ所に落ち着けない、今の都市での生活を楽しみながら常に次はどこに行こうか考えているような私たちのような人種には非常に興味あるものです。
Top 20の結果は以下の通りですが、①Expats(*1)の視点ではなく住民の視点でという選考プロセス通りで、②Monocle編集部の好みが如実に現れた、結果となりました。
*1 Expatriateの略:Wikipediaの定義

1. コペンハーゲン
2. ミュンヘン
3. 東京
4. チューリッヒ
5. ヘルシンキ
6. ウィーン
7. ストックホルム
8. バンクーバー
9. メルボルン
10. パリ
11. シドニー
12. ホノルル
13. マドリッド
14. ベルリン
15. バルセロナ
16. モントリオール
17. 福岡
18. アムステルダム
19. ミネアポリス
20. 京都

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