Tag Archives: 資産運用

為替ニュートラル

よく「(イギリスに引っ越すタイミングで)ポンドが安くなったからよかったね」と言われるのですが、うーーーん、短期的な為替の動向ってほとんど意味ないのであんまり気にしていないのです。 その代り、覇権通貨がどう変わっていくかはめちゃくちゃ気にしてます。
為替動向の感じ方って「どの通貨のどういう期間の視点で物事を見るか」によると思うので、我が家のポリシー「為替ニュートラル」について書いてみます。
1. 家計の資産形成
我が家の家計資産(というほどたいしたもんでもないけど)の大半は30年くらいの長期投資・運用です(老後の生活費とマイホームを買うかもしれない時の頭金)。 この資産をどの通貨で持つかが最重要。
結婚時の話し合いの結果、今後の世界基軸通貨になるであろうUSドルとユーロで半々ずつ(*1)持つことで、短期的な為替変動に心惑わされない為替ニュートラルな心理的ポジションを取ることで合意しました。 よって、2人の出身国通貨(日本円とオーストラリアドル)はすでにほとんど持っていません。
*1・・・「半々ずつ」という比率にあまり意味はありません。 4: 6でも6 : 4でもいいのですが、それくらいの細かい調整は流動性の高い資産であればすぐできるので。
ところが、シンガポールからはユーロ建ての金融商品を買いにくいので、現在すべてUSドル建てになっています(投資対象商品もすべてブログで公開しているので、興味のある方はカテゴリー投資・資産運用からどうぞ)。 これをロンドンに引っ越したらユーロ建て資産にも分散することが目下の課題です。

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「果ての国」に生きる – 1

『ブラック・スワンとレバノン』で書いたとおり、『ブラック・スワン』を読み終わったので感想です。 久しぶりにビシビシと読み応えのある本でした。
ブラック・スワンとは以下のような特徴を持つ事象のこと。

一つは予測できないこと。
二つ目は非常に強いインパクトをもたらすこと。
そして三つ目は、いったん起きてしまうと、いかにもそれらしい説明がなされ、実際よりも偶然には見えなくなったり、最初からわかっていたような気にさせられたりすること。

例として、1987年のブラック・マンデー、1998年のロシア金融危機を緒とした米LTCMの破綻、2001年の9・11、そして2007年から始まったサブプライム問題を契機とした世界金融危機など(本書はサブプライム問題顕在化の数ヶ月前に発売されている)。
ブラック・スワンが起こる世界を説明する比喩が秀逸。

月並みの世界・・・ベル型カーブに従って分布し、特定の事象が単独で全体の大きな部分を占めることはない。 アウトライヤーは無視できるほどインパクトの小さいもの。
例:身長、体重、カロリー摂取。 100人の中にひとりだけすごく太った人がいても平均体重などの統計には微々たる影響。
果ての世界・・・データ1つが全体に圧倒的な影響を及ぼす。
例:財産、本の売上、社会的事件、都市の人口。 100人の中にビル・ゲイツのような大金持ちがいれば、あとの99人はいてもいなくても統計的には同じ。

そして、世界に衝撃を与え、予測不可能なリスクを与えるブラック・スワンは「果ての国」で起きる。

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REITと債券もETFにしました

ブログの中で、ちっとも増えないマネー・ファイナンスカテゴリーのエントリーですが、以前『世界全体の成長を信じる』『ナンピン買いの誘惑』に書いたように、私たちの投資方針は

ドルコスト平均法 & インデックス投資 & 30-40年スパンの長期投資(バイ&ホールド)

なので、決めた日に決めた額を買うだけなので、普段やることないんですねー
私たちのアセット・アロケーションは下記。

現金:5%
債券:10%
株式:65%
不動産:20%

債券、株式、不動産、すべて「世界市場全体に投資する」のが方針なので、株式は全部Vanguard ETFで揃ってしまいました(→『結局Vanguard ETFにしました』)。

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世界全体の成長を信じる

『Between jobsの過ごし方 – 2』で予告していた通り、ようやくシンガポールに投資口座を開き、新たに投資・資産運用を開始しました。
このブログの中で、投資に関しては唯一全く成功体験がないので(笑)、先達の皆さま、ぜひいろいろ教えてください。
具体的な投資銘柄の前に、投資で最もパフォーマンスに影響を及ぼすのは個々の商品選択ではなくアセット・アロケーションだと言われているのでその話を少し。
私たちの目標アセット・アロケーションは以下の通り。
現金:5%
債券:10%
株式:65%
不動産:20%
投資スタンスは以下の通り。

  • 30年くらいの長期投資
  • 生活に必要なお金+αは給料で十分なので投資資金は当面使わない余裕資金
  • 長期的には高いリターンが狙える株式投資中心

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There ain't no such things as a free lunch

このブログもだいぶいろいろな方からコメントを頂けるようになりました。
基本的にご質問頂いたことは何でも答えるようにしていますし、新たな視点がまた刺激になるので、「へぇー」とか「いや、それはちゃうんちゃう?」とか短くてもいいので、反応してもらえると嬉しいです。
気づいたのですが、マネー・ファイナンス系のトピックになるとトピックそのものに関するコメントは減りますね・・・ 難しいんでしょうか? 興味がない?
今日は日本にいる友人からのメールを引用しながら(本人の了解済)、私が重要だと思っている点もご紹介します。 反論歓迎。
以下、友人と私のメールのやり取り抜粋(前後で近況報告をし合っているので、こんなに冷たいやり取りではないです)。

友:インデックスとかすごく興味あるのだけど、いかんせん、平日、信託銀行に行って話を聞く時間がない・・・。
私:話聞きに行くくらいなら本読んだ方がよっぽどためになるよ、なぜなら彼らの仕事は「手数料の高い商品を売ること」だから。
友:あ、そうよねぇ。なので、銀行主催の無料のセミナーとか勉強会に参加して独学してたのだけど、今はそれも難しくて、。

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シンガポールで資産運用

ご存知の方も多いと思いますが、シンガポールはアジアのオフショア金融センターとして知られ、村上ファンドが拠点を移したことで一躍注目を浴びました。
オフショアの解説はGoogleでたくさん出てくるので省略するとして、個人の投資家にとって一番のメリットは利子、配当金、キャピタルゲインなどの資産運用収益に課税されないことでしょう。
日本、オーストラリアそれぞれにバラバラと金融資産を持っている私たち夫婦は(といってもたいしたことありません、ほとんど貯金です)、シンガポールに一刻も早く資産を移しポートフォリオを作り上げるのが当面の課題です。
日本もオーストラリアも利子、配当金、キャピタルゲイン全てに課税されるので、全く同じ金融商品を買っても(手数料など諸費用が同じと仮定すると)シンガポールに移した方が得なのです。
ただし、これはシンガポールに居住しているから得られるメリットであって、日本に住んでいる限り世界中どこで得た金融収益であろうと総合課税されますのでご注意ください(所得20万円までの免除あり)。

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勝間和代さんの魅力

昨日のブログで「日本は金融の基礎知識を身につける教育が欠けている」と書きましたが、「基礎知識って言われても・・・それって何?」という人にお薦めなのが、勝間和代さんの『お金は銀行に預けるな 金融リテラシーの基本と実践』です。
インターネット対談『ベストラー作家・勝間和代が、本についてあれこれ語る!』でご本人が、「自分が5年前に知りたかったのに、当時本がなかったので、今本にまとめている」とおっしゃっているように、私も5年前にこの本に出会いたかった!
今さら私が云々するまでもありませんが、勝間さんの魅力は「お金のためにやっているのではない」ところが溢れ出ているところだと思います。
私が初めて勝間さんの経歴を知ったときの非常に率直な第一印象は「(私の周りに)ありがち!」でした(大変失礼ですね、申し訳ありません・・・)。

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FP技能士3級のススメ

何かを習いたい、学びたいと思ったとき、始める前からゴールと期限を決めて(資格試験合格、数値目標達成など)、限られた時間内に自分を追い込むように仕組みを作るのは私の常套手段です。
逆に言うと、期限内に自分を追い込まず、だらだら始めた習い事は結局全くものになっていません(一番いい例がイタリア語。シチリア旅行から帰ってきた勢いで始めたものの、検定なども受けなかったため、2年イタリア語学校に通っても使いモノにならず)。
短期間でやったわりに一番日常生活で役に立ってると思うのが、FP技能士3級です。
FPとはファイナンシャル・プランナーの略で、3級は以下の分野からなります。

  1. ライフプランニングと資金計画
  2. リスク管理
  3. 金融資産運用
  4. タックスプランニング
  5. 不動産
  6. 相続・事業承継

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銀行のプライベートバンキングサービス

日本を出る前にHSBCプレミア『金融資産1,000万円以上のお客様のための専用銀行』の広告をよく見ました。
銀行のプライベートバンキングサービスは目新しいものではなく、私たちもシンガポールで検討したことがあります。
電話をかけたのは、HSBC, Citibank, DBS(シンガポール最大の銀行)の3行。
サービスはどこも似たりよったりで、

  • S$200,000(約1,600万円)の預け入れが条件(銀行によって異なる)
  • プライベートバンキングサービス自体の手数料はなく、銀行の収益は投資商品の販売手数料や信託手数料

が特徴です。
これは銀行の目線から見ると「自行の(なるべく手数料率が高い)金融商品を(なるべく頻繁に)売買してくれないと利益が上がらない」ということです。

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私の株式投資は失敗の連続 – 1

私は2005年5月に株式投資を始めました。
2005年5月といえば、ちょうど日本株が上昇気流に乗り出す直前、株式投資を始めるには絶好のタイミングでした。
Yahooファイナンスで2005年5月から2008年6月今日現在の日経平均をグラフにしてみましたが(↓)、今年に入ってサブプライムの影響で大分下がったとはいえ、日経平均連動のインデックスファンドを買っておけば、まだ含み益がある、そんなタイミングでした(下記グラフのピンクの線が日経平均です、他の線は移動平均線)。
Nikkei_0505_0806.jpg

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