Tag Archives: 育児

95%のおもちゃはいらない。

我が家の子どもたちは・・・というより、現代のイギリスっ子は本当にたくさんのおもちゃをもらいます。
私は実は子どものためにおもちゃを買ったことがほとんどないのですが、買わない方針とかは一切なく、余りにももらいすぎるので買う必要性がないためです。

日本もそうだと思いますが、子どもがおもちゃをもらうタイミングは大きく年に2回。
1. クリスマス
2. 誕生日

私が小さい頃、25日の朝起きると枕元にサンタさんからのプレゼントが置いてありました。 自分が欲しかったものかどうかは別として、だいたいは1つ、多くて2つ。
それに比べて、こちらはこれです(M&S広告より)。

ツリーの下に大量にプレゼントを置きます。 ひとりの子どもがいくつもいくつももらうのです。 我が家の場合、毎年、義母が大量に孫用のプレゼントを送付してきます。
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さあ黄金の10年がやってきた、何をしよう?

2組の親子の物語を始めよう。
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アラフォー、働き盛りのビジネスマンAには妻と子どもがいる。 大学ではエンジニアリングの学位を取ったが、25歳の時にMBA留学をし、その後は一環してコンサルティングファームで顧客企業の戦略立案や買収案件のビジネスDD(デューデリ)などを行ってきた。 インドネシア・キルギスタンからコンゴまで出張で訪れた国は数えきれない。 30歳で結婚してから10年間、彼の最大の悩みはキャリアと家庭の両立だった。 彼がキャリアの悩みを相談する相手はMBA同級生だった妻ではない。 妻は「家族を最優先にした上で、あなたがハッピーになれる仕事であれば何でもいい」という非常にざっくりしたガイダンスしか示さないので、あまり細かい相談はしないのだ。 ブラック上司にパワハラを受けた時の上手な会社の辞め方から転職時の給与・待遇の交渉まで、とりわけ人間関係を中心とした現実的な相談はいつも70歳になった父にする。 地球の裏側に住む父とは、唯一話せる時間帯、朝の通勤のわずかな時間を縫って、何もない時は月1回ほど、転職活動中など相談がある時は週3回ほど電話する。 時によっては妻よりたくさん話しているかもしれない。
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2017年も終わるというのに今年何を成し遂げただろう?と悩むママたちへ

2017年が終わる。

今年は9年ぶりに妊娠も授乳もしなかったのでお酒が飲めるようになった。
8年ぶりに家の中からオムツが消えた。
8年ぶりに家の中に赤ちゃんがいなくなった。

いつの間にか私のあごの下まで背が伸びた長男以下の3人(7歳、5歳、3歳)を見ながら、「キミたちは成長したけど、私は今年何をしたのだろうか?」と思う。

そんな時いつも思い出すのは、子ども3人が誰ひとりとして怪我をせずに1日を乗り切るだけで精一杯だった日々のこと。 子どもたちが5歳、3歳、1歳だった頃は3人3方向に走り始める子どもを交通事故に合わせないこと、が1日の最大にして最重要な目標だった(→『「最近の親」が誇るべき1つの事実』)。
幹線道路の真ん中に飛び出したり、バス停に入ってくるバスに触ろうとしたり、出発し始めた電車に触ろうとしたり、2階の窓枠に座ってオモチャの車を窓枠に沿って遊ばせていたり・・・「これは危険かも」という概念が一切なく危ないことを次から次へしでかした次男が5歳になり、ようやく「この子は私が一瞬目を離した隙に死んでしまうのではないか?」という絶え間ない恐怖からは少し開放された。 今のところ体に残るような傷は、今年夏に金属柱に激突した時につくった目の上の傷だけに留まっている。

同じように「私は今年何を成し遂げたのだろうか?」と思ってしまう時につぶやくと良い言葉がこれ。

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クソったれ罪悪感妖精

長男の仲のいい友人はお父さんが専業主夫で学校の送迎や家事をこなし、お母さんが一家の大黒柱としてフルタイムで働いています。 なのでいつも学校の送迎でお母さんと顔を合わせることはないのですが、たまたまお互い仕事に行く途中に駅で会ったので電車で雑談をしました。 そこで印象的だったのが、「良い母親じゃないんじゃないか?」といつも罪悪感にかられているので、週末は家事や育児を一手に引き受けているという話。

ワーキングマザーって、というか有職・無職を問わず母親という人種は、子どもの数や国籍、収入の多寡を問わず、いつもどこか罪悪感を抱えてますよね。 今日は私が唯一読む子育てブログ“Hurrah For Gin”(というかマンガ、英語です)から”The Shitty Guilt Fairy”という、とっても素敵な記事を紹介します。
原文はこちら
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決める力

次男が9月から学校に入りました。 2012年7月生まれの次男は日本式には幼稚園の年少ですが、イギリスではレセプションクラスと呼ばれる準備クラスが4歳の9月から始まります。

我が家の小学校組が2人に増え、親である私の仕事は増えました。 これは俗に言う「小1の壁」に加えて、イギリスでは11歳以下の子どもがひとりで外出してはいけない(*1)ことがあります。
*1・・・法律で決められているわけではなくガイドラインであるが、学校は厳しく遵守しており、授業が終わると大人(事前に連絡すれば友達の親なども可能)のお迎えがない児童は学校の敷地から出られない。 参照:『その規制は本当に子供のため?』

イギリスの「小1の壁」は日本より高いです。 2歳の娘のナーサリー(保育園)は8:00 – 18:00ですが、小学校は8:45 – 15:15、両方とも送迎必要。 日本の学童のような放課後保育はなく、学校の敷地内にある民間の放課後クラブ(有料、15:15 – 18:15)か、学校のクラブ(有料、曜日も時間もまちまち)に預ける。 春・夏・冬休みに加え各学期の半ばにハーフタームと呼ばれる1週間の休みがあり、年間の授業日数は日本の205日前後に対し、190日。

6歳の長男はYear 2(小2)で、学校のクラブのオプションが多いので、
月:アート・クラブ@学校 15:30 – 17:00
水:水泳@外部の教室 16:00 – 16:30
木:サッカー・クラブ@学校 15:30 – 16:30
土:日本語@外部の教室 9:30 – 12:45
という状況で、時間と場所の確認をしながら2人のスケジュールをジグソーパズルのように組み合わせ、毎朝持ち物を確認し送迎(お迎えに遅れると罰金のところも)。 3つの学期と年6回あるホリデー期間(*2)の2人分の学校外のアクティビティーを、定員に達する前に申し込み、締め切りに遅れないように正しい金額を支払い、お弁当の有無など持ち物をチェックして準備し送迎を行うのです。
*2・・・子どもだけで留守番がさせられず、学童もないので学校の長期休暇は本当に大変。 参照:『イギリスの小学生の夏休み』
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誰もあなたを見ていなかった

長い不妊治療を経て先月男の子を産み、新生児と毎日格闘しているアメリカに住む友人に送ったら「泣いた」という返事が返ってきたのをこちらに紹介します。
イギリスのママ向け掲示板Mumsnetのブロガー・オブ・ザ・イヤー候補になっている記事“Like Real Life: Nobody saw you”。 日本語に訳するに当たって絵本やテレビ番組の名前など日本風に脚色しているので、原文で読みたい方はこちら
Let’s get pissed together, shall we?

誰もあなたを見ていなかった
誰もね

朝の3時に
子どもたちがまた起きたとき。

誰も見ていなかった
床に落ちた豆を拾って
机についた汚れを拭いて
洗濯かごを片付けて
ゴミ出ししたところを

何度も
そして何度も。

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コスパで人生を測るな。

最近、日本のメディアで立て続けに「結婚や育児はコスパが悪いと避ける人が増えている」という趣旨の記事を読みました(AERA: 結婚はコスパが悪い ひとりの寂しささえも代替可能)。
これを読んだ時、ほとんどの子持ちは「そりゃ子どもはコスパ悪いよ(むしろ経済的には大幅マイナス→『子供ひとりを育てるのにかかる費用』)。 だけど、それがどうした?」と感じたんじゃないかと思いますが、これって論理を組み立てる前提が理解できないため、理解できない結論が導かれてるんじゃないでしょうか?
<前提 1>育児はコスパが悪い。
<前提 2>ボクの意思決定にコスパは重要な判断基準である。
<結論> だから結婚・子育てはしない方がよい。

ここで問題となるのが<前提 2>、この前提を持つ人たちは死ぬ時、「ああ、コスパのいい幸せな人生だったなー」と思って死ぬのが理想なんでしょうか? 以前『人生をどうやって測るのか?』というエントリーでは、癌の告知を受けたクリステンセンHBS教授の言葉を紹介しました。

God will assess my life isn’t the dollars but the individual people whose lives I’ve touched.”
神が私の人生を測る計測は稼いだお金ではなく、私が触れた個々の人間である。

前回のエントリー『記憶に残るのはどんな感情を抱いたか』では、壮絶な人生を生きたアメリカの黒人活動家・詩人・女優であるマヤ・アンジェロウの言葉を紹介しました。

People will forget what you said, people will forget what you did, but people will never forget how you made them feel.
みんなはあなたが言ったことを忘れてしまう。 あなたがしたことを忘れてしまう。 だけどあなたに対して抱いた感情を忘れることはないでしょう。

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ハーフの子育てあるある

最近、時間がなくてブログを書く心理的ハードルが上がっていたので、ハードルを下げるためにくだらない話題を。

タイトルは「ハーフの子育てあるある」になってますが、海外在住の場合です。

1. 子どものカタカナ名が思い出せない
現在直面している最大の問題。

これ、私だけでしょうか? 普段は英語で子どもの名前を書くのですが、子どもが生まれたときに日本領事館に出生届を出して戸籍登録しています。 その時はアルファベットは使用不可なのでカタカナで登録したのですが、長男のカタカナ名が思い出せない!!!
子どもの名前がDavidならば(注:仮名です)「デービッド」、「デイビッド」、「デイヴィッド」・・・etc. いろいろカタカナ表記が考えられるのですが、長男の名前のカタカナ表記がどうしても思い出せないのです。

先日、長男のパスポート更新期限がきたのでロンドン日本領事館に行きました。 用紙を記入している最中にカタカナ名がどちらだったか思い出せないことに気づき、窓口で「思い出せないんですけど・・・」と正直に申し出たところ、「最初のパスポート取得時に戸籍謄本コピーを頂いてますので、そちらをチェックしておきますね〜」と実に日本らしく気の利いたサービス。 そのため、結局どちらかわからず。

そして今、夏休みのため長男はロンドンの日本語幼稚園サマーコースに通っているのですが、私が結局名前を思い出せずに申込書に適当に書いた方の名前でひらがなの練習をしています。 後から「実は自分の名前の書き方間違ってた」って知ったらどう思うだろう?(笑)

早く戸籍謄本チェックしろ、ってそれだけの話なんですが。

なお、今日は次男の3歳の誕生日なのですが、Facebookの「3年前はこんなことがありました」という昔の写真が出てくる機能を見て、次男の日本名の漢字を思い出しました。 おお、そっちの漢字だったか!
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三遊間守ります、スコアもつけます。- 2

昨日の続き。
一般に「家事・育児」という言葉で現される皿洗いやお風呂入れといった作業は、野球に例えると野手が目の前にやってきた凡ゴロ・凡フライをキャッチするレベルで、次の2つの仕事への視点が欠けている、という話。
1. 特に子供が小さい時に多いワイルドピッチや悪送球の多さ
2. 対戦相手のデータを調べつくして頭に入れ、試合展開に応じて瞬時の判断・指示を出し、個々の選手をモチベートし実力を引き出す監督・コーチ業

今日は、2. 監督・コーチ業、について、ある1人の女性の話を紹介します。
以前『讃えられないママたちへの賛歌』というエントリーでも書いた本『ケイト・レディは負け犬じゃない』(映画”I Don’t Know How She Does It”の原作)からの引用、下の英テレグラフ紙の記事から読めます。
Telegraph : I Don’t Know How She Does It is the movie for unsung mothers everywhere(『ケイト・レディが完璧(パーフェクト)な理由(ワケ)』は誰にも讃えられることのない母親たちへの賛歌だ)
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三遊間守ります、スコアもつけます。- 1

先日の『漏れなくダブりない家事の方法』に色々コメントありがとうございます。
– 家庭の経営は企業と一緒で戦略的なマネジメントが必要である
– 重要なのはトップのCEOレベルと2層目のマネジャーレベルであり、実際のタスク(任務)を行うプレーヤーレベルにはめまぐるしく変化する外部環境(転職・進学・引っ越しなど)・内部環境(子どもの成長・病気など)を鑑みながらリソース配分・調達を行うべき
ということが言いたかったのですが、乳飲み子を抱えて寝不足の私が夜なべしてつくった(←嘘)稚拙な役割分担チャートに興味が集中してしまったようです。
その中でも2つ嬉しかったコメントがあったので、今日はそこを掘り下げます。

三遊間はすべて妻が担うことに(><)

すごい。こういうのがあると燃える男性が多いかも?

そうです、そうです。
政府や大企業の女性活躍推進とかって自分自身は家事の「か」の字もしたことがないおじさんたちが言ってると思うのですが、野球に例えたり、組織図で説明したり、おじさん達から見てブラックボックス化している家事・育児をわかりやすく説明する努力は必要だと思います。
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