Tag Archives: 英語
だって私、背が高い金髪のイギリス人じゃないもの。
去年の暮れ、聞いたこの言葉に耳を疑った。
言葉の主は、イギリスのインテリアデザイン業界の重鎮・・・と言っては失礼だが、業界団体会長を務め、雑誌記事の執筆・展示会のトークゲスト、など引く手あまた、ロンドンで最も成功しているインテリアデザイナーのひとりAのセリフである。 オーストラリア出身で小柄なブルネット(茶髪)のおかっぱ頭、50代後半(?)でミニスカートを履きこなし、いつも明るく朗らかで誰とも分け隔てなくフレンドリーに接する彼女のファンは多く、私もそのファンのひとりだ。 あるディナーで彼女の席の隣になった時に、若くしてロンドンにやってきて業界経験なしにデザインビジネスを始めた当初は苦労したことを語ってくれた。 その時に出てきたのが冒頭のセリフで、その後こう続けた。
オーストラリアから出てきたカントリーガールだし。
Continue reading
2 Comments | tags: コンプレックス , シンガポール , ロンドン , 英語 , 多様性 | posted in 7. 心・精神 , 文化・アイデンティティー
時が経つのは本当に早い。
『日英バイリンガルへの道 – 1』 、『 – 2』 を書いた頃は長男はまだ生後3ヵ月、ここに書いた通り、息子には私が日本語で、夫が英語で話す生活を続けてきました。 2歳を過ぎた頃から急に言語能力が向上、当時は週5日ナーサリーに通っていたため口から出てくるのは英語ばかり(でも私が言うことは理解している)、「バイリンガルなんてまだまだ先の話だわ」と思っていたところ、最近急に日本語がたくさん出てくるようになりました。
近所の日英バイリンガル家庭の女の子(3歳)が、在ロンドンの日本の幼稚園サマーコースに行ったところ、それまで英語オンリーだったのが日本語が出てくるようになった、とのことなので、うちもウィンターコースに2週間入れてみることにしました。 さて、念願の日本語上達は見込めるでしょうか?(車のない我が家が車で30分の幼稚園まで送迎するのでわざわざその期間はZipcarするのです)
Continue reading
5 Comments | tags: バイリンガル , 英語 | posted in 4. 教養・知識 , 英語・外国語 , MBA・教育
前も『The Future of Work』 で書いたけど、世界を変えるような大きな時流(メタ・トレンド)ってまずアメリカのカリフォルニアで発生して、それがすごいスピードで打たれて叩かれてテストされて、こなれたり改善したりローカライズされて、世界の中でも時流が回ってくるのが早い場所から順にぐるーっと回ってきて、気がついたらいつの間にやら世界の様相が変わってる、ってそんなイメージ。
そして、その潮流が日本で日常のあちらこちらに影響が見受けられるようになり、その影響についてマスメディアが連日大騒ぎするようになるのはかなり遅い、下手したら10年くらいかかってます。
例えば、自動車と並んで「ものづくり日本」を支えてきた電機業界の昨今の凋落(国際競争力の低下)。 簡単に言えば、国内競争で疲弊して急速なグローバライゼーションに適応できなかったのですが、その兆候ってずーーっと前から出てたよね・・・
メタ・トレンドを鋭く分析した秀作がまず英語で原著が出版されることが多いのですが、グローバライゼーションを分析した代表作は超有名なトーマス・フリードマンの『フラット化する世界』 。 2005年に原著が出版され、多くの政治家・企業人のWake-up callになったはず(鳩山さんが首相時代の2010年に購入してて、その遅さにぶっ飛びましたが)。
Continue reading
2 Comments | tags: グローバライゼーション , 英語 , 本 | posted in 4. 教養・知識 , 時事
ちょっと前にTwitterで夏野さんが
日本人が議論ベタなのは議論上の意見とその人の人格を一体化したがる傾向があるからだと思います。
理由は簡単。論理性で負けるから必殺攻撃に出てるわけです。
とつぶやいて、その後盛り上がってました(『異端児こそサバイブしなければならない』 書いたように夏野さんとは1年以上プロジェクトご一緒したことがあります)。
『技術やアイデア単体に価値はない』 で引用した奥山さんも
面白いのは日本の議論の仕方っていうのが、何かと個人攻撃になってしまうこと。 これは日本の言葉の作りっていうものがどうしても目上とか目下とか、男性とか女性とか、自分の相手に対する相対的な位置を示す感情を表す言葉があるのに対して、英語とかイタリア語っていうのは非常に少ない言葉で情報の内容を的確に相手に伝える言語の作りなんです。 だから、誰が何を言うかってことは重要なじゃなくて、その話の内容の方が重要だって順序になってる。
とおっしゃってるので、確かに日本人にそういう傾向があるんだと思います。
Continue reading
4 Comments | tags: コミュニケーション , 英語 , 日本語 | posted in 4. 教養・知識 , 英語・外国語
昨日のエントリー や渡辺千賀さんの『バイリンガル脳』 を読んでいて思った中で役立ちそうなことを。
私も英語の文章がまず頭の中に出てきて、それを日本語に訳そうとしたり、日本語の会話の中で突然センテンス丸ごと英語になったり(日本語に訳すのも面倒なので、そのまま出しちゃえ!)、ということはよくあります。
1. 英語で読んだり聞いたりしたことはそのまま英語で脳の中に格納されている
最近は本もニュースも英語の方が多いし周りも英語環境なので、印象的なことは無意識のうちにそのまま英語で脳内に格納されています。
例えば、「いい言葉だなー」と思って最近自分に向かって唱えている
You can have it all, just not at the same time.
『What I Wish I Knew When I Was 20』 (邦訳:『20歳のときに知っておきたかったこと』 )の著者Tina Seeligがスタンフォード学生に向けたこの(↓)講義で言っていた言葉。
赤ちゃんが産まれたばかりで「何をどうやったら、仕事も親業も両立できるのか?」と途方に暮れる新米パパ・ママに向けた言葉で、私の新しいマントラのひとつ。
言葉の持つ力は大きいので、(例え訳者がどんなに優秀でも)本は原文の方がいいのは、著者(話者)の実感がこもった力強い言葉が自分の中に蓄積されるからかなー
Continue reading
Leave a comment | tags: バイリンガル , 英語 , 本 , 渡辺千賀 | posted in 4. 教養・知識 , 英語・外国語
バイリンガル(候補)の子どもを持つお母さん・お父さんに朗報です。 「バイリンガルに育つと能力的に有利」という心理学と脳科学の学者の研究結果が出ました。
NY Times : The Bilingual Advantage
脳の中にエグゼクティブ・コントロール(実行管理)システムがあり、複数の事柄から重要なこと・意味のあることに集中するよう常に指示を出している。 バイリンガルに育つと2つの言語を常に抱えながら、エグゼクティブ・コントロールシステムが場合に即した言語に切り替えてアウトプットを出している。 バイリンガルはこのシステムをより頻繁に使うため、重要なことを効率的に判断することに長けるようになる。
結果として、
– バイリンガルはモノリンガルよりアルツハイマーの症状が出るのが5, 6年遅い
– バイリンガルはマルチタスキングに長ける
などの研究成果が出ているそうです(渡辺千賀さんの最近のエントリー『バイリンガル脳』 も同じ内容ですね)。
興味深かったのは、北米(この学者はトロント大学)でも数十年前までは「バイリンガルは能力的に不利」という通念があったそうですが、
Some of this was xenophobia. Thanks to science, we now know that the opposite is true.
通念の背景には外国人嫌いがある。 科学の進歩のおかげでその逆が真であることがわかった。
としているところ。
Continue reading
Leave a comment | tags: バイリンガル , 英語 | posted in 4. 教養・知識 , 英語・外国語
「ブログが更新されていないけど生きてるか?」と親から電話がかかってきました。
えーーー、生きてます。
最近ブログを書くという脳が死んでるので、The Economist からお役立ち記事を。
“How was your day?”と聞くと、いつも”Not too bad…”と返ってくるオーストラリア人の夫(*1)と結婚して3年以上、そんな私でも「イギリス人って本当に何考えてるのか本心がよくわからん言い方するなー」と思うことが頻繁。
*1・・・”Not too bad…”はアメリカ人的には”Great!!!”です。 感覚的には「GoodでもBadでもない中間よりちょっとGood寄り」でしょうか。
そんなイギリス人の婉曲話法が集められていたので、これからはこのリストを常備してお出かけしよう。
The Economist : Euphemistically speaking – This may interest you*
なお下記のうち”What is understood”は、(直接的な表現をするオランダ人やデンマーク人は)こういう意味だと受け取ってしまう、ということ。 Enjoy!
What the British say: “I hear what you say”
What the British mean: “I disagree and do not want to discuss it any further”
What is understood:”He accepts my point of view”
What the British say: “This is in no sense a rebuke”
What the British mean: “I am furious with you and letting you know it”
What is understood: “I am not cross with you”
Continue reading
5 Comments | tags: イギリス人 , 英語 , The Economist | posted in 4. 教養・知識 , 英語・外国語
『アクセントで判断されてしまうイギリス』 へのコメントでyuさんが24種類の英語のアクセントの動画を紹介してくれました(ありがとうございます!)。
VIDEO
ははは、彼、うまいですねー
特に(バックグラウンドを考えると当然と言えば当然だけど)British EnglishとIrish Englishがうまい、ジャパニーズ・イングリッシュは下手(笑)。
数ヶ月前、ナーサリー探しの話をママ友達としていた時、ひとりがこんなことを言っていました。
「snob(お高くとまった嫌みなヤツ)でごめん・・・なんだけど、○○ナーサリーに行ったとき、保育士さんの1人が”innit? innit?”って言ってたのよ。 ちょっと私の娘には”innit?”なんて覚えてもらいたくないから、そのナーサリーはやめにしちゃったー」
この時は何のことかわからなかった私。
Continue reading
2 Comments | tags: ロンドン , 英語 | posted in 4. 教養・知識 , 英語・外国語
先週の金曜、時間は18:10(外はすでに真っ暗)、息子をナーサリーに迎えに行き家に帰ってきた直後にドアベルが鳴りました。 自分の家のもっとも不満なところのひとつですが、イギリスってインターホーンがないのですねー
(よくわからない募金依頼が本当に多いので)「嫌だなー」と思いつつ、ドアを開けると、そこには上着も着ずに寒そうな大柄の黒人が。
「隣に住んでるんだけど、ガスのメーターを見にフロントドアから外に出たら、誤って自分のうちから閉め出されてしまった(フロントドアはオートロック)。 大変申し訳ないんだけど、お宅の裏庭からうちの裏庭にフェンスを乗り越えて行きたいから家に入れてもらえない?」
「は???」と固まる私。
(心の中で)”アナタ、何をおっしゃってるんですか? だいたい隣に住んでるって言われたって今まで見たことないし、ここはロンドン。 外は真っ暗だし、知らない人を家の中に入れるわけないジャン・・・ 裏庭に通じる部屋では息子が寝てるし、こんな大きな人に殴られでもしたらひとたまりもないし・・・”
固まっている私にさらに「いやー、本当に悪いんだけどさー」と申し訳なさそうに閉め出された経緯を説明するこの黒人、よく見ると靴すら履いていない。
すると、隣の家の陰、ちょうどガスのメーターがあるあたりから、ひょこっと作業服を着たガス会社のおじさん(白人)が顔を出し「ガスのメーター読んでたらドアが閉まっちゃったんだよー」と説明(ロンドンでは定期的にガスの検針をしにくる)。 IDカードも見せてきたので、「どうやらこの2人の言っていることは本当らしい」と判断して家の中に入れました。
家の中に入った(自称)隣の家の人、裏庭に通じる奥の部屋まで来た途端、突然豹変・・・
Continue reading
5 Comments | tags: イギリス人 , マルコム・グラッドウェル , 第1感 , 英語 , 階級 , 偏見 | posted in 4. 教養・知識 , 英語・外国語
いつも「もうこれ以上英語がうまくなることはなかろう」と思うのですが、イギリスに来てまた英語でひと皮むけた気がします。 長年、英語で仕事をしていて、こっちでは仕事してないのになー
英語圏で育ったイングリッシュ・ネイティブと英語を後から学んだ英語話者との間には、『英語コンプレックス – 1』 に書いたように、
相手は氷山、私はドライアイス
くらいボキャブラリーに違いがあるので、子どもを産んで、英語圏で育つとはどういうことかをその子の人生と一緒に体験するのが、ドライアイスが氷山に近づける近道かもしれません(全然近くないか・・・)。
突然ですがクイズ。
下の英単語の意味がわかりますか?(答えは次のページ)。 すべて私が過去1年くらいの間に知った単語です。
1. colostrum、2. tuberculosis(TBと略)、3. potty training、4. obstetrician、5. jaundice、6. peek-a-boo、7. Measles Mumps Rubella(MMRと略)vaccine、8. wriggle
Continue reading
9 Comments | tags: 育児 , 英語 , 医療 | posted in 4. 教養・知識 , 5. 趣味・プライベート , 英語・外国語 , 家庭・育児